第三話 ギャル召喚士、初戦でチート連発!?そして“炎の仲間”メラ誕生。
帝都の外れにある森は、昼間でも薄暗く、ひんやりとした空気が漂っていた。
ソラは外套のフードを押さえながら、ロロイの後ろを歩く。
「……なんか、雰囲気あるね……」
「ええ。でも、気をつけて。魔物が出るって噂もあるから」
ロロイが言いかけた瞬間――
ガサッ……!
茂みが揺れた。
ソラはビクッと肩を跳ねさせる。
「ちょ、ちょっと待って!? 今の絶対なんかいたよね!?」
ラムネがぷるぷる震え、ソラの肩から地面へ降りた。
「ぷるる……!」
ロロイが息を呑む。
「ソラさん……来るわよ!」
✦
茂みから飛び出してきたのは、黒い毛並みと赤い目を持つ巨大なウサギ。
――デスラビット。
「え、ウサギ……? いやデカッ!? 怖ッ!!」
ロロイが叫ぶ。
「ソラさん、あれは普通の冒険者でも二人がかりでやっと倒せるレベルなの!」
ソラは慌てて鑑定を発動した。
▽
《鑑定》
【魔物名】デスラビット
【レベル】8
【危険度】D
【特徴】高速突進・噛みつき攻撃
【備考】初心者単独での討伐は推奨されない。
△
「……レベル8!? ウチまだ戦闘経験ゼロなんだけど!?」
ロロイは震えながら言う。
「逃げましょう! スライムじゃ勝てないわ!」
しかし――
ラムネはソラの前に跳ね出た。
✦
「ぷるるっ!!」
ラムネの体が淡く光り、ソラのステータス画面が勝手に開く。
《共有スキル発動:スライムの加護》
《召喚士の魔力をスライムへ一時付与》
「え、勝手にスキル使われてんだけど!?
てか光ってるし!?」
ラムネのステータスが更新される。
▽
【レベル】1 → 3
【HP】50 → 150
【攻撃】10 → 40
【防御】20 → 60
【魔力】30 → 120
【新スキル】癒しのしずく(小)
△
ロロイは目を見開いた。
「スライムって……こんなに強かったかしら!?
私、こんなの見たことないわよ!」
ソラも叫ぶ。
「ウチも初めて見たし!!」
✦
デスラビットが高速で突進してくる。
「きゃっ!?」
ラムネは跳ねて避け、体を伸ばしてムチのように叩きつけた。
バシィッ!!
デスラビットが吹き飛ぶ。
「ぷるるっ!!」
さらに光が走り、ラムネの能力が上昇する。
《一時強化:攻撃+20、防御+30、魔力+40》
「え、強化幅エグくない!? ウチのMPめっちゃ吸われてるんだけど!」
✦
ラムネが高く跳ね、デスラビットの頭上に落下。
ドンッ!!
地面が揺れ、デスラビットは動かなくなった。
ソラは恐る恐る近づく。
「……勝った?」
「ぷるるっ♪」
ロロイは胸を押さえながら言う。
「スライム一体で……初心者殺しのデスラビットを……」
ソラはラムネを抱き上げ、頬ずりした。
「ラムネ、マジ天才じゃん!!」
✦
ソラの視界に新たなウィンドウが開く。
《召喚士レベルが上昇しました》
《召喚士Lv1 → Lv2》
《召喚枠+1解放》
「召喚枠!? ウチ、もう一体呼べるの!?」
ロロイは驚愕する。
「召喚士って……そんな成長の仕方するの……?」
✦
ソラは胸の前で手を組み、息を整える。
「……いくよ。
“召喚――!”」
地面に魔法陣が広がり、赤い光が立ち上る。
「え、なんか炎っぽいんだけど!? 大丈夫!?」
光が収束し――
メラメラと小さな炎をまとった赤いスライムが現れた。
「ぷるるるっ!!」
ソラは目を丸くした。
「え、めっちゃ燃えてる!? でも可愛いんだけど!!」
ロロイは驚愕し、思わず声を上げる。
「火山帯にいるスライムが……仲間!?
ソラさんは只者じゃないわね……!」
▽
《鑑定》
【種族】ファイアスライム
【レベル】1
【魔力】120
【スキル】ファイアボール(小)/火属性耐性
【特徴】攻撃支援に優れる。召喚士の魔力と相性が良い。
△
ソラはテンション爆上がり。
「攻撃系!? ウチのパーティ、強すぎじゃん!!」
ラムネも嬉しそうに跳ねる。
「ぷるるっ♪」
ファイアスライムも元気よく揺れる。
「ぷるるるっ!」
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ソラは少し考え、にっこり笑った。
「炎っぽいし……
あなたは“メラ”でどう?」
「ぷるるっ!!」
メラは嬉しそうに炎をぱちぱち弾けさせた。
ロロイは呆れ半分、感心半分で微笑む。
「本当に……ソラさんは只者じゃないわね……」
ソラは胸を張った。
「これでウチのパーティ、マジ最強じゃん!」
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薬草採取はまだ続く。
だが、ソラの心は不思議と軽かった。
ラムネとメラ。
二体のスライムに囲まれながら、ソラとロロイは歩き出す。




