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136.ゴミ屋めぐり

ブラブラと市場を歩く。

目的地は正門前のゴミ屋街だが、コレと言った目的はないので出店を見て回っている。

干し肉が安い所が有ったが、品質が良くないので諦めた。

串焼き肉と丸パンを多めに買って味見する。

食べない分は収納した。

塩が売っていたが岩塩だった。

ブロック売りだったので2個買ってみた。

どうやら1セット2個らしい。

ブロック同士こすり合わせて粉にするらしい。

まあ、ナイフだと錆びるからな。


正門を出ると広場にはもう既に農家の馬車が片付けをしている所だった。

どうやら朝市は店じまいらしい。

少し遅かった。もう昼に近いからなあ。

植生と農作物を知りたかったが…。まあ良いだろう。

優先度は低い、味噌ラーメンが食いたい。

味はわからないが作り方は解かる。

あの世界の料理の再現をしたいのだ。


遂にゴミ屋街に付いた。

相変わらず店と道との境目は無い。

使い道の分からない商品が店の前に置いてある。


市場の露天商なら違反だがココは違うらしい。(市場の露天商はテントの外に商品は出してはならない。)

椅子に座ってぼんやりしている店主が多い。

物品に正札が無い物は店主に聞くしかない。

相変わらず爺率は高いのがこの通りだ。

真鍮や、青銅、使い道の解からない物が並んでいる。

一つづつサーチしても良いが…。

真鍮の針金が有ったので数本買う。

恐らく皮用の針だろう。

卓上天秤の中古が有ったので買う。

何故か分錘の方が高い。

値切って見たが、店主は使い道は知らないが強気だ。

チッ手強いな…。コイツ、俺が価値を知っていると見抜きやがった!!

結局、良い値段で買い取る。

もちろんボラれた気分だ。

物はよい、錆びも無い分錘だ。

俺は、損はしていないが負けた気になる。

ええい、次の店だ!!

ガラスの店には各種イロイロなガラスがある。

ガラス桶やガラス管も売っているのが高評価だ。(但し歪)

うーん。もっとこう、正確な…。

有った。正確なガラス管だ。

恐らく同じ鉄棒に螺旋を載せながら作ったガラス管だ。

コレは使える。

10本買おう。

何故かウランガラスがあったのでサンプルの小瓶を幾つか買う。

どうやら朝日と夕日で光る小瓶として売っている様子だ。


雑貨屋に行くと誰かの遺品としか思えない様な物が並んでいた。

皹の入った片眼鏡モノクルやメガネ。

小さな肖像画、錫のペン立てだけ。

中身の無い薬瓶。

銅の花瓶。

一人用の鋳鉄のフライパン。

欠けた陶器のココット。

真鍮の帽子掛け。

糸巻きボビンに壊れた糸紬機。

ろくろとふいごも売っている。

なるほど使い道が有りそうだ。

思いつくまま買いあさる。


古本屋に行ったが、帝国料理の本は無かった。

但し。帝国語の自然科学についての本はあったので購入する。

内容を少し読んだが大したコトは書いていない。

フムン、帝国の科学力もマダマダだな。

かなりのガラクタを購入したが。

目的は達成していない。



”綺麗な石屋”では何故か蛍石が売っていたので大量購入した。

神の奇跡と言って売っているが紫外線で偏光しているダケだ。

胡散臭いのでダレも買っていない。

安く買い叩く。

ファンタジーでお馴染みの黄鉄鉱が有った。

水晶はもっと沢山、安く売っている。

買占めだ。

マグで発振はできることは実証済みだ。

コレ等を使えば変調器と検波器と圧電素子が出来る。

マイクとスピーカーが出来る。

ロッシェル塩は湿度に弱いから使うつもりは無い。

増幅器を使った変調。

検波器は簡単だ。

エナメルが無いと困るがロジンで代用できるだろう。

最悪、銅線を布か紙でコヨリを巻きつけロジンで固めれば良い。

お客さんロジンの二度付けは禁止ですよ…。

ロジンか…。ドコで売っているだろう?

馬車屋へ向かった。

「やあ、お客さん。エンリケさんトコの馬車は未だ出来ていないよ?」

「すまない、馬車屋の店主、ロジンを探しているんだ。あと、溶かす油も。」

「有るには在るケド…。」

「ロジンはバケツ一杯欲しい、油は瓶一杯だな。」

「ウチは松脂から作っているんだが…。ソレぐらいなら在庫が在るよ。」

「ほう、ソレは凄いな。すまないが松脂も一塊分けてくれ。」

「やれやれ、ボートでも作るつもりかい?」

まあ、木材の防水に使われるので家具かボートぐらいしか使い道は無いだろう。

「ボートか…。在ると便利だな。」

「ドコに浮かべるんだい?昔、軍に頼まれて作ったコトが有るんだ。」

「ほう?ソレは凄いな、ちゃんと浮かんだのか?」

「はは、ちゃんと使えたらしいよ?今も浮いてるかは知らないけどね?」

金を払いバケツ一杯分のロジンブロック4個と松油を瓶一杯(たぶん700cc)、松脂を一塊(握りこぶしぐらい)を受け取った。

コレで何とかなる。

魔法無線機の道が広がる。

フェノール樹脂が無いので空中配線に成るだろう。

正に時代は空中線アンテナだ。

夢がひろがりんぐ。

雲母が有れば最高だが最悪紙でも良いだろう。

アルミが有ればもっと…。

いや、止そう。伊佐治が警告している。

何時でも呼び出せる通信装置なぞ。

ダレも幸せになれないだろう。

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