早速の遭遇 07
このやばい鬼を捕まえるのに派遣されているはずだから、この二人もそれなりに強いってことなんだろうか。いい加減、俺はさっさとこの場から離れたほうがよさそうだ。そういえば、隣は神社だったよな。アキトともそこまで離れることもできないし、勝手なイメージだが安全そうだからそこに避難しよう。そう思案している間にも、アキトたちはなかなか鬼に決定打を与えることができていないようだ。背後を気にしつつ、講演の外へ出ようとして、そこでおかしなことに気がついた。
「あれ……住宅地がない……?」
公園や神社の回りこそ木々が生い茂っていたが、ここは住宅街にあったはずだ。なのにあたりはなぜか枯れた田んぼが広がっているみたいだ。俺の目がおかしくなったのだろうか。瞬きしてもう一度公園の外を見た。今度は風景画住宅街と田んぼが重なって見える。
「なんだよこれ……」
このまま外にでていいものだろうか。判断に迷うところだ。……これで元の住宅街に戻れなくなったら困る、かといってこんなところで突っ立っているわけにもいかない。迷った末、俺は公園の入り口に生えている木の陰に隠れ、アキトたちの様子を見ることにした。




