124.進路
魔法科の教室前に行くと何故か全員集っていた。
ミソッカス共とロリロリくっコロだ。
ボロリの俺が居ないとダメだ。
ロビンが居ない、消えた…。いや、逃げたのであろう…。俺から逃げられると思うなよ?
「すまない、遅れた。」
「ごきげんよう、オットー今日はどうする?」
アレックスがムカつく前髪を触りながら挨拶してきた。
今朝アレだけボコボコにしたのに何故か、殴りたくなる。
「オットー、遅いよ、お腹空いたよ。早く大衆食堂行こうよ。」
「弟よ。そんなに気に入ったのか?大衆食堂?」
「最近お腹が空くんだ。沢山食べれるようになったよ。」
「まあ、そうだろうな。かなりキツイ朝の鍛練だからな。」
「カール。俺も賛成だ、大衆食堂にしよう。」
「では行こうでははないか。」
ゾロゾロと大衆食堂に向かう。
食券売り場は随分と並んでいる、しまった。出足が遅かったから混んでいる時間帯に当たってしまったか?
ベスタに銀貨1枚を渡し大盛り券を人数分と+麺券を買いに行かせる。
待っていると意を決した様にエミリーが姿勢を正して話しかけてきた。
「あの、オットー様。昨日の実習も上手く行きました。訓練を受けてから何か解かるようになったんです。急に見える様になったんです。」
やべえ、オリエンタルロリも乳タイプ化したのか?
「そうか…。まあ、マダマダ成長途中だ。鍛練を絶やさぬように。」
「はい。」
笑顔で答えるエミリー。
マダマダ成長期だからな。微・乳タイプ。
「マルカはどうだ?上手く行っているか?」
「は、はい。」
「マルカは凄い勢いで点数を上げています、このままなら一緒に卒業です。」
「あ、はい、エミリーのお陰で座学も進んでます。履修テストも合格点を貰いました。」
「すまないなエミリー、主人として礼を言おう。ありがとう。」
「いえ、とんでもない。私とマルカはペアなんですから。」
微笑み合う。エミリーとマルカ。
うん、少女のキャッキャウフフは見ていて微笑ましいものだ。
ムサイ、ミソッカス共にはない華やかさだ。
ベスタが食券を調達して戻ってきた。
皆で並んで皿とサラダを取り(俺は+麺)席に付く。
豆とカブ、手羽元と丸パン。
シチューにはトロみが付いている。鳥肉に小麦粉が塗して炒めてあるのだろう。
サラダは葉物野菜の盛り合わせ。炒り豆に黒いドレッシングと粉チーズが乗っている。
麺類は塩漬け肉の脂身とハーブのスパゲティだ。ホワイトソースが掛かっている。
マルカがお茶の用意を行いベスタとエミリーも手伝っている。
「さて、明日の半ドンはどうしよう?」
マルコが口火を切った。
「兄さん、しばらくお金無いよ…。この前のスクロールで全部使っちゃった。」
「まあ、そうだな。俺もナイフ買って金欠だ大人しくしているしか無いな。」
「そうだな、皆で鍛練でもするか?」
「僕、家に帰らなくちゃ行けないんだ。父上に軍に入ると言ったら反対されて…。」
「アレックス。家族が心配するのは仕方ない。軍でこの先生きのこるのは難しいぞ?戦争だ。」
「オットーは戦争戦争と言ってるケド本当に起きるのか?」
「起きる。」
ゲームで決まっちょる。
「何とか父上を説得したいんだけど。何かアイデア無い?」
「お調子モノの兵はすぐ死ぬ。ご家族の気持ちもわかる…。まあ、諦めろ。」
「オットー真面目に考えてよ。どっか、安全で女の子が多くて、毎日、定時で仕事終わりに飲みに行ける軍を探してよ。」
「そんなモノ無いだろう…。」
「アレックス。軍を舐め過ぎだ。」
呆れる乳兄弟
あ、騎士見習いが食堂に入ってきたが回れ右をしている。
目が合ったが知らん顔だ…。制服は確か…。
「王立近衛兵団だな。」
思わず呟くがマルコがツッコミを入れる。
「は?なんだって?」
「オットー、アレックス、王立近衛兵団の兵なら戦場に出るときは国が滅びる時だ。」
カールが話す。続けるジョン。
「オットー、諸侯出身でガーズ入るヤツは食い詰めだぞ?実家が反乱で人質の様なモノだ。だから女も多い。まあ、王族に一番近い職場だから女も必要だがな。」
「そうか…。王立近衛兵団か…。」
考え込むアレックス。
「ああそうだ、アレックス会敵したときは死ぬ時だ。逃げる方法も手段も無い。ナカナカ無いが自爆して果てろ。敵と共に。」
アレックスに自爆を進めるが。持ち前の楽観的観測を展開している。
そんな心構えだと、悪魔の尖兵で王都に進撃した時死ぬぞ?
「そうだね、オットー!ありがとう!!僕。王立近衛兵団に入るよ!!響きもイイし。年金も高い。戦場に出なくても良いし。定時に帰れる。女の子のウケも良い。イイ所尽くめだ。」
元気なアレックスを尻目に皆、深いタメ息を付く。
なんだってコイツは死亡フラグビンビンなんだ?
「マルコ?ガーズに魔法使い枠在ったっけ?」
「ああ?無いハズだ。普通にガーズは庶民の編成だ。士官は皆王家の出身だ。」
「アレックス、入っても針のムシロだぞ?」
「大丈夫大丈夫♪」
大丈夫じゃないだろう。
王国兵の中に諸侯出身の士官だ、退役や出向で将官クラスでは居るがかなり毛色の変わった士官になるだろう。
悪目立ちすること間違い無い。
まあ、入団できればの話だが…。
さて、昼食が終わりミソッカス共と別れた、と言っても放課後図書室なので先に図書室に行っているダケだ。
フェルッポのノートが頼りだ。
図書室のドアを潜り抜けると司書ちゃんに軽く挨拶をして写本室を借りた。
さあ、アイテムの設計だ。
随分形になってきた。とりあえず試作を作ってみて実験だな。
そろそろ午後の授業が終わる頃だ背筋を伸ばして肩のコリを取る関節がボキボキ音をたてる。
写本室を出ると。
司書ちゃんの居るカウンターに向かう。
何故か図書室が満員だった。
ドコかで見たような連中だが…。
うさみみっ娘とダークエルフ少年が居た。
ああ、基本魔法科の連中か?何か在るのか?
学習会なのか全員着席している。
「司書さん。作業終了しました。写本室から退室します。」
「はい♪おつかれさまでした~♪」
うん、もっと憑かれたい。
周囲を見渡すとマルカとエミリーが困った顔で歩いて来た。
「あ、あの。オットーさま。実は…。」
喋り辛そうなマルカ。
「オットー様、実は基本科の学友たちが。クランに加入したいとの申し出が…。」
「なに?」
全員が席を立ちその場で片ヒザを付いて最敬礼の姿を取った。
「「「「何卒!お願い申し上げます!!」」」」
は?
「え?何コレ?なんの遊び(ゲーム)?」
フェルッポの声だ、開いたダァー☆にはミソッカス共が驚いた表情で立っていた。




