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113.体術

朝からスッキリモードのオットーです。

ふう。もしチャクラの廻し方をアレックスに伝授したら猛獣を世に解き放つ様なモノだ…。

性獣アレックスか…。ウザそうだな…。

朝の鍛練で準備体操、受身練習&エビを行なう。

ベスタも居る。

カールとジョンは柔軟体操をしている。

カールが見よう見まねで前廻り受身をやって後頭部をぶつけた。

「イッテー!」

「カール。前廻り受身は横受身を極めてからでないと怪我するぞ。」

「大丈夫かカール?オットー。ソレはそんなに高度なコトなのか?」

「いや、毎日やれば子供でも一年で完璧になる。」

「オットーは毎日やっているじゃないか?」

頭をさすりながら話すカール。大丈夫そうだな…。

「ああ、こうしないと怖いんだ。イザと言う時、意識の無い時でも出来る様に成るのが理想だ。」

「ソレって何か役に立つのか?」

「うーん投げ飛ばされても怪我しない?」

「オットーは打撃術使うのか?」

ジョンが尋ねる。

「なに…?」

「打撃術だ、鎧着た騎士を捕まえる技だ。」

「そんなモノ有るのか?」

流石異世界。まあ、傭兵なら捕虜捕まえないと金にならないから。

「ああ、俺は御爺様から手ほどきを受けた。」

「なるほど…。ソレは面白そうだな…。どうだ?ジョン俺と徒手格闘戦してみないか?」

「ああ、イイぜ。」

向かい合う俺とジョン。上背が高い分だけ手足の長いジョンは有利だろう。

「行くぞ!!」

ジョンが叫ぶとイキナリ両手を上げて覆いかぶさってきた。

思わずジョンの首の下を右手の平、有頭骨で押さえる。

俺は気が付いたら左手がジョンの右袖を掴んでいる。

後ろに捻って投げ飛ばす。

転がるジョン。

「ジョン。なに自分で飛んでるんだ?」

カールが不思議そうに話す。

「おかしい!!」

ジョンが立ち上がり又飛び掛って来るが。

ラリアットでいなす。

面白い様に転がるジョン。

「何やった!!オットー!!」

「魔法は使ってないぞ?ジョン、お前は自分の力で転んでいるだけだ。」

「ああ、そうだなジョン、オットーは魔力を使ってない。ただ、ジョンが勝手に飛び跳ねている様に見える。」

カールの援護射撃だ。

ジョンが腰を下げて飛び掛ってきたがジョンの右袖と襟首を持って回転する。

ジョンは自分が作った遠心力で勝手に転がる。

腹這いになったジョンを足で腕の関節をねじ上げ決める。

背中を踏みつけている状態だ。

「どうだ?ジョン?コレが俺の徒手格闘戦の一部だ。」

「参った!!」

「すごい、何やってるの?」

フェルッポの声だ、寝癖が付いている。マルコとアレックスも来た様子だ。

「ああ、おはよう。ちょっとした模擬戦だ。」

「ジョンの負けかい?」

「まあ…、そうだな。ちょっとしたお遊びだ。」

「オットー俺は何で負けたんだ?どうなっていた?」

ジョンが噛み付く。

「説明が難しいな…。」

「あの、オットー様はその技は時々出しますが初めて他の方が受けるのを見ました。自分ではどうなっているのか解からないのですがいつの間にか倒されているんです。どうなっているのですか?」

「う~ん。」

まあ、確かにくっコロさんを実験台にしたが、あの世界ではそれほどの技ではない。

しかし、教えるほど詳しくも無い。

「よし、ジョン。これからベスタと徒手格闘戦の模擬戦を行なう。ソレを見て判断しろ。ベスタ。この模擬戦で勝てば何か願いを叶えてやる。何でも良い、自由でも故郷に帰る方法でも。」

「はい!!本気で行きます。」

ベスタが抜き手で飛び掛ってくる。

目潰しだな。

左手で腕を受け流しラリアットで飛ばす。

転がるベスタ。

立ち上がり蹴りを入れるがズボンの袖を引き軸足を揺らす。

簡単に姿勢を崩す。

前によろけた所を…すかさず襟足を持って振り回す。

半周回って投げ飛ばされるベスタ。

ベスタは転がり立ち上がると息を吸い叫ぶ。

「ウェイ!!」

ああ、ウェイ使ったか…。

コレは面倒だ…。

鋭く飛び掛るベスタの腕を捌き、ラリアットで沈めて倒れた所を右手を掴み回転する。

自分の遠心力に逆らえないベスタを制御して転ばせる。

転んだベスタの背中を踏み立ち上がらせない。

「ま、参りました。」

「おお、すまんな、ベスタ。まあ、こんな所だ。この技は相手の力を使い投げ飛ばす技だ。かなり難しい。」

「えー、なんかよく解からなかった。」

「従者殿の腕前は良くわかっているつもりだが…。コレはちょっと…。」

「いや、カール。コレは本物だ…。俺も投げ飛ばされる時は理解できなかった…。」

「はい、受けている者には魔法に近いですが魔法では無いようです。何時もこのような感じで投げ飛ばされます。」

身を起こして体に付いたゴミを払うベスタ。

「オットー。コレは魔法じゃないのか?」

「えーなんで?オットーどうなってるの?」

マルコ&フェルッポの追撃を受ける。

「オットー、教えてくれるんだよね?」

アレックスが微笑みながら前髪を触る。

イラッとするが。

教える過程でアレックスをボコボコにできるという誘惑と戦う。

「さあな、かなり危険だし。辛いぞ?」

「「「「よろしくおねがいします!!」」」」

なぜか、受身の講習会から始まった。

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