一ヶ月(2)
もう一つは翼で打つⅠ、これは翼を使った打撃に補正が掛かる鳥類限定スキルだ。
どうせ翼を使うスキルなら飛行とかが欲しかった。
狼類殺しもこれもどれだけ威力が上がっているのかよくわからない。
なかった時でもほぼ一撃で終わっていたからなぁ。役に立つ日はくるのだろうか。
そして思い出すⅥはⅩになってもっと思い出すⅠに進化した。
説明文によるとこれは中位スキルになるようだ。
その効果は思い出すとはケタ違いだった。
前世で最後に買い物に行ったコンビニの会計で貰ったお釣りの額、それも渡された硬貨の内訳までも完璧に思い出すことができたのだ。
大体二ヶ月以内の出来事なら完璧に思い出せる。
最上位まで行ったら、どうなるんだろう。
一番の収穫は視覚以外の五感を上昇させてくれるスキルが手に入ったことだと思う。
それぞれ、聴覚上昇、嗅覚上昇、触覚上昇、味覚上昇というスキルだ。
これらが手に入ったのは超弱視の効果だと思う。
まだ取得したばかりで効果は弱いけど、これで周囲の状況を掴みやすくなった。
どこぞの創作物のキャラクターみたいにいずれ視覚をカバーできるぐらいになればいいな。
そんな日々を過ごしていたらやっとレベルが2になった。
時間かかり過ぎじゃないのかな……200匹以上は倒してると思う。
最上位種はレベルアップに必要経験値が高いのかもしれない。
レベルアップの恩恵はオーソドックスにステータスの向上だった。
全てのステータスの基礎値が平均300ほど上昇していた。実効値でそれも半分になるけど。
ステータスの上昇の効果は高く、僅かな時間ではあるが立てるようにもなった。
やっぱりステータスの半減が動けない原因だったみたいだ。
上昇値から逆算するとあと8レベル上げれば、半減している分を補えるだろう。
たった1レベル上げるのにこんな時間が掛かるので、それが何時になるかはわからないのだけど。
肉は飽きたので、そろそろ移動を再開しよう。
ただ、ここに居れば安全にレベルを上げることが出来る。
色々と悩んだけど、もう1レベル上げてから移動することに決めた。
で今、結構ピンチです。
結構どころか大ピンチと言っても過言ではない。
こんなことになるならさっさと移動しておけばよかった。