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水より迫る

 パシャパシャ♪パシャパシャ♪気持ちいいなー♪

これが40度ぐらいのお湯ならもっといいけど贅沢は言わない。

水に浸かるだけでも気持ちいいし。

だけど、問題もある。



 エピオルは水鳥ではないことだ。

水かきなどが付いていないので水の中では行動が大幅に阻害されるし、泳ぐことも出来なかった。

試しに少し深いところに行ったら溺れかけた。

 今は浅いところで寝転がって浸かっている。

人間の頃は普通に泳げたんだけど、体の仕組みが違うのだから仕方ないよね。



 汚れも十分落ちただろうし、そろそろ陸に戻ろうかな。

お腹も空いてきたし、狩りに戻るとするか。

体を起こそうとしたとき、胴を何者かに噛みつかれた。


 敵か!?まったく気付かなかった。


噛みつく力は強く、もがいても外すことはできない。

 そいつは俺を水の中に沈めるつもりで、水深が深くなっている場所に引きずり込もうとしてくる。

陸地なら体重があるので問題ないが、ここは水の中。

水の浮力があるので、体が引きずられていく。



 まずい、いくらなんでも呼吸ができなかったら死ぬ。

どうにかして陸に上がらなくちゃ。

鳥の肉体では人間の泳法は使えないし、水かきがない足でバタ足をしても効果が薄いのは実証済みだ。


 そうだ!はばたくを使えばいいんだ。


翼なら表面積も広いので、効率よく水を掻ける。



 そうと決まったら早速……そいや!


翼は大量の水を押し、それは推進力になり、引きずり込まれるだけだった俺の体はわずかだけど前進した。

ここからは俺のはばたく力と敵の引きずり込む力の対決だけど、軍配が上がったのは当然俺の方だ。

向こうに地形のアドバンテージがあっても、9位の俺の力の方が大きい。



 どうにか川岸にたどり着けたのだけど、こいつは噛みつくのをやめない。

なおも水の中に引きずり込もうとしてくる。

なんてしつこい奴だ。

だけど、ここまで来たら攻守は完全に交代だ。



 攻撃しようと思ったがこの状態では翼で攻撃するのは難しいな。

まずは引きはがさなくては。

 足に全身全霊の力を込めて、ジャンプする。

体重があるので全力でジャンプしても高くは跳べない。

そこで少しでも滞空時間を増やすためにはばたく。

その間に姿勢を制御して、敵を地面に向けた。


最後に自重軽減を解除!喰らえ!



 重力に従って、降下していき、地面に激突する。

俺のボディープレスを受けた敵は噛みつくのを維持できない。

 当然だ。俺の11倍になっている超重量の下敷きになったのだ。

こいつはもはや虫の息だけど、生きていることにちょっとビックリだ。

まあ、これで終わりだけどね。

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