140.ゼイニク1
アレックスをボコボコにして、強化ヒールで全員解散した。
部屋で制服に着替え朝食を取り
今日は寮の作業場で工作をしよう。
ベスタ&マルカの登校を見送る。
手早く、鋼ロンダ。
10本銀貨一枚が金貨200枚に早い替わり。
うへっへっへっへ。
何か笑いが止まらんな…。
口の端から汗が零れるぜ…。じゅるっ。
そして、蛍石。
加工できるかどうかが問題だ。小さな蛍石を魔力で変化させる。
はい、木っ端微塵になりました~♪
失敗です。
はい次の石。
小さな蛍石を二つに分ける。
綺麗に割れる。凹凸は無い。
よし!!加工は出来るが変形は不可能なのか…。
さあ、大きな蛍石さん、出番ですよ!!
スライス蛍石さんを沢山作る。
釘の先でエンチャントを…。
ああ、割れた。
困ったな…。
少し考えよう。
割れた片眼鏡を分解する。
レンズの部分にヒビが入っているので実験に使う。
魔法で割れた部分を治す実験だ。
何故かガラスは変形できるが蛍石は出来ない。
アモルファスと結晶の違いか?
でも。ステンレスと鋼は出来た。
金属ガラスが作れるのか?
いや待て。この時代には未だ早すぎるだろう。
俺が結晶を意識していなかったのが問題か?
しかし、蛍石を成型できたとしてもエンチャントを彫り込むコトはできない。
出来ればメガネの形を取りたい。
あの映画の様な…。何だっけ?
まあ、いい。悪魔を見破るメガネを作るのだ。
色眼鏡でも伊達メガネでも良い。
小さい蛍石数個で結晶を意識しながら成型する。
一つの正八面体が出来た、元の色が混じった様な色だ。
「結晶化してコレを加工するしか無いのか…。」
うーん。まあ良いだろう。幸い屑、蛍石は沢山ある。
幾つか歪なモノを集めて大きな正八面体を作る。
スライスする。
何故か上手く行った。
しかし。エンチャントが出来ない。
困った…。
片眼鏡のレンズを平面に加工する。
度の無いレンズにエンチャントを刻み入れる。
マジックインクを一滴、余分なモノを拭き取る。
薄い蛍石をサンドイッチにして…。片眼鏡に組み込む。
うん、形が悪いな。もっと薄く作るべきだ。
収納から、干し肉と梨を取り出し見比べる。
「あまり変らんな…太陽光の下で無いと解からんのか?」
庭に出て花壇の花を見る。
うん、花の模様が全く違う。
一応、紫外線フィルターは成功した様子だ。
しかし、室内で使えないのには問題がある。
光量が足りないのだろうか?
エンチャントを弄るか…。
角膜が日焼けしそうだ。
光電増倍管の様なモノが有れば…。
しかし、そんなモノ付けて歩いたらビックリ宇宙人だろう。
地面に生えている花をちぎり。
考えながら作業場に戻る。
眺めながら考える。
光源が有れば良いのだ。
ウランガラスの小瓶を魔力で変形させる。
今回は薄めに作る。
エンチャントを少し変更して光の拡散を抑える回路を追加する。
マジックインクを充填して薄い蛍石をサンドイッチにして…。片眼鏡に組み込む。
今回は片眼鏡のフレームに収まった。
少し、透過率が悪くなって緑色が強いがエンチャントの紋章が外から見えない。
光が漏れないのだろう。
室内で花を見る。
うん、悪く無い。前より明るく見える。
蜀台の蝋燭に火を付ける。
魔法が発達しているとは言え、火は灯りの代名詞だ。
なにせ、炎には紫外線成分がある。
花と蜀台を視界に入れる。
うん、上手くフィードバックが働いている。
白とびしていない。
太陽を見ても大丈夫だろうか?。
空になった低級ポーションの空き瓶をフィルターに外に出る。
混ぜ物の多い茶色い小瓶はフィルター代わりになる。
一瞬太陽を見るが問題ない眩しくは無い。
上手く回路が働いているようすだ。
プロミネンスと黒点まで見える。
地面の花と花壇の花は肉眼とは別の模様に見えるので正常に働いているのは間違いない。
よっし、量産しよう。
買ったメガネのフレームで4個作った。




