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マコト

 『資格がなくても聞ける情報は他にないの?』

『無資格確認可能情報は所持スキルの詳細の確認。現種族の情報、深度1。などです』

『などって?』

『該当項目は無数にあります。一つ一つ説明していくと最低30000時間はかかります。上記の項目はステータス表示に直結しておりますので、優先的に説明いたしました。他の項目の説明をお聞きになりますか?』

『やめときます』

 即答で拒否した。

そんなの聞いていたら、日が暮れるどころではない。

寝ずに聞いても3年以上かかる。


 

 その後、いろいろと聞いてみたが、特に重要な情報が聞けなかった。

今思えば、最初の数分で聞ける情報は全部聞けていた気がする。

『もういいよ。ありがとう』

『それでは貴方がここにたどり着くことを心待ちにしています』

『ちょっと!どういうこと!?』

『該当の情報の閲覧権利を本個体は有していません。要請を却下します』

 最後もその言葉で終わり、声が聞こえなくなった。

声色は同じなのだが、強い感情が乗っていたように感じた。

間違いなく声の主は機械などではなく、意思を持った存在だろう。


 

 声の主ならハカセの元に行く方法を知っているかもしれない。

おそらく普通の方法ではハカセの元に行けないと思う。

ここは地球ではないのだろう。

 地球ではステータスやらスキルなんてゲームの中のお話だ。

たぶん、別の惑星とかではなく、異世界の方が説明が付く。

そんなところから地球に戻るのはかなり困難だと思う。



 とりあえずステータス欄を確認するか。

頭の中に投影されているので、目が見えなくても問題なく読めるのは幸いだ。

 まず最初の行の個体名が空欄になっているのは、生まれたばかりだからだろう。

前世の名前は適用されないみたいだ。

 その部分に意識を集中させたら、カーソルが出現した。

どうやら自分で名前を付けられるみたいだ。



 元の名前でもよかったが、ここはマコトにしといた。

マコトはハカセの名前だ。

ハカセの名前を俺が忘れるわけないけど、彼女との繋がりを持っていたかった。

 ちなみに俺の会社の社員証と名刺も俺の苗字に博士の下の名前になっている。

俺の前世の名前も男女ともに使える名前だったので、ハカセがふざけて二人の名前の部分を交換してしまっている。

 だから、会社の人間の中では俺の名前をマコトだと勘違いしている人もいるのだ。

妹曰くこの行為はマーキングの一種だそうだ。

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