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探し出す

アストリットは父の国クライツラ王国がゾーム帝国を倒したと聞いて恐怖を感じた。いつか誰かがアストリットを探し王国に連れ戻されるかもしれない。アストリットは国王の能力を最近自分が引き継いだ事に気がついたのだ。


 見たことのなかった兄達の姿を新聞で見た。どちらも後継者の特徴が何一つ表れていーないと書いてあった。意味がわからなかったアストリットはその記事を読んで驚愕した。王の正統な後継者は王が持つ灰色の髪に薄いブルーの瞳をもっていると書かれていた。自分そのものだった。

 きっとロッシュはそれに気がつくだろう、そして敵国の後継者である私を殺すかもしれない。


 アストリットは覚悟した。ロッシュには超自然魔法を解除する程の魔力がある。アストリットは彼から逃げることはもう不可能だとわかっている。殺されるのは仕方がない。だけど彼のリルケはアストリットしか作れない。アストリットは急いでリルケを作り始めた。移動するたびに様々な木から樹液を集めていたのでそれを形にするだけだった。アストリットは寝る間も惜しんでリルケを作り続けた。


 地、水、風、火、雷、召喚の六系等のリルケと、ゴールド、シルバーを十五づつ創った。そして黒のリルケをーつ創った。この数は千年使える程の数だ。アストリットの能力は濃く高くなっていたのだ。クライツラ王国の正統な後継者として。


 本人は何一つ望んでいないことだったが、その能力のお陰でロッシュのために沢山のリルケが作れたことだけは感謝した。

 あとはこれをオープンで送ればいい。これさえ送ればいつ殺されても良いと思った。

 それからアストリットはそれを一気にロッシュに送って覚悟を決めた。


「ロッシュ様お届け物が届いております」執事は箱を持ってきた。ロッシュはそれが何なのかわかっていた。

 本当は届かない方が良いと思っていた。箱を開けると大量のリルケが輝いていた。全ての系統のリルケと、ゴールド、シルバー、あと真っ黒なリルケがあった。このリルケは破壊のリルケと呼ばれ幻のリルケだ。作れる人間はいないと聞いていた。


 ロッシュはそのリルケ握りしめて透明色のリルケのネックレスに追加してつけた。美しく輝くリルケを見てアストリットが何を考えているのかわかった。ロッシュがアストリットがクライツラ王国の正統な後継者だと気がつき自分を殺しにくるだろうと予測をして、その前にロッシュのために沢山のリルケを創ったのだ。自分が死んでもロッシュが困らないように。

 

 ロッシュはアストリットがあんなに、頑なにロッシュを拒否した理由がわかった。

 アストリットはロッシュの事を考えて頑なな態度を取っていたのだ。ロッシュはどうすればいいのか悩んでいた。

 リルケは今後必要に十分あるのでアストリットがいなくても大丈夫だ。


 でも、だからアストリットを殺すのか?ロッシュは答えが見つからない。しかし、きっとクライツラ王国は正統な後継者であるアストリットにいつか気がつくだろう。その時アストリットは連れ戻される。アストリットが死んでしまったらクライツラ王国も終わってしまうのだ。幸いな事にアストリットの存在はまだバレていない。フローエン帝国でアストリットの存在を知っている人間はロッシュだけだ。


 ロッシュは悩んだ。本来ならアストリットを殺すのがロッシュの仕事なのだ。誰かに見つかって殺されるなら自分が、アストリットが痛みを感じる事ないくらい瞬時に殺してあげた方がいい。


 ロッシュはアストリットを殺す事にした。

 

 ロッシュは捜索魔法が弾かれる事を覚悟して一応発動してみた。しかし予想と違い一発でアストリットの居場所がわかった。なぜアストリットは超自然魔法を使わないのか。。ロッシュが来る事を覚悟しているのか。ロッシュは動揺している。


 アストリットは一体どんな人物なんだ?

 

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