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16.レベル1の異世界旅行

 それからは波乱の日々だった──らしい。色んな意味で。

 まず、美晴がぶっ倒れたことで同行の三人にパニックが起きた。揺さぶっても頬を叩いても目を覚まさない。呼吸は確かだったので命に別状はないと結論付いたものの、慌てふためいて街へと戻り、ヒューダの家に連れ帰った。

 一方その頃別の場所では、待てど暮らせど帰って来ない美晴たちを迎えに領主の館へリターンしようとか意見が出ていたようである。ひとまず連絡をと思い当たったアルトがヒューダたちと別行動に出なければ、今頃は大惨事だっただろう。

 そして浚った娘と不正の証を奪われておおわらわの領主サイドだが、回収に乗り出すより、やべえと察した私兵共が大方トンズラこいたことで、事態は一息に収束した。

 機を逃さず警備兵長率いる一団が再突撃。この期に及んで貴様ら貴族に手を出すとは云々と騒ぎ立てる馬鹿にブチ切れた兵長が、領主とその息子の性別偏差をなくしてしまったとか。ええとつまり、その、何だ。乙女の口からは言えない始末を付けたという。男は股間を押さえて察しろ。詳しくは聞くな。舌が汚れるといけないから。

 また、早馬で届けられた、賄賂だの恐喝だの、詳細は分からないが国家転覆に関わる某かにまで絡んだ証拠の数々に、処分の返答はこれまた早かった。

 王都からはすぐさま咎人を護送する部隊が派遣され、死なない程度の状態で簀巻きにされていた性別不明となった二人を運んで行った。

 憤怒の表情でやって来た都の兵士だが、二人を見た途端に同情の眼差しに変わったのは怠慢であると兵長がプリプリ怒っていた。それは仕方がないと思う。

 領主に代わり一時置きの代表となった役人貴族は、今のところ有能な善人と評価されている。美晴も後日一度顔を合わせたが、誠実そうな美形の好青年だった。床上がりから間もなくのことだったので、妙に心配性になったヒューダが早く寝ろ寝ろとうるさかったため、見たところ、としか言えないが。あと妙に視界を遮られまくって邪魔だった。

 なお、美晴は勿論この全てに関与していない。部外者だからとかいう理由ではなく、丸々三日間、ひたすらひたすら沈没していたからだ。目を覚ましても二日間は寝床に拘束された。

 水底から浮上するように意識を取り戻したとき、真っ先に目に入ったのは、自殺を心配するほどの幽愁を纏って、美晴の寝転ぶベッドに腰掛けたヒューダの背中だった。

 気後れしながら声を掛けると、ゾンビでも目撃したかのような失礼な驚愕を食らった。何事だと硬直している内に、これまた憔悴した様子のティティが入室して、後は言語になり損なった怒濤の良かったコールと熱い抱擁に溺れた。

 後から来たアルトが、美晴の目覚めを喜ぶより呆れた気持ちは良く分かる。だって凄かったもん。一文無しから起死回生の宝くじの一等が当たったってあそこまでの狂乱にはなるまい。

 焦げ茶色の目をした兄妹は詳しく教えてくれなかったのだが、意識不在の間の出来事は、アルトが面白可笑しく語ってくれた。興味深く、歓喜を以て拝聴していたのだけれど、度々アルトは兄妹に怒られていた。美晴に頭を使わせるなとか言って。

 何を失礼なと憮然としたのは僅かな間だけだった。

 考えてみれば、美晴が自失したのは無茶な転移のせいだろう。心労とか、そんなのはスパイス程度のものだ。頭が痛いとか気持ちが悪いとかの諸症状は以前も告げているわけで、それなら頭を休めろという指摘は理解できる。

 だが匙を持ち上げるのも禁止という、過保護を過ぎた待遇は全力で拒絶した。いい歳こいて「あーん」は寒い。いくらティティの手であろうとも。勿論ヒューダからとか論外。

 そうそう、ずっとヒューダの寝床を奪っていたのだとも聞いた。申し訳なさに退去を叫んでも出ることを許されず、そんな悪いと思うなら同衾するかと言われたが、ティティの小さなベッドに二人も入れるはずがない。小言混じりのお許しが出るまで、ヒューダがリビングのソファに転がることになった。

 どうでも良いけどこのエピソードを知ったアルトが爆笑していたのが印象的だった。またバカップルかと思うような追っ駆けっこをしていたけれど、今度は追う側がヒューダだったので、戦果は前と正反対になった。つまりアルトが負けて、ボロ雑巾みたいにされていた。


 そんなこんなであっという間に過ぎた残日。宿に帰ったのは最後の一日だけだった。それも、己の可愛さを武器に潤んだ子犬の目で見上げるティティや、これ以上なく不本意を顔面に貼り付けたヒューダをどうにか振り切ってだ。だって、折角借りた部屋が勿体ないでしょうが。金を無駄にするのは良くない。

 食堂を兵長が借り切って、盛大なパーティをした。飲めや歌えの乱痴気騒ぎ。二日間の軟禁により娯楽に不足していた美晴は心から楽しんで、ついでに腹の皮が弾けそうなほど胃を膨らませた。

 宴の終わり頃には美晴の別れに泣き出す派と、また来るんだから今は涙を見せるな派に分かれて兵士が殴り合っていた。酔っ払ったヒューダが両脇に先輩と思わしき兵士を抱えて締め上げていたけど、あれは大丈夫なんだろうか。鼻の穴にソーセージを突っ込んで回っていたアルトも。無礼講って基本的に建前らしいよ。

 この日、ティティは美晴の部屋に泊まって行った。ヒューダが後ろ髪を引かれながら帰宅するのに本当に泊まるのかと確認を取ったが、今日は私、と意味不明な一言を頂くに終わった。


 朝起きて顔を洗って歯を磨く。適当に引っ張り出した服を身に纏い、髪を梳かし、基礎化粧品を叩く。

 瞼が腫れぼったいのは、昨夜ティティと泣き明かしたせいだ。また来ると約束をして、けれど保証があるわけじゃない。きっと来れるとは思うものの、確実ではない。万が一を思って泣いて、この一ヶ月を振り返って泣いて。忙しい夜だった。

 ティティは人の出歩かない内にと早くに帰って行った。涙の膜を張った目が再会を迫っていて、また確証のない希望の約束を交わす。

 覚束ない足取りで去ったティティは、無事家に辿り付けただろうか。もう一番の癌はいないから大丈夫だと思うけど。

 明日は一月ぶりの大学だから、今日は早めに帰るつもりだった。部屋の掃除とか冷蔵庫の中身の補充とか。ただでさえ毎日起床がダラダラしていたから、一限に合わせて久しぶりの早起きができるかが悩ましい。

 それに、頭を切り替えないといけない。これだけ長いこと異世界に留まっていたのは初めてだから、深層下で常識がずれていないと良いんだけど。

 漏れた溜息は重かった。泣いたり笑ったり怒ったりこれまでになく起伏の激しい毎日で、累計するとここは楽しくて仕方がなかったから、離れるのが名残惜しい。

 最後に写真でも増やしておこうか。少しでも再来の可能性を高くできるように。

 どうやったら人目に付かずに写真を撮れるかと、ない知恵絞って勘考しながら纏めた荷物を取り上げる。

 チェックアウトをして、街の外へ出て、森の中に入ってから人目を忍んで転移する。そういう段取りだった。


 「ミハル、いるか」


 ゴツ、と、ノックだかぶつかったんだか判別し難い音がした。きょとんと瞬いて、開けようとしたところだったドアノブを回す。


 「ヒューダ、おはよう」

 「ああ」

 「お見送り?ありがとう」


 所在ない様子で見下ろす彼は、荷物の片付けられた室内に目を走らせて口を曲げた。

 ここ数日、ヒューダはこういう顔をすることが多い。帰還を惜しんでくれているんだとは窺えるから文句は言うまいが、正直責められている気分になるから面白くはない。

 戸の枠を掴むヒューダの腕下を潜って抜ける。一拍置いて後を付いてきた彼に構わず、女将に別れを告げた。涙の滲む目に情の厚さを改めて知る。こんなので宿の主人やってて大丈夫なんだろうか。

 押し付けられた弁当は、部屋の片付けの合間に頂こうと思う。宿を出て、すれ違う顔見知りに別れの挨拶を交わして歩く。

 ヒューダの腕が伸びて、荷物の重みが肩から消えた。彼が持った途端にバッグが小さく見える。ちゃんと全て持ってきたかどうかが不安になった。


 「……なあ、どうしても今日帰るのか」

 「うん。もうお休み終わりだからね。これから忙しくなるんだよ。遅ればせの就職活動して、どうにか就職先決めないとなあ」

 「就職なあ……」


 こうして連れ立って歩くと、ティティのときとは違う層からの視線を感じた。バレない程度の動きで視線の出所を探ると、可愛かったり綺麗だったりする同性の姿。刺々しい目とかち合って、慌てて前を向く。


 「どうした?」

 「いや、何でも」


 まあ、分かる。可憐なティティと似てはいないが──いや、似ていないからこそか、男らしい顔は上の中。背も高いし、バランスの良い筋肉には頼りがいを感じる。中身を知れば、それが見掛けだけじゃないこともすぐに理解できる。腕が立つのも実証された。兵士で上位にあるってことは、将来に期待が持てるということだ。

 そりゃ、モテるだろう。ティティといるときには男性陣からの羨ましげな視線を食らっていたが、女の嫉妬は皮膚に響く。

 腕が触れる距離を少し離すために速度を上げると、同じくらいに調節されてまた戻った。落とせば良いのかとストライドを小さくすると、何してんだと言わんばかりの顔で手を取られた。


 「おまえ、まだ体調おかしいんじゃないのか。フラフラして」

 「そういうわけじゃないよ!分かった、ちゃんと歩くから、手ぇ離して」


 抗議は聞き届けられず、羞恥プレイが続行される。しまった、余計なことしなきゃ良かった。

 向けられる嫉妬の炎が強くなる。骨まで焼かれるんじゃないかというレーザービームに、しかし青くなって震えるより血が昇ってどうしようもなかった。

 あんまり顔が赤い自覚があったので限界まで俯いていたが、街の出入り口で警備兵諸君の好奇の目に刺されたのは言うまでもない。

 ピーピーと喧しく口笛を鳴らされても外れない手が熱くて睨み上げると、同じく真っ赤になったヒューダが明後日の方向を向いていた。そんなに照れるなら解けば良い!

 兵長が意気揚々と駆け付けてウェディング賛歌を高らかに歌い始めた辺りで我慢できなくなって駆け出した。蹴り足が早かったのは美晴かヒューダかというタイミングで、同時に限界が訪れたのだと悟る。でも原因は隣を走る男なんだけどね。そんなに照れるなら以下略。

 はひい、と上擦った呼吸を漏らす美晴に気付いてヒューダは足を止めた。振り返っても街は見えない。しゃがみ込んで息を整えていると、ようやく絡んでいた手が離れて行った。

 荷物を傍らに置いたヒューダが正面に腰を下ろす。さすが兵士、鍛えている。少しも呼吸が乱れていない。

 ところで、近い。


 「ミハル」

 「はい」


 胡座をかいた足が、乙女座りの美晴の膝に触れる距離は果たして正常だろうか。

 手を繋いでいたときの方がまだ遠かった気がする。少なくとも顔を合わせていないだけ開放感があった。

 そういうの、全然感じてないんですかね、この男。だとしたらとんだ人誑しですわ。ティティと兄妹だけある。

 精悍な相貌を引き締めて見詰められると視線を外すしかない。


 「色々、悪かった。助けられてばかりだった。ありがとう」

 「良いよもう、みんな無事だったんだし。そりゃ傷付いたけどさ!まあ、でも」

 「また来るんだよな?」

 「もう今更だし──うん?」


 遮られて眉を寄せる。謝罪してるのに返答に被せるとは何事。

 うまく聞き取れなかった言葉に口を閉ざすと、端正な顔面がずいっと迫った。


 「また来いよ、絶対」

 「た、多分、来れる」


 整った顔が険しくなると威圧感が半端じゃないから、緩めるか離れるかどちらかを選べ。個人的には離れるのが良いと思います。心臓がうるさいから。

 続く声はいっそ恫喝だった。


 「来いよ!」

 「う、うん、わかった?」

 「来るって言え」

 「来ます……多分」

 「声が小さい!」

 「来ます!い、いやでも」

 「断言しろ」

 「無茶言うな!」

 「傷付けた分、利息付けて償うから」

 「え、だから、もう良いって」

 「言質取ったからな。来いよ」

 「何でヒューダの方が偉そうなのおかしいよね」


 強引とかそういうレベルじゃない。レコーダーに録音して警察に提出したら注意が入るほどのかぶり付きである。

 釈然としない思いを抱えながらやり取りの不自然さを反芻する。明らかに内容と立場が逆転していた。謝るというのはもっとこう、殊勝な、以前のヒューダのような態度であるべきで、間違っても顔に陰を帯びて上から圧力を掛けるものではないはず。

 うんうんと唸る美晴を後目に、ヒューダがポケットを探った。無造作に畳まれた細長いものを、再び掴まれた手のひらに押し付けられる。


 「とりあえず、これ」


 目に優しい紅色をしたリボンだった。以前のものに似ているけれど、もっと深みがあり、落ち着いている。さらりとした手触りは何度もなぞっていると癖になりそうだった。

 口を開けたまましげしげと眺め倒す美晴に焦れたのか、一度は渡したリボンを回収される。滑らかさが名残惜しくて追い縋るが、代わりに伸びてきた手が横髪を一房取ったので動きを止めた。


 「あ、の、くれるの?ありがと?どしたのこれ」

 「俺……が、染めた糸で作ったんだよ」

 「ここんとこ何やってるかと思ったら、もしかしてずっとティティに染色習ってたの?」

 「元々は疑ったことへの詫びのつもりだったんだけどな……この世界の思い出が多いほどこっち来れるんだろ。なくさずに持ってろ。毎日でも付けろ」


 器用に──ティティより物凄く慣れた手つきで髪にリボンを編み込んでいく骨張った手が視界をうろつく。

 時々頬を掠める指が、思わせぶりに首筋まで滑るのに肩を震わせた。


 「いや、何だか語弊が……単純に思い出の数っていうか、必要なのは思い入れとか強烈な印象とかがあれば二回目以降の訪問が安定するかもってだけで。あと出現確率とか」

 「じゃあ思い入れとけ」

 「ヒューダさっきから偉そうだよね」

 「こっちも余裕ないんだよ!」


 結い終わった髪を弄ぶヒューダが、頬を赤らめた顰め面という器用な顔をして口を開いたり閉じたりを繰り返す。

 しばらく待っても続きが出ないので肩を竦めてフォローした。


 「まあ、多分大丈夫だよ。死にそうな目にあったけど、今となっては良い思い出だもん」

 「この世界に来て、後悔とかしてないか」

 「ティティ助けたらスッキリしちゃった。私、この力があって、この世界に来れて良かった。おかしな力持ってるから何だっての。そこまで含めて私の個性よ個性!」

 「そうか」


 荷物を手に立ち上がる。同じく腰を上げたヒューダを見上げた。


 「また来るよ」

 「絶対な」

 「う、うーん、頑張る」


 まだ言うか、と思いながら不明瞭な笑みを浮かべると、彼は考えるような仕草を見せた。しばらく口元を覆っていた指先が唇をなぞって退去する。

 寄越された不穏な目に息を呑んで後退った。歯牙にも掛けず覆い被さるように身を乗り出して、大きく口を開ける。


 「……もうちょい確実にしとくか」


 突然迫った顔に目を思わず瞑った。目元に被さった手が瞼の向こうの光を遮る。先程までヒューダの唇をなぞっていた手。閉じた視界が触覚を鋭敏に変える。


 滑った感触が鼻に触れて──かぶり付かれた。


 「いたあ!」

 「ははッ」


 瞼の裏に自室が見える。何が起こったのか、手のひらの向こう側を見ようとして、向けた意識が間違って自室を捉えた。

 吸い込まれる意識がヒューダに対する文句を忘れた。舌に乗せ掛けた言葉を連れて発声器官が先に転移したような感覚。

 聴覚が小憎たらしく笑う声を拾って、しっかりと美晴に届けた。


 「強烈だろ!」


 その通りだよ馬鹿!

 美晴の怒声は多分彼には届かなかった。気付けば部屋の真ん中で尻餅をついていた。

 視界に入った姿見の中で、リボン顔負けに真っ赤に染まった自分が絶句している。鼻の頭が濡れて光り、ほのかに赤い歯形が付いて。


 「……人の顔面どアップって、転移の対象になんのぉ……?」


 抱えた頭に今すぐ穴を開けないと、充満した蒸気で脳が死にそう。

 閉じた瞼に映るヒューダの顔に、心配事が盛大に逸れた。これ、本当に転移できるんだろうか。できたとして、どこに出るんだろう。背景なんてほとんど見えない。

 部屋の片付けなんかできるはずがなくて、当然素直に眠れたはずもない。翌日フラフラと大学に足を踏み入れるや否や、事務員の手で保健室に連行された。沢山の人に目撃されて気遣われて、恥ずかしいったらなかった。

 休みに入ったら、絶対文句言いに行ってやる。どういうつもりだと問い詰めて、はぐらかすようならティティに言い付けてやろう。こっ酷く怒られるが良い。憤慨しながら慣れないベッドで目を閉じた。

 もう転移をしない、なんて思えるわけもなく、確実にあの世界に戻れる。そう確信を持ちながら。

本編これにて終了です。

お付き合い頂きありがとうございました!


あと近日中に番外編を一つ投稿予定しております。

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