状態
目を覚ました時、まだ暗かった。
少し早く目覚めすぎてしまったみたいだ。
日が昇るまで待つか。
それまでハカセのことを想うか。
ハカセは大丈夫だろうか?
ちゃんと栄養バランスの取れた食事を摂っているか心配になる。
ちゃんと風呂に入っているか?
徹夜してないか?
心配し始めるとキリがない。
特に今は妊娠中だ。
体調管理を怠るとお腹の子に影響が出る。
ハカセは馬鹿じゃないから分かっていると思うけど心配だ。
おかしい。
どれだけ時間が経っても明るくならない。
最低でも二時間は経過してると思うんだけど。
そして気付いてしまった。
俺はこの状況を以前にも体験している。
それは俺を地獄に突き落とした事件だ。
失明……いや、生まれつきだからこの表現はおかしいかもしれない。
まさか生まれ変わっても、こんな仕打ちを受けるとは。
最悪な仕打ちだ。
神様がいるならば、そいつはとんでもなく性格が悪い。
機会があればぶん殴ってやる。
いつまでも嘆いてしょうがない。
何か打開案を考えなければ。
だけどお腹が空いて頭が動かない。
昨日から何も食べてないのだ。
周囲にある物で食べれそうな物がないか探そうと思ったが、目が見えないのでそれもままならない。
……そういえば、あれがあった!
手に入れることが出来た食料をバリバリとかみ砕いていく。
俺が食べているのは自分の卵の殻だ。
味は悪いが、食感は煎餅みたいでなかなかいい。
そういや、一部の生物は自分の卵の殻を食べて栄養にすることがあるらしい。
お腹が膨れたことだし、状況を整理しよう。
俺転生、目が見えない、以上!
よく考えたら情報がないので、整理もなにもなかった。
せめて今の自分の状態が分かればいいんだけど。
そんなことを考えていると突如、頭の中に声が響いた。
『ステータスオープンの要請を確認しました』
『自己ステータス確認に権利行使資格は不要です』
『要請は無条件で承認されます』
『自己ステータスをオープンします』
個体名 ―――――
種族名 グランドエピオル(幼生)
レベル 1
位階 10位 年齢 0歳
体力 7800/7800
魔力 3000/3000
気力 70/100
基礎値 実効値
物攻 2400 1200
物防 5000 2500
魔攻 2000 1000
魔防 4700 2350
敏捷 4000 2000
生命 3800 1900
スキル
金剛鉄壁Ⅰ 超弱視Ⅹ 未熟児Ⅹ 最上位種―
必殺技
ラース・トゥー・ザ・スカイ
ありゃま、なんだこれ?