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女神をぶん殴るために世界を救います  作者: 白野シャチ
一章 七大魔王迷宮攻略
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1話

 俺、大空ハルはいつものように高校へと向かった。

 俺の所属する一年A組は朝だというのにも関わらずいつものように騒がしい。

 教室のドアを開いた瞬間。

 目を背けたくなるほど眩い閃光が世界を包む。

 視界が回復すると真っ白い空間にクラスメート三十人と共にいたが石像ように固まっている。

 例外なく俺も動く事も話す事出来ずそこにいる事しか出来ない。

 しばらくしてと頭上から一本の光の柱が差し込む。

 その柱の先には、女神らしき人がいた。

 指パッチンをすると豪華な椅子が現れた。

 その椅子に俺たちを見下すような、傲慢で横柄な態度で座る。


「君たちには、我の世界で暴れている魔物の王を討伐してもらいたい。そのための力は授けてやる。感謝するがいい!ワッハハハハ」


 高笑いをする彼女は、動けない俺たちを品定めするように見ると一人の男子生徒に指を指し微笑む。


「汝を【勇者】と任命する。」


 その男子生徒は、大宮翼。

 高身長かつイケメンでありながら俺とは違って人望ある心優しい男子だ。俺なんかと幼馴染であることだけが人生の汚点であるだろう。・・・たぶん。

 アイツは、優しいから勇者に選ばれてもおかしくない。アイツは、いい奴だからな。

 彼女は、パンッと手を鳴らすと杖が召喚され掲げると光を放つ。


「我の加護、【女神の祝福】と【勇者】のアビリティを汝、大宮翼に授ける。心して受け取るがいい!」


 頭上から一筋の光が大宮に降り注ぐと大宮の身体は青白く発光した。

 その様子を見て満足気に微笑む彼女が途轍もなく怪しく見えるのは、何故だろうか。

 品定めするのように他の生徒たちも見ていく。俺を見た瞬間。爆笑しながら口を開く。


「何これ。こいつ、全ステータス、平均以下じゃん。あー。顔も好みじゃないし適当なアビリティでいいっか、くれてやるだけでも感謝しなさいよね。さてと、

 どれにしようかな、神様(われ)のいう通り。これに決まりと。【治癒師】を付与っと。あー。我の加護は、つけなくていい。我の使者と思われたくないしいいっか。えと次は・・・」


 何だこいつ。ムカつく。こいつ、絶対取り返しのつかないミスするわ。

 そして次々とアビリティを付与して行き全員に付与し終えると俺たちの各足元に白く輝く魔法陣が展開された。すぐさまに魔法陣から強烈な光を放たれた。

 気づけば、知らない場所に立っていた。

 その場所は、半径十メートルぐらいのドーム型に地中をくり貫いたような部屋。

 真下からヌルッと紐状何かで首を締め付けられた。

 俺の首を締める触手を辿るとゼリー状の生き物がそこにいた。RPGでよく登場するモンスター、スライムのようだ。

 なんで俺は、異世界に召喚されていきなりスライムに首を絞められているんだろうか。

 苦しい。息が出来ない。せっかく異世界に来た時言うのに。

 そうだ。こうなった原因は、あのクソ女神だ。

 魔王を討伐して欲しいとか言ったあのクソ女神が拒否権もなく制服のまま、モンスターがいるこんな場所に召喚しやがって・・・あのクソ女神を一発ぶん殴って謝罪させるまでは死ねないんだよ!。


「く、そ、が!!」

 

 怒りのままにスライムの触手を引きちぎりスライムを睨み付ける。


「はぁ、はぁ、どうだ。見たか!スライム!」

 

 俺の怒りに臆したのか。スライムは、驚いて後退り、俺を観察するようにじっとしている。

 ラノベとかでは、スライムには核があってそれを破壊されると死ぬらしい。それに核ぽい球体が半透明なスライムの中にあるの見えてる。あれを潰せば、恐らく死ぬだろ。

 息を整え、覚悟を決め、スライムに近づきスライムの中心部にある核に目指して体内に手を入れる。

 手を入れた瞬間。冷んやりと冷たくヌルッとしているが溶けるような激痛が走る。


「痛え!。」


 歯を食い縛り激痛に耐えて核をスライムから引き摺り出して地面に叩きつけ何度も踏みつける。

 粉々になったことを確認しスライムに目を向けるとスライムがいた場所には、大きな水溜まりが出来ていた。


「ハァハァハァ。なんとか、倒せた。」


 スライムを倒したことに安堵するが爛れた右腕を見て悲しみがどっと押し寄せる。


『個体名、大空ハルの所有アビリティ【治癒師】のレベルが1から2に上昇しました。レベル上昇したことにより治癒師のスキルに治癒魔法【ヒーリング】【リフレッシュ】が追加されました。』


 ボイスロイドのようなの女性のアナウンスが脳内に響き渡る。そして、青い半透明なボードが現れる。


種族 【ヒューマン】

名前 【大空 ハル】

アビリティ【治癒師 Lv.2】

スキル

・治癒魔法【ヒーリング】、【リフレッシュ】


 そのボードはRPGゲームのようなステイタスみたいなことが書いてあった。


 ヒーリング。傷を治す魔法。

 リフレッシュ。精神を正常に戻す魔法。


 少し安堵しその場に座り込む。


「回復手段があってよかった。」

 

 ヒーリングと唱えると傷が治るのがファンタジーのあるあるだよな。

 


「・・・ちゃんと発動すればいいけど。試してみるしか道はない。・・・【ヒーリング】」

 

 唱えると温かい光の粒が爛れた右腕にまとわりつき爛れた箇所が逆再生のようにゆっくりと治っていく。


「よ、良かった。」


 多少の痛みはあるが腕が治り安堵して一息つこうと気を抜いた、その時、ポチャン、ポチャンとリズム良く雫が落ちるような音が聞こえる。

 その音に耳を澄ますと徐々に大きくなっていき近づいてくるのがわかる。

 音の方に目を向けると一メートルぐらい大きさで青紫色の半透明のゼリー状の動く物体、スライムが飛び跳ねながら俺に近づいて来ていた。

 ゆっくりと立ち上がりスライムを睨み付ける。


「また。スライムか。・・・やられる前にやらないと。」


 俺は、呼吸を整えてスライムに近づきスライムの体内に手を入れ、激痛に耐えながら核を引き摺り出して地面に叩きつけて腕を治癒をする。

 液状化したスライムが地面に吸収されていくの眺めながらその場に座り込んで周りを見渡す。

 松明で照らされている空間は薄暗く気味が悪い。壁は人工的な土壁。等間隔に松明が設置は、されているが火に一切の揺らぎがない。


「空気の流れがないのか。」


 不安からため息を溢す。しばらくここで休むことにした。 

 数十分後。

 休憩を終えた俺は召喚された部屋から出てると迷路のように入り組んだ通路。

 通路には無数のスライムがいるのではないかと思うぐらいスライムが湧いていた。

 そのスライムたちを自傷覚悟で倒して行く。

 しばらく探索していると少し広めの空間へとついた。

 そこには、スライムが一体も湧いておらず、スライムはこの部屋に入ってこようともしないようだ。

 ようやく、ちゃんと休める場所を見つけられた。

 その部屋を物色しているとサッカーボールぐらいのシャボン玉を見つけた。その中には本革仕様の高級そうな手記が入っていた。

 俺は好奇心のままにシャボン玉を破り手記を取り出してその場に座り読み始める。

 手記を読んでこの手記の著者とこの場所については、分かった。

 この場所は、七柱の魔王の魂が封じられている監獄だ。長く魂が封じられていたため、この監獄は魔王たちが放つ瘴気よって迷宮化したらしい。

 そして、この手記の著者は、この世界の管理者、女神に仕えていた天使だった。しかし、仕事で盛大なミスを犯したため、魔王たちの魂を輪廻の輪に帰すため、この迷宮に派遣された。

 この迷宮は全七層ありそれぞれの階層には、魔王の魂がモンスターの姿へと変質した。

 そのモンスターを倒すことによって魂は輪廻の輪に還る。

 そして、全ての魔王の魂を輪廻の輪に還さないとこの迷宮から出れない。

 つまりだ。女神を殴るためには、魔王を倒し迷宮を攻略する必要がある。

 

「・・・無理ゲーすぎない?。どう考えてもここ。ゲームでいう裏ダンジョンじゃん。はぁー。やるしかないのか。」


 最後に追伸が書かれていた。


『この手記を読む汝へ。私はこれからこのフロアのボスである、暴食の魔王、ベルゼブブスライムに挑む。勝てないと思う。だが私は生き延びてあのクソ女神に文句を言ってやる。それまでは何があっても諦めない。もしお互いにこの迷宮から出られたなら酒を酌み交わそう。あとこれを汝に言っても仕方ないと思うがあの方が勝っていればこんな事にはならなかったのに。』


 手記を閉じ、俺は絶望していた。

 それは何故かってこの手記は、このフロアのモンスターの詳細も書かれていた。

 その内容は、この世界のスライムは物理攻撃、魔法攻撃が効きにくく魔法生命体である彼らは、核を潰さない限り死なない。核を壊すためには、鉄すらも溶かす強酸の体内から核を取り出して破壊しないといけない。

 あの激痛を何度も体験しないと行けないのだ。


「――――俺、女神殴れるかなぁ。」


 悩んで仕方ない。まずは治癒師のレベル上げにスライム狩りますか。

 こうして俺はスライム狩りを開始した。


 治癒師のレベルが十まで上がり色々と治癒魔法を覚える事が出来た。

 スライム狩りをしつつ探索もしていたが元監獄とあってお宝がなかった。しかも武器の一つも見つからなかった。

 一旦、探索を終え手記が置いてあった場所まで戻り休憩とっていた。

 

「なんでここには、スライムわかないのだろか。・・・考えても無駄か」


 俺は、身体を休めるために眠った。

 目覚めてふと飯を食べていないことに気づいた。

 しかし、腹は減っていない。・・・いくら腹が減ってないとは、言え早く水と食料用意しないと。

 俺は探索を再開した。

 これまでとは、違う広い空間に出た。そこには、地下に行くための階段があった。

 その階段を守るようにこれまでのスライムの数十倍の大きさのあるスライムがいた。

 おそらくだがあれが手記に書いてあった、『ベルゼブブスライム』だろう。

 その空間には、入らず物陰からベルゼブブスライムを監視する。

 手記の天使はあのスライムにやられたのだろう。

 ベルゼブブスライムって言いづらいから巨大スライムって呼ぼう。

 

「どうやって倒そう。悩んでも仕方ない。いずれ倒す敵だ。行きますか」


 俺は、覚悟を決めて巨大スライムに近づいた瞬間。巨大スライムから触手のような物を伸ばして鞭のようにしならして俺に攻撃を仕掛ける。

 焦って一歩下がると顔スレスレで巨大スライムの触手がバンっと空を切る。

 拳銃の発砲音よりも強烈な炸裂音にびっくりしてその場に座り込む。

 巨大スライムの触手は、地面に直撃し巨大スライムの元へと戻って行った。

 スライムの行動に警戒してすぐに立ち上がるとスライムは、触手を千手観音ように生やす。


「えと。一旦、退却!」


 俺はすぐさまに逃げ出した。

 巨大スライムは追撃しようと触手を俺へと伸ばす。

 巨大スライムがいた部屋から出ると触手はピッタリとその部屋の前で止まりゆっくりと触手を引っ込める。


「ん?。一安心だよな?」


 しばらく巨大スライムのことを観察するが全くその場から動かずまるで、挑戦者を待つボスのようだった。

 とりあえずあの触手攻撃を防ぐ盾と武器を探しに探索を開始した。

 しかし、得るものはなくスライム狩りをしてもレベルが上がらなくなってしまった。


「完全に詰んでしまった。・・・」


 対策を考えるために手記があった場所へと戻っている最中、壁に違和感を覚え壁に触れると崩れ小部屋が現れた。

 小部屋に入ると宝箱が怪しげに置いてあり罠だとも考えたが恐る恐る開けてみる。

 そこには、身の丈ぐらいのありそうな大楯と刃渡り一メールぐらいの簡素な作りの直剣が入っていた。


「トラップなくてよかった」


 大楯と剣を装備してスライムで試してみる。

 剣は、スライムの酸に溶けずスライムを斬ることが出来た。

 大楯もなかなか使い勝手がいい。大量のスライムを押し潰して倒れたり、汎用性が高く非常に良い。

 これで一先ずは、巨大スライムに挑む準備ができた。


「ふぅー。ボス戦と行きますか!」


 俺は巨大スライムが待つ部屋へと向かった。 

 続く。

毎週日曜日に更新予定です。

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