早速の遭遇 04
一つは、俺の身体――つまりアキトである。手に持つ刀の先には、昨日襲われた鬼よりも小柄な鬼が突き刺さっていた。どうやら戦闘中らしい。そして、もう一つの塊は刀に突き刺さっている鬼と、同じ鬼だった。こちらへ飛び出してくるアキトの後ろを追いかけ、襲い掛かろうと金棒を振り上げている。
「後ろ!」
俺の声に反応したのか――いや気が付いていたのか。いつのまにか刀に刺さっていた鬼は消え失せたかと思うと、アキトは前へと大きく飛び込んだ。鈍い音を立てて振り上げられた金棒が地面へと突き刺さる。飛び込んだ先で受け身を取ったアキトは鬼と向き合ったかと思うと、すぐさま鬼へと間合いを詰めた。鬼がめり込んだ金棒を持ち上げ殴りかかろうとするが、それをあっさりとかわして懐へと潜りこむ。
俺の目には刀が動いたように見えなかったが、どうやら切ってたらしい。アキトが鬼から離れると昨日と同じく鬼は跡形もなく消え去った。
「んん?お兄さんと同じ顔……?でもあああ?」
俺とアキトを見比べて青年は不思議そうに首をかしげる。
「ん、コガシラとなんで一緒にいるんだ?」
こちらに気が付いたアキトは驚いたように聞いてきた。




