まだある、のか?
「で?この世界ですることあるんだよな。相応しいってそういうことも含んでるんだろ?」
当然まだすべての話を聞いてない。
「そうなのじゃ。これは妾の罪の内容の話でもあるんじゃが。」
言い淀んだ【のじゃロリババアショタエルフ】をみて少し心配になる。もうめんどくせえからこいつなんてルナでいいわルナで。
「言いにくいことなのか?なら無理に言わなくてもいいぞ?」
そう伝えると嬉しそうででも困ったような顔になった。
「どう表現したものか困ったのじゃ、なんといってよいのか難しくな。」
心理的に言いにくい話じゃなくて言葉にして説明するのが難しいってことか。
「まあとりあえず言ってみ?汲み取る努力は最大限するから。」
「分かったのじゃ、あれは…。」
ということで纏めると
ルナは魔法研究好きが高じて禁忌の召喚魔法を使ったと。それは神クラスの存在を召喚する魔法。理由は実は単純。エルフの国の繁栄と平和。まあ具体的には人間を含む多種族と外交的にきな臭くなってきたと。お互いの正義がぶつかり合って平和的な解決は難しい。かといって戦争は回避したい。人事を尽くして天命を待つ状態の所に無理やり天命を呼び出そうとしたわけだ。
「なんでまたそんなことを?どうしようもない絶望的な状態だったわけでもないんだろ?もうエルフが滅亡寸前だったとかさ。」
「いやだって、妾には出来てしまったからじゃもの。」
つまり技術的には誰も出来ないと思われていたが理論というか概念だけは昔からあって、だから法的にも禁止されていたと。でもルナにはそれができてしまったと。
まあ地球でも人間の想像ができるものはいつか創造できると言われてるしそういうこともあるんだろうね。
「出来るからやっちゃった、てへぺろ。じゃないんだよほんと。リスク的なこともそうだろうけど倫理的にも禁止されてたんじゃないのかそれ?」
地球だとクローンを作っちゃうとか人類滅ぼせるような細菌兵器作っちゃうとか、そういうあれなやつだろ、要はルナはマッドサイエンティストってことだ。地球でいうとね。
「そんなに褒めるなのじゃ。さすがに照れるのじゃ。」
「照れるな、褒めてねえわ。」ルナだけに照れルナってか?いや面白くねえわ。
で、その結果、よく分からんものを呼び出してしまったと。神なのか邪神なのか、それとも魔王なのか。そしてそれは召喚してどこかに消え去ってしまったと。「その願い既に成就した。」とだけ宣言して。それもいた場所に帰っていったというより、この世界のどこかに。
てか何気にこいつの属性さらに増えやがったな。キャラ設定相当混雑してるぞ。こんなのVtuberならマネージャーに止められてるだろ。大丈夫か創造主。
「なろう小説ですら読者にやりすぎだと批判されるれべるなのじゃ。」
「お前が言うなよ。」
「誰かに言えって言われた気がするのじゃ。」
「てかメタいわ。」
「照れるのじゃ。」
「だから褒めてねえんだわ。」
というイチャイチャは置いといてだな。説明を続けよう。
「さっさと説明シーンを終わらせないと本編に進めないのじゃ。」
「だからイチイチメタいんだわ。今回そんなので行くの?お前。」
ということで説明を続けよう。成就した、と言われても何も世界情勢が変わった様子もない。で「アレ」が何でどこに消えたかもわからない。本人に解決させようにも国家反逆罪レベルの大犯罪者だし。ということでエル府の人たちは困った挙句にもう一回その召喚魔法をやらせてみたと。ん?える府って何かって?エルフの政府だからエル府。まあ使い続ける気はないけどね。単なる思い付きだ。
「一回やっちゃったら何回でも一緒だよねってか?。」
「まあそういうことなのじゃ。だが本当はよくないのじゃ。解決するためとはいえ決まりは決まりなのじゃ、おかげで罰は二倍なのじゃ。で主様は妾と一緒に旅に出るのじゃ。「アレ」を探しにな。それが妾の責任を果たすというか罰の一環でもあるのじゃ。主様は妾を奴隷として世界中引き釣り回す責任を果たして結婚するということになるのじゃ。」
「言いたいことは色々あるが、まあ、奴隷として男と一緒にいたら結婚など出来んわな。てかそれ女ならよかったんじゃねえの?」
「降嫁させるのも罰の一つなのじゃ。扱いに困った腫物の行き遅れも引き取られるしで、厄介ごとがいっぺんに片付くのじゃ。」
「だから自分でいうなよ。」
「先払いする結納金と妾の見受け金を相殺して王室財政の負担も減らそうという一隻で何艘も沈めるというアレな作戦でもあるのじゃ。」
「それ一石二鳥じゃねえの?」
「妾の世界じゃ違うのじゃ。とある英雄のそういう逸話なのじゃ。」
何その戦国時代に戦列艦もって転生しちゃしちゃいましたみたいな逸話は。
「閑話休題なのじゃ。」
「だからメタいんだよって。まあ、大体は理解したよ。で実際これからどうるればいいんだ?」
「とりあえず今日は遅いからあとは明日なのじゃ。」
というと入り口のほうをみてベルを鳴らす。
「じい!説明は終わったのじゃ。」
なるほどじいと呼ばれる人が扉の向こうにいたんだね。この説明の間ずっと控えてたのか、大変だな。
「召使とかお付きのものはそういうものなのじゃ。」
ああそうか王族だものな。
「承知いたしました。それでは皆様に伝えてまいります。姫様はどうされますか?」
「妾はここでこのまま主様と朝まで過ごすのじゃ。初夜なのじゃ、同衾なのじゃ。」
「承知いたしました。それでは明朝お迎えに上がります。」
あ、承知しちゃうんだね、そこ。
「当然なのじゃ、言って聞くような妾じゃないのじゃ。」
「だから自分でいうなよ。まあどうせ俺が言っても聞かないんだろ。」
「当然なのじゃ。」
「ルナは奴隷で俺は主人なのにか?こういう世界だと隷属魔法的なやつで契約したりして強制的に命令を聞かせられるとかあるんじゃないのか?」
というのが奴隷ハーレム物の定番だよね。
「召喚時に奴隷契約は刻まれてるのじゃ。それにあくまで奴隷契約は社会的契約じゃから雇用契約より厳しのじゃが尊厳まで奪うようなことは出来ないのじゃ。なので精神支配や物理的に行動を縛る契約は違法だし、そういう隷属を強いるような魔法も当然違法なのじゃ。」
「なんとうか思想は近代的なんだな。」
「当り前じゃ、エルフの国々は主様の世界でいう所の先進国なのじゃからな。だからよい主人に身請けされた奴隷は、ブラック企業に勤める社畜より幸せなのじゃ。」
てかあるのねブラック企業。
「なるほどね。そういうものか。」
「そういうものなのじゃ。」
俺には見える。エッヘン、という文字が頭の上に浮かんでる。ルナの事はおいといて、まあその辺の常識というかこの世界の事は少しづつ学んでいくとしよう。それも楽しみだ。風習や文化の違いを知るのも旅の醍醐味だしな。
「では、もう寝るのじゃ。」
のそのそと俺が座っていたベッドに潜り込んできた。まあ当然この部屋のベッドは一つしかないからそういうことだ。
「はいはい、じゃもう寝ますか。王女様。」
「妾はもう主様の奴隷で将来の妻なのじゃ。名前を呼び捨てで呼ぶことも許すのじゃ。」
「はいはい、分かったよ。ルナ。これで満足か?」
「満足なのじゃ。」
うむ満足そうだ。既に掛けシーツにくるまって寝るポジションに着いたルナは満面の笑顔だ。
「じゃ、ルナも俺を名前で呼んでいいぞ。」
当然ルナは俺の名前は既に知ってた。自己紹介なんてしてないのにね。ちなみに名前だけじゃない俺のほぼ全てを。プレイしたゲームやHDDの中身から何を検索してるのかまで全てをな。
「それは嫌なのじゃ。この世界は主様の世界では廃れた忌み名の文化があるのじゃ。魔法が存在すのじゃから当然言霊という概念も存在するのじゃ。」
「別に俺は構わないぞ?」
「妾が構うのじゃ。」
ん?どういうことだ?
「妾が主様を主様と呼ぶことで、主様に奴隷として隷属しているという喜びを感じるのじゃ!」
「性癖じゃねえか!言霊どこ行った!」
「言霊があるからこその快感なのじゃ!」
「認めやがった!快感って言いやがったこのエロフ!」
ツッコミを平然と受け流したルナは俺の腕を抱えるのように引き釣りこんで既に寝る態勢は万全だ。
だからこの流れは次回に続くタイミングだろう。
だが俺はもう叫ばない。たとえ、どM隷属性癖のエロフ属性が追加で判明されたとしてもな!