122.アンチ・デビル
多少は軽くなった足取りで寮に戻ったが。
集めた資料を読み始めると。
頭が痛くなった。
優先順位は低いが…。先ずは悪魔への対策を考えよう。
何せ対悪魔兵器は中盤以降の武器しか通用しない。
アイテムを集めるには学園を卒業した後でないと…。
何とかアイテムを再現して作れないか?
大まかなアイテム案をノートに書く。
対悪魔メガネ(デビルアイ)
対悪魔指輪
対悪魔の叫び耳栓
簡単な所からだと対悪魔指輪だな。
悪魔の魔力パターンは解析済みだ。
もちろん相手が対抗策を考え出したら使えないであろう。
対悪魔メガネ(デビルアイ)は構造単純だが問題は透明な魔法インクが無いコトだ。
フレームに書き込んだらかなりデカイメガネになる。それこそ…。ダメだ。メガネキャラが思い出せない。
ソレにメガネは高い、ドコから調達するか…。
マルカとベスタが戻ってきた。
「オットー様休まれてないのですか?」
「おお、おかえりマルカ、休んでいるぞ?」
「いえ。あの。そうではなく。」
「ああ、そうだな、気分が優れない、今日は部屋で一緒に夕飯を食べよう。そうMr.Rに伝えてくれ。」
「はい、わかりました。」
マルカとベスタがメイド服に着替えて寮の仕事に出た。
ハウスメイドか…。
俺が軍に行ったら帰る家を用意しなければ…。
ソレには先ず金が要る。
しかし、マルカとベスタは俺に付いて来てくれるだろうか?
ソレは卒業式の結果発表まで待たなければならない。
いかん、何でも抱え込みすぎだ。
一つずつ解決していこう。
さて、皆で食事をしたがやはり困った。
何故かMr.Rが気を利かせて。
麦の粥と梨の糖蜜煮。やわらかパン(干し果物入り)と言う。
スーパー病人食が出て来た。
しかも。ワインのお湯割りハーブ入り付である。
「すまない。マルカ、ベスタ。こんな食事に付き合わせて。」
収納していた肉の串焼きの残りを出して皿に並べる。
「いえ、偶には良いです。」
「あの、昔、風邪をひいて寝込んだコトを思い出します。」
意に返さず答えるベスタに、少し涙ぐむマルカ。
そのまま身体を拭き早めの就寝となった。




