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咀嚼

 現在、俺がいるのは捨てられた場所からかなり離れた位置だ。

夜通し移動し続けたから最低でも数キロは離れているだろう。

今の自分の大きさが分からないので、どれだけ移動したのかよく分からないのだ。



 3日間、何も食べていないのでお腹が空いた。

とりあえず食べる物を探さないと。

 ここはおそらく草原だと思う。

移動している時に一度も木にぶつからなかった。

砂漠や荒野の可能性もあるけど、砂漠にしては砂地が少ない気がするし、荒野にしては地面が柔らかく石が少なかった。

 俺はどちらも行ったことがないけど。

荒野はゲームの中のイメージで砂漠は砂丘なら行ったことあるので、そこから連想した。



 幸いなことにグランドエピオルは何でも食べれるみたいだ。

捨てられる前に持ってきてもらった食べ物は肉もあったし、果物もあった。

肉は狩ったのだろうけど、果物はどこかに生えているはずだ。



 鼻をひくつかせ、辺りの匂いを探る。

探すのは例の果物だ。

最後に食べたのは5日前だけど、俺にはスキル、思い出すがある。

スキルのおかげであの匂いは完璧に思い出すことができた。

意外なところで役に立ったね、このスキル。

 しかし、俺の嗅覚では遠く離れた果物の匂いなんて分からない。

まあ、犬じゃないからね。しょうがない。



 這いまわりながら探すしかないかな。

その前に食事をしよう。腹が減っては戦はできん。

雑食性なので選り好みしなければ食べることができる物はそこら中にあるのだ。

 それは草だ。

移動中何度も俺の肌を撫でていたので存在するのは分かっていた。



 一番近くにあったそれを噛み千切ろうとしたが、なかなか噛み切れない。

なんて硬いんだこの草は。

どれだけ噛みついても切り離せない。

最上位種を舐めるなーという気持ちで何度も挑戦しているとやっと噛み切れた。



 うう苦くてまずい。

ゴーヤも好きだし、ブラックのコーヒーも飲むけど、この苦さはコーヒーとかゴーヤの比ではない。

こんなまずいもの初めて食べる。

だけど、他に食べる物がないので、我慢して飲み込んだ。

これだけじゃまったくお腹が膨らまないので、あと5、6本は食べておこう。



 お腹が膨れたので、移動を再開しよう。

目標は果物が取れる場所だ。

草生活はやりたくない。

食べ終わってから思ったんだけど、あの草って毒じゃないよね?

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