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早速の遭遇 01

「さて、ちょいっと俺は外出てくるわ。お前はおうちでおとなしくしていてくれよ」


「?! まてよ! 今まだ2時ぐらいだぞ。テスト期間中でもないのにうろついていたら怪しまれる」


 ご近所さんに怪しまれるのは確実だし、平日のこの時間私服で歩いていたとしても目立ちそうなものだ。そもそも俺は学校をさぼってしまっている。家から学校は3駅離れているとしても出歩いてほしくないものだ。


「闇雲に街中歩き回るわけじゃないって。昨日鬼と遭遇したところにもう一度行くだけだから。この時間じゃ異形も活発に動いていないだろうし」


 昨日鬼と遭遇したところとはあの桜並木のことか。それなら家から近いうえ、あまり人が寄りにくい公園であったから何とかなるか……。そう思案する俺を放ってアキトは、さっさとリビングから出て行ってしまった。その後ろを慌てて追っていく。自分の家ではないはずなのに随分と堂々とした足取りでそのまま俺の部屋に戻ると本棚のわきに置いてあった刀を持って再び部屋から出る。


「いやいやいや! 銃刀法違反!俺、捕まる!」


 慌ててアキトの前に立ちふさがり、止めようとするがひょいっとアキトは俺をかわしそのまま歩みを止めない。


「大丈夫大丈夫。コレ見えないから」


 鞘についてたベルトを使って腰に刀を下げるつつのんきに答えるアキトに俺はだいぶ不安になるのだった。

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