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131.荒ぶる銅

さて、武器屋を出て路地で剣10本を収納する。

次は金物屋だ。


暇そうなヒゲを生やしたガリガリの親父が…火の付いたパイプを銜えている。

相変わらずの店の状態だ。天井から鉄ポットやカップがぶら下がって店の中は雑然としている。

もちろん客は俺以外居ない。

「やあ、学生さん待ってたよ。頼まれた商品が入ったんだ。」

なるほど、フラグが立ったから金物屋の態度が変わった…。

さすがNPC…。まさか、コイツも攻略…。いや、止めよう。

「ソレは良かった、実は他にいくつか頼みたいモノが有る。」

「うん?なんだい。相談に乗るよ。」

背中に手を回して収納からマグを取り出す。

「コイツの追加注文を頼みたい。だが、少し形状を変えて欲しい、」

紙に書いたモノを渡す。マグの取っ手を左右、二つにしただけだ。

紙を眺める金物屋。

「うん、問題なくできると思うよ。」

「1000個発注したい。」

「せ、1000個?喫茶店でも始めるのかね?学生さん。」

「いくら掛る?」

「うーん、職人さんに聞いてみないと解からないねえ。」

「まあ、良いだろう。前金で金貨100枚支払おう。足りなければ追加で支払う。

「ええっ、良いのかい?」

「ああ、問題ない、一個銀貨1枚だできるか?」

「沢山注文してくれたんだからたぶんソレ位で出来ると思うよ。」

「よし、出来れば先行で50個、急いで欲しい。残りは年内の納品で頼む。」

「うーん、解かったコレだけの大仕事だ、ムリは利くと思うが…。」

「申し訳ない。コレで頼む。」

ポケットから金貨10枚づつ取り出して10並べる。

「解かったよ1000個だね、うち50個は急いで納品。前金、金貨100だ、領収書を書くよ。サンプル一個と注文書を預かるよ。」

金物屋の親父が素早く領収書を書いた。

受け取る裏表&文面共に問題ない。

「やれやれ、久しぶりの大繁盛だ…。」

パイプをくゆらせる親父。

「さて、ソレとは別だが…。」

「未だ何か買ってくれるのかい?」

「ああ、水差し、いや、ティーポットが欲しいんだ。蓋付きで…。銅製が良いと思う。安いのが沢山必要だ。」

「うーん、いよいよ喫茶店だね。今、店に有るのはコレ位だね。」

大小イロイロな形のティーポットを並べる親父。

華奢なポットが多い中一つだけ銅のモッサリした形状だ。ヤカンに近い。

「コレは?」

「ああ、旅人が使うポットだね。お茶を飲む為のポットでソコが厚い、直接火に掛けられる。水はカップ2.5杯分だね。蓋は蝶番で付いている。頑丈だよ。」

「コレはいくらだ?在庫は幾つ有る?」

「ああ、そうだね…。100以上あるよ。一個大銅貨4枚だ。」

「全部買おう。」

「はあ?」

「在庫全て買う。コレはよくある物なのか?」

「お、お買い上げありがとうございます、そうだね。よく出る品物だから追加で作ってもらえると思うよ。」

「よし!ソレは良かった。在庫はいくつあるか?」

「やれやれ、ちょっと待ってくれ…。今、出すから。」

棚の一画が全て空になった。

カウンターの上で山になっているティーポット。

「全部で131個だね。ホントに買っていくのかい?全部で…。」

「金貨2枚に大銀貨1枚と銀貨2枚、大銅貨4枚だ。」

「あ?ああ、そ、そうだね。スゴイな。」

紙に書いて計算して納得した金物屋。

「よし、丁度ある。」

「お買い上げありがとうございます。これ?どうするんだい?未だ銅のインゴットも有るんだよ?」

「店主、俺は学園の魔法使いなんだ。魔法を見せよう。」

一気に購入した物を収納する。忽然とティーポットの山が消える。

GUIには

”ティーポット小×131”

の表示だ。問題ない。

金物屋の親父は…。

「コリャ凄い魔法だ…。」

目を見開いて驚いている。右手でパイプをもったまま手を叩いている。

いや、見世物ショーでは無いのだが…。

「さて、銅材料の方の話だ。」

「うん、すまないが裏に置いてある。付いて来てくれ。」

親父の後ろを付いて店の奥に進む。

店はそのまま裏通りまで繋がっているらしい。

うなぎの寝床と言うヤツだ。うなぎ?どんなヤツだったかな?

客が入らない奥の倉庫まで行くと一区画に整然と詰まれた金属ブロックが…。

「コレだ。まあ、見てくれ。」

「おお、結構な量だな。」

さっそくサーチ。


サーチ結果

----------------------

道具:荒銅インゴット

効果:劣化銅(銅:91.1%鉛:2.6%銀:2.3%白金:1.8%金:1.6%その他:0.6%)

----------------------


混ぜ物が多いのか?いや、精製途中の銅だな。


「う~ん。」

「なんだい?何か気に入らないのかい?」

焦る金物屋。

「いや、済まない。ドレだけ有るんだ?」

「インゴットで144個だよ。」

鉄より高いな…。

いや、そう言う問題では無い。

かなり歪んだインゴットを一つ手に持って見る。

同じ重さに感じる。

恐らくインゴットの単位は決まっているのだろう。

インゴット12Kgだとしても144個で1.7t。

残念だが精錬が悪いので使える銅は1.5tちょっとだ。

しかし、金が30Kg弱取れるコトになってしまう。

銀なら40Kg弱…。

金なら一枚、銀なら五枚を超えるオトナの缶詰だ…。

金と銀。パールが無くても、もう銅だってイイ。

俺は今、新たな錬金術ぜにのほうを見つけたのだ…。

「いや、問題ない。コレで良い…。申し訳ないが、コレは定期的に入荷できるか?」

「え?まあ、頼めばね。需要に寄って変るから。何時でもコノ量と品質と言うワケには行かないと思うよ?」

「良し解かった。コノ程度の銅で良い、悪いが定期的に購入したい。とりあえず又金貨5枚渡そう。」

「あ?はい。お買い上げありがとうございます。」

俺は金物屋の親父に金貨5枚を渡すと。

1.7tの銅インゴットを収納した。

魔力が減るのが解かる。

丹田が魔力を補充している。

俺は新時代の神になる!!(抜ける戦友)

(´・ω・`)恐らく精錬に失敗したインゴットが来たんだと思います。

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