事後承諾 07
ものの2,3分で菓子パンを3つ食べ終えたところでアキトは冷蔵庫から冷えたお茶のペットボトルを取り出すと飲みはじめた。一気に500mlを飲み干すと、満足げな顔で伸びする。
「気が済んだか?」
「おーごっそうさんでした」
「じゃあ昨日の話の続きでもしようじゃないか」
この時間、この状態で学校に行くのは得策ではない。聞きたいこともあるし、親がいない今のうちにいろいろと話しておくべきだ。ゆっくりと部屋にでも戻って話しをしようと促せば、
「ん?まだ話さないといけないことでもあったか?」
アキトはきょとんとした顔でこちらを見てきた。
「あれだけで済むわけないだろうがっ。説明しろ、説明!いつまで俺はこの状態なんだ?俺にだって学校に行ったりとかしないといけないし、家族と住んでるし、ずっとこのままなんてごめんだ!一体なんでお前は俺の体が必要なんだよ!」
胸倉がつかめないのがなんともくやしい。
「あー詳しい説明しないと体貸すのに納得できないか」
「自分の体を貸すことに関して納得もなにもできるかっ。たとえ旧知の中だってそんなことはできないだろうが、普通!いくらお前が命の恩人だとしても、ほいほい体貸せますとかならないからな!」
そもそも命を助けたから体貸せとか、助けられた意味とはなんだってなる。なんつーか体で稼いで返せのほうがましな気がしないでもない。
「どうどう、落ち着いて。ちゃんと説明したところで納得できるとは思わないが……めんどうだな」




