117.ライバル
訓練場で壁を壊して購買部へ向かった。
意外なコトにマルコとアレックスが壁を砂にする方法ができなかった。
なるほど、コイツ等あまり粘土遊びしなかったのか?
サイの目切りにしろと言ったら簡単にできたのでOKだ。
やはり魔力はイメージだな。
購買部に向かうとミソッカス共はゾロゾロ付いてきた。
まあ、図書室に向かう…。ちょっと大回りだな。
購買部はゲームでも出てきたがあまり大したモノは売っていない。
ココでしか手に入らないモノは初日に買った教材と制服ぐらいだ。
しかも、高い、町に出た方が安く買える。
しかし、家へのツケが効くので現金が不要だ、無論それなりの家の出の者の話だ。
「武道大会の申し込みがしたい。」
オカッパメガネ女子店員に言うと用紙と大会要綱の冊子が出てきた。
なになに。名前、住所、年齢、階級っと。
使用武器?どうするか…。
「使用武器は未だ決まっていないのだが?」
「オットー。ソコは未記入でも構わない。」
「そうなのか?ジョン。」
「ああ、そうだ。魔法使いは剣を使わない者が多い。大概、スタッフだ。打撃武器はそれ以外禁止だ、弩弓&弓の飛び道具禁止。投げナイフはOKだ。」
カールが続ける。
「学園支給の剣か自前の物は刃を落としていないと使用禁止。槍は穂先にカバーを付ける。試合開始前に毎回、主審が申告した武器の点検を行なう、それ以外の物を使うと反則負けだ。」
「防具を武器に使うのはどうなんだ?盾でどつくとか…。」
「防具も主審が点検する。体当たりは良いだ、魔法は良いが…。」
「オットーが魔法使うと死人が出そうだね。観客に。」
アレックスがサックリ言い難いコトを言う。
「アレックス、やる方のコトも考えて言ってくれ。」
マルコが困った口調で言う。
「大丈夫、ぼく、オットーの試合の時、穴掘って隠れているから。」
楽しげに言うフェレッポ。どうやら土魔法に自信ニキらしい。
微妙に正解だぞ。フェレッポ。
制圧砲撃を受けている時は穴に隠れるんだ。
「ああ。そうだな、今回は魔法はあまり使わない。まあ。遊びの様なモノだ。」
「ほほほ、お遊びとは随分と自信がお有りの様ですわね。」
声に振向くと赤毛の巻き毛ソバカス、鎧女が立っていた。
コイツゲームのトーナメントに出てきたヤラレキャラじゃね?
「はい、お祭りですのでケガをしないように楽しく過ごすつもりです。敵兵なら刈った首を並べて自慢するのですが。」
「オットー…。ソレは笑えない冗談だぞ。」
ジョンが呟く。
いや、絡まれてるんだから相手に合わせないと、変なコトねじ込まれるぞ。
「あら、勇ましいですわね。ワタクシは王立軍学校騎兵科のアニス・アルヴィナですわ。」
偉そうに胸を張るアニスさん、鎧のせいでまな板だ。
手を胸に頭を下げる。
「魔法科のオットー・フォン・ハイデッカーです。お見知りおきを。」
「ハ、ハイデッカー…。首…刈。」
びびる、赤毛まな板。士官がびびったらイカンでしょう。
「おお、ご高名な王立近衛兵団団長を何度も排出したアルヴィナ家のお方ですか。」
フェルッポが食いつく。ので合わせる。
「ほう。ソレはぜひ良い死合が見たいものですね。いや、全力を出す気が起きました。」
ニコニコ笑いながら。拳の関節の骨を鳴らす。
「で、で、わトーナメントで合いましょう。」
「はい、トーナメントで。」
そそくさと消えるまな板鎧。
こんな所で鎧着て歩いているなんて頭がオカシイ。
CG絵が足りないのか?
やっぱりゲームだな。




