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早速の遭遇 06
やばい、死ぬかも。半透明の状態であるが、それを見た瞬間そんな思いが込み上げてきた。昨日の鬼よりはでかくない。でも、纏う雰囲気が違った。薄暗くよどんだ霞でそいつの身体の周りは薄暗くけぶっている。禍々しい。その言葉がふさわしかった。
「くらえっ」
アキトが鬼に接近し、刀を下から切り上げた。鬼はそれを意外にもすばやく身をかわしていく。そこへコガラシが追撃で肉薄。鬼の腹へと一撃、二撃と続けざまに拳を叩き込んだ。
「 」
重そうな拳であったが、効いていないらしい。低いうなり声を上げたかと思うと、コガラシの拳を片手で捕らえてそのままアキトのほうへと投げた。
「あぶないっ」
ぶつかるととっさに声を上げたが、問題なかった。アキトはひょいっと彼を避け、鬼との間合いを詰める。投げ飛ばされたコガラシというと、地面に投げ出される瞬間受身をとり、すぐさま鬼へと向かっていった。どうやら二人で戦いなれているらしい。




