119.悪夢
清々しい。朝だ。
すばらしい。
昨晩は一人で寝た。
流石に疲れが出たのだろう。
すっきりした気分だ。朝日が眩しい。シーツと枕の白さが生える。
ソコに散った大量の戦友…。
「ふわあああああああああ!!」
「どうされました!!」
メイド服のベスタが剣を持って飛び込んできた。
「いや、すまん、悪い夢でも見たようだ…。」
「ふう、そうでしたか。」
頭を掻いて誤魔化す。
指と指の間には戦友が挟まっている。
夢では無い。
ココ一週間調子に乗りすぎた!!
目蓋の裏にはありとあらゆる場面でのチャクラが…。
イレーネ、イネス教授…。良いケツだった。
ふう。
後悔しても仕方ない。
コレからだ。コレから…。
絶望のまま身支度をして中庭に出る。
何故かミソッカス勢ぞろいだ。
よし、コイツ等も俺の地獄に引きずり込んでやる。
「よし、今日は昨日の続きの受身からだ。終わったら一旦集合」
何故かベスタも受身練習している。
投げ飛ばされるのが悔しいらしい。
悔しいっでも投げられちゃうっバタンバタン。
「さて、では集合。コレよりスクロールを配る。コレは”ウェイ”と言う魔法で一時的に身体を強化する魔法だ。体に負担が出るので一日に三回以上使わないコト。」
「おい、大丈夫なのか?」
マルコが懐疑的に質問する。
「あー俺の見ている所なら大丈夫だ。一回使ったら3日は開けろ。ヒールできる状態なら毎日使っても問題は無い。たぶん。」
「おいおい。」
「いや、ちょっとソレは…。」
「ソレは従者殿が時々使っているモノか?」
「ああ、アレか…。」
「そうだ、欲しいか?カール?」
力が欲しいか?カール。
「もらおう。」
「う、ホントに大丈夫なんだろうな?オットー?」
流石カールとジョン。中二的なコトにはすぐに飛びつく。
「ボクは…。どうしよう兄さん。」
「危ないコトは止めておけ弟よ…。」
「面白そうだね。」
アレックス、死ぬぞ…。ホントに。
「まあ。ムリをしなければ問題は無い、そういう魔法だ。ただし、動いた分だけ筋肉痛にはなるだろう。」
結局全員が受け取った。
手の中で炎が上がるミソッカス共。
「では皆の者、試してみようでは無いか?”ウェイ”」
「「「”ウェイ”」」」
皆の体が魔力的に光る。
よっし、成功した。
後は個人で切れる時間を計測するだけだ。
「では鍛練を続けよう。」
結局全員同じ時間に魔法が切れた。
切れた途端に倒れこむミソッカス共。
「え。体が重い。」
「コレはつらい。」
皆、呼吸を荒くしている。
「はい、はい、ヒールするから並んで~。大体、今の時間が効果時間だから、戦闘中は時間を計って重ね掛けしてくれ。でないと死ぬぞ。」
強化ヒールで筋肉の炎症を治してゆく。
魔力も減っているのでデブ注入。
部屋に戻り身支度を整え朝食を食べた。
寮の作業場で改良型を作る。
発破導線を通す穴と発動開始点をのぞき穴の2m先に設定するだけだ。
簡単簡単。
版を修整して、ふと思う。
これ、コピーされるのでは?
いや、軍にコピーされるのは良いが、敵にコピーされて友軍が傷つくのは問題だ。
こんなに簡単に量産できるんだ。
コピー防止を入れないと…。
構成は完成したがイキナリ頓挫したorz。
ミソッカス共の剣をつくる。
と言っても刀身のみだ、コレを作って安い武器屋で拵えを作ってもらおう。
焼き戻し迄で良い筈だ。
刃を入れるのは拵えが出来て、魔法エンチャントが終わってからでも良いだろう。
さあ、ミスリルさんの出番ですヨ
GUIからミスリルの立法体が机の上に乗る。
一辺が40cmを越える正立方体の金属。
綺麗だろ?コレで0.6屯なんだぜ…。
いくらなんでもでかすぎるので。
「ミスリルよ!100Kgに別れ7になれ。」
きついな、しかし丹田は使わない。
困った時は金で解決、貴族の正しいやり方だ。
強化剤を飲もう。(グビグビ)
さて、100kgのミスリルさんたちには退場していただき。
いびつなミスリルさんに仕事をしてもらう。
どんな形にしよう?
あいつらの剣術だとサーベルぐらいしか使えないだろう。
直刃が多い王国の剣の中であまり目立たないようなカーブの剣。
血溝は必要で片刃の切っ先付き…。
いや、先だけ両刃の方が良いだろう。
重さは1.3Kgで刃の長さは90cm…。皆体格良いから行けるだろう。
木の板に実寸の絵を書いてイメージを膨らませる。
「”ウェーイww”10個できよ!!」
複雑な形状なのでガクンと魔力が失われる。
くっそー。丹田は使わないモン!(グビグビ)
10振りの刀身と歪なミスリル塊が出来上がる。
いびつな塊は俺専用の武器にしよう。
「二つに分かれよ!スレッジハンマー!!」
コレは簡単だ、単純な形状だからな。
全長1mぐらい。
あの世界の日用品道具の大ハンマーが2個だ。
コノ世界の石屋も使っている、ただし柄の部分までミスリルと言う豪華仕様だ。
「ククク、コレで帝国兵共を解体してやる。」
厩の横が使えなくなったので作業場で焼き入れ焼きなましを行なった。
順調に終わったが、作業場の中がコゲ臭くなった。
(´・ω・`) 柄まで金属だと叩いた時、手が痺れそう。




