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102.ランニングマン2

走り続けるオットーです。

いやもう、正直、寮のベッドで眠りたい。

メイドさんずを布団にして…。

途中に壊滅した村を見つけた。

どうやら狼にやられたらしい。

歯形の付いた、かつての村人達が転がっていた。

ソレを見るウサギの目は赤い。

「大丈夫だ。狼はそんなに大喰らいでは無い。村一個襲ったならしばらくは腹いっぱいだ。」

「そうなんですか?」

「そうだ。」

もちろん確証は無い。

「あの、何か後ろから付いてきます。」

「なにっ!!」

後ろを見る。

でかい黒い四本足の塊が近づいてくる。

この動きは…。

熊だ!!

走るのを止めその場で小石を取り出し魔力チューブで打ち出す。

熊の手前で小石は木端微塵になる。

しまった。距離を見誤った。

コイツデカイぞ!!

音速を超えた小石は大気の壁にぶつかり木っ端微塵になった。

多少は熊にダメージを与えたが質量が足りない。

「くっ!!」

熊を絶命するほどでは無い。

雄叫びを上げる熊。

コイツ俺が見た中で一番でかい熊だ!!

チューブなしウォーターボールでけん制するが身を翻す。

前転して避けやがった。

コイツはヤバイ!!

俺が見上げるような熊だ。

本気を出そう!!

投げナイフを左右の手に3本づつ、収納から出して1本づつ投擲する。

熊は笑うように避ける。

見えた!!最後の2本の投げナイフは電磁加速で一気にマッハ4まで加速して投擲する。

両肩にショックが通り地面に衝撃波が伝わる。

1本目をかろうじて避けた熊は衝撃波で脳を揺らされ。

2本目を肩に受け左肩と腕が消失している。

俺の脳は激痛に混乱している。

痛いのには慣れているだろ!!

言うコトを聞けこのデブ!!

熊は口から血の泡を出している。

ザマあ見やがれ。肺が破れたな?

もうすぐお前は自分の血で溺れて死ぬんだ。

しかし。ゆっくり進む熊の足。

いかんなコイツは接近戦でカタを付ける気だ。

俺は何故か両腕が動かない。

両肩が外れたのか?

痛…み、で。魔力の制御が出来ない。

コイツが溺れ死ぬまであと数分かかる。

あと10mなのに魔法を打ち込むことが出来ない。

こんなに接近戦を鍛えたのにイザとなったら役立たずか…。

俺は両ヒザを大地に付ける。

見上げる目標、細い魔力チューブを熊の直上に展開する。

青い空まで飛んでいけ。

熊は死に掛けているが勝ち誇った目をしている。

おめえ、最後に笑うなよ…。

俺が見たのは暗い空に紫色の一条の光だけだった。


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