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96.武器屋

さて、小一時間ほど時間を消費したが。

隠者の姿で王都に出た。

メイドさんずは寮で休暇だ。

今日は王都をブラブラしよう。

帰りにエンリケの店に寄ろう。

先ず節穴親父の武器屋へ向かう。

途中、路地裏にチンピラABCDが居たが叩きのめしておいた。

ゲームほど金に成らなかったのが残念だ。

まあ、弱かったからなあ。

収納から剣を6本出して肩に担ぎ、武器屋のダァー☆を潜るとムサイ親父が何故か笑顔で出迎えた。

おい、何か不安になるだろ?その笑顔。

「おう、来たな坊主。売れたぜお前の剣。高く買って行ったヤツが居るんだ。」

「ほう、目の効くヤツが居るんだな。」

「おう、文句ばかり垂れる男の冒険者だったがお前の剣を出したら目の色を変えやがった。」

「良かったな、親父、金持ってる冒険者が居て。」

「ああ、ハゲの大男だった。」

「…。」

「どうかしたのか?」

ハゲの大男か…。居たなどっかに…。

「ああ、何でもない。」

「随分と羽振りの良いヤツで金貨25枚で買って行きやがった。偉いさんの護衛でこの王都に来たらしい。とんぼ返りで見物も出来ねえってボヤいていた。」

「そうか…。良かったな。」

不安になる話しだな…。

「ああ、その後ソイツの知り合いの冒険者が何人も来て奪い合いさ。」

ニヤニヤが止まらない武器屋の親父、俺の肩に掛っている剣から目を離していない。

「そうか…。今日は日が悪そうだな帰るか…。」

「おいおい、待てよ。金貨30出すって言ってるヤツが居るんだ。前より高く買い取るぜ。」

「まあ、いいだろう、1本金貨20で売ってやる。」

「お~い。随分吹っかけるな。」

「売った金額誇る様な店の親父には特にな。」

「まあ、良いだろう。俺もこんな良い剣売ってるって言うのも自慢できる。」

カウンターの上に剣を下ろす。

「そうだろうな、品質は折り紙付だ。お前の店で一番高い剣より命を預けられるモノだからな。」

品物を慎重に検分する親父。

「おいおい、言うねえ…。」

さすが節穴の親父だ。スグに検分が終わる。

この店で剣買わないほうが良いなあ。

「まあ、コレより良い剣は魔法剣かミスリル位しかないからな。鋼の剣ではかなり上の方だ。」

ただし、包丁には負けるアレは特殊炭素鋼に近いからな。

親父が金貨120枚出してきた。

ホントに金貨30枚で売るつもりか?

大丈夫か?タダの鋼の剣だぞ?元が肉厚の鉄の剣だが余分なモノが無い鋼の剣だ。

そりゃ、この店の中の剣より良い物だけどさあ。

金を受け取り数える。

「おう、そうだボウズ、コレ知ってるか?」

武器屋の親父が包丁を出してきた。

うん知っている。俺が作った包丁だ。

顔には出さない。

「ふん、牛刀だな。良い鉄だ、鋼の処理も良い…。」

「そうか…、知らないか…。」

「何か有るのか?」

「いや、誰が作ったか解からない包丁なんだ。大量に出回っている、良い鉄で鋼だ。しかも安いと来ている。」

「安いのか?」

「ああ、そうだな、包丁にしては高い、が、良家のお嬢さんなら買えない金額でも無い。大小セットで金貨5枚だそうだ。」

「金貨5枚ねえ。タダの包丁だろ?高くねえか?」

うん、金貨5枚の値段設定はココの店の値段を参考にした価格だ。

「ああ、高いな、モノが良い。たぶん一生使えるだろう。そう考えると安いかもな。」

「そうだな、下手を打たなければ一生使える。」

「おめえさんは刃物に詳しいから見れば何か解かると思ったんだが…。何か解からねえか?」

よし!!誤魔化そう。

「帝国製では無いな。どっかの砂鉄で作った鉄だろう。それ以外は解からん。」

「何で帝国じゃあ無いって解かる?」

「帝国の鋼はもっと黄色掛っている。折れば断面で解かると思うが…。」

硫黄が多いからな。

「流石だな…。刃物博士だ。持ってみろ何か解かるか?」

「鍛造だな。継ぎ目が無い。」

「どうやって作る?」

「ああ、そうだな…。」

親父の目が厳しい。

鍛造の作り方を教えて良いのか?

「鉄の型枠を上下に合わせて赤く熱した鋼を挟んで上下から枠を叩くんだ。」

「はあ、鋳物か?」

「いや、鋳物は熔けた鉄だ。コレは熔ける前で鋼をやわらかい状態で型に押し込むんだ。デカイ万力を使っているかもしれない。」

「…。」

「型が丈夫なら同じものが沢山できる。たぶんそうやって作っている。一個二個ならハンマーで叩いて作っているかもしれないが沢山あるならそうだろう。」

「なるほど…。」

「まあ、丈夫な型なんて作れるのかどうか知らないがな。ひょっとしたら大まかな形までハンマーで叩いて最後に型で押してるかもしれない。」

「うーん。そうかい。」

「おい親父、拵えを作る職人を紹介しろ。いい加減拵えに合わせるのが面倒に成って来た。」

「おいおい、鍛冶屋ギルド通せよ。」

「鍛冶屋ギルドが趣味で打ってるヤツなんかの言うこと聞くか?居るだろ?口の堅くて。偏屈でゼニが無いのに仕事選んで腕の良いのが。一人や二人ぐらい。」

そんなヤツおらんだろう。

「居るには居るが…。」

流石ゲーム…。居るのか。

「まあ、良いや。今度は刀身を持ってくる。見てから決めろ。」

「お、おう、次は何時来る?たぶんコノ6本はスグに売れるぜ。」

「剣が出来次第だ、おい、親父、面倒なコトになるからあまり変なヤツに売るなよ。特に口の軽いハゲにはな。」

節穴親父の店を出る。

やっべー!!やっぱりトラぶってる!!

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