早速の遭遇 02
玄関でアキトを見送り、しばらくすると再びなんとも言い難い感覚が俺を襲った。落ち着かない、このまま外へ飛び出したくなる感覚に混乱する。
「うえ……なんなんだよ、この感覚……」
昨日も桜並木で感じたこれは一体なんなんだ。どうしたものかとしばらく玄関をうろつくも収まりそうにもない。アキトなら何か知っているのだろか……ん?待てよ。
「もしかして、俺って体からあんまり離れられないとか?」
確証はないがなんとなくそんな気がする。外に出るのは怖い。でもこの衝動にも耐えられそうにない。二つの気持ちを天秤にかけ、
「あああああもう!耐えられねぇ!」
ついに耐えられなくなって、アキトが向かっている公園へと向かうのだった。
住宅街を歩いて15分ほどのところに、昨日の公園はある。ひがさ公園というのはわりと昔からある公園らしい。近くに神社だったか寺だったかがあるせいか公園の周りは鬱蒼と竹やら木々が生い茂ってた。空がどす黒いで色に染まっているせいか、余計に陰険な雰囲気を醸し出している。暗い緑のなかにぽつんと開いた空間があって、そこが公園の入り口だ。周りの木々が邪魔で中の様子が見えないが、もうアキトはたどり着いているのだろうか。そう期待するものの、公園内に入ると誰もいなかった。離れていない位置あるブランコとジャングルジムがさぶざぶしい。なんとなく池へと続く桜並木にひきつけられる気がした。昨日鬼にあった場所だからこれ以上は近づきたくない。悩む俺に背後から
「よ!お兄さん、またあったな!」
少年の声が聞こえてきて、俺は驚いて後ろを振り返った。




