9.はぢめてのおつかい(その2)
鋼に焼き戻しを行い冷えるまで待つ。
正直、鉄を鋼に代えるのめんどくさい。
まあ3本有るんだ金貨10枚にはなるだろ。
3本の剣を担ぎホクホク顔で武器屋に向かう。
通りに看板に剣と盾の紋章がある。
中に入ると客は居ない。店主が店の奥のカウンターに立っている。
顔色が悪いガリガリのチョビ髭親父だ。
目の下にクマが不健康な証だ。
「コレを買い取ってもらおう。」
三本の鋼の剣をカウンターに置く。
鞘を抜いて確認する親父。
ほほう。さすが本職。鋭い目だ。
「1本金貨3枚だ。」
「おいおい、鋼の剣にソレは安すぎるだろ?」
ちょっとがっかり。
店内の鋼の剣を横目で見てきたが安い鋼の剣は金貨10枚で売っている。
「刀身は問題ないが拵えが悪い」
「拵えが悪くても買う奴は居るだろう?冒険者とか旅人とか。」
「そいつ等が金もって居るとは思えんね。」
「そうだな。」
なんか納得。
「まあ、この手(造り)の剣は昔に流行った剣で今は使う者も少ない。古いモノは沢山ある。」
「型落ちか。」
「?型?まあ、昔の剣に比べれば材質も良いし、拵えを変えれば売れるかもしれんね。」
「う~ん。そういうモノか…。」
「最近はねえ、こういう実用的な剣は売れなくてね。柄や鞘に装飾をしたのが売れるんだ。」
「そうか。飾りか。」
剣に飾りなんて要らないと思います。(あくまで主人公の個人的な感想です。)
「まあ、平和なのは良いコトなんだけどね。で、どうするかね?3本で金貨9枚。買取するかね?」
「解かったソレで買い取ってくれ。」
「ホイヨ。金貨9枚だ。」
「確かに。」
金貨を巾着に入れ陰気臭い店を出る。
イマイチ金にならなかったな。
肩すかしだ。




