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早速の遭遇 05

「え、こいつアキトの知り合いなのか……?」


 ただの半透明ピンク野郎ではなかったらしい。知り合いということはこいつも異狩なんだろうか。


「は?! アキトさん?!……!もしかして、アキトさん肉体手に入れたんですかっ?!」


 俺とアキトを交互に見やって、青年――コガラシは叫んだかと思うとアキトに詰め寄った。


「おう!これでやつも追い詰めやすいだろ」


「えええ、こればれたらまずくないですか」


「ばれなきゃいーんだよ」


 なにやら二人して不穏な会話をしているのが聞こえてきて、その会話に突っ込みを入れようとした時だ。不意にずんとあたりの空気が重くなる。


「っと、どうやら早速本命さん釣れたみたいだな」


 すっと手に持った刀をアキトは構え直したかと思うと、桜並木のほうを鋭く睨み付けた。コガラシもそれに並ぶように、両こぶしを握ってボクサーのような構えをとる。相している間にもだんだんと重苦しい空気は、禍々しさというか嫌な気配を漂わせてきた。本命ということはもしかしてやばいやつが来たってことだろうか。これってこの場にいると危ないんじゃないか……。唐突なことに固まっていた俺は慌ててどこかに身を隠そうとしたが、良さげな場所は見当たらなかった。これは公園から出たほうがいいんじゃないか、そう思って急いで公園の外へと向かう。


「コガラシ、援護頼むっ!」


 たいして公園の入り口は遠くないためすぐ着いたが、遅かったらしい。アキトの真剣な声につられて後ろを振りかえれば、ちょうどそれは桜並木から姿を現していた。




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