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第二部 二回目の人生であなたは私を好きだといった。

「うーん、、」眩しい光を浴びてアストリットは目が覚めた。


 ここはどこだろう?天国なのかな?そう思ってゆっくりと体を起こした。「お嬢様おはようございます!!今日は八歳のお誕生日ですね!」メイドのハンナがアストリットに声をかけた。


「八歳?」アストリットは不思議に思った。アストリットは大人なのに八歳?。。アストリットはハンナに鏡を持ってきてもらった。幼いアストリットがいた。「なにこれ??」アストリットはなにが起こったのか分からなかった。確かテリウスに剣で切られて,ロッシュの腕の中で死んだはずだ。

 

 でも現実は、、アストリットは八歳の少女で生きている。ふと手を見つめた。両手に薬指に指輪があった。この指輪はロッシュがくれた指輪で、この指輪の意味は、、聞いていなかった事に気がついた。まさか??人生をやり直しているの????


 この指輪はそういう指輪??アストリットは指輪を外そうとしたが絶対に外せない。パニックになるアストリットにハンナは「お嬢様まだ目が覚めていないようですね!」と言って微笑んだ。

 

 兎に角落ち着いて考える事にした。人生やり直しになってしまったのだから。

 前の人生は悲しみと幸せが強烈にあった人生だった。ロッシュに愛された事は今でも思い出すと嬉しくてでも切なかった。だけど結局のところ悲しい一生だった。自分の境遇を受け入れ続けた人生だった。もしもう一回やり直せるなら全く違う戦う人生にしたい。アストリットはそう思った。


 受け入れるのではなく戦って自分の生きる意味を掴む人生を歩みたい。アストリットは前の人生と違う選択をしていこうと決めた。


 八歳か、、何かあったかな?そう考えていた時に大事な事を思い出した!今日は星降際だ!ロッシュを助ける日だった。そうアストリットの誕生日は母マリーの苦痛の日だったので祝う事はなかった。だからアストリットは星降際に行ったのだ。


 アストリットはハンナに星降際に行きたいと言って馬車で連れて行ってもらう事になった。アストリットは前世よりも少し早めに行った。愛するロッシュに会いたかった。会って何かするわけではないけど遠くから彼を見ていたかった。馬車を降り、ハンナにちょっと行ってくると伝えアストリットは走って丘を登った。


 アストリットはすぐにロッシュを見つけた。馬鹿みたいに涙が溢れてまだ幼いのもあって鼻水まで出てきた。

 ロッシュは一人寂しそうに丘に座って落ちてくる星を見ていた。「ロッシュ様、、」アストリットは呟いた。ロッシュが沼の方に移動していった。アストリットは慌てて涙を拭きついていった。ロッシュが沼に近づくとまるで沼が生きているように無数の手のようなものがロッシュを捕まえた。ロッシュは目を閉じた。


 アストリットは「ロッシュ様ダメよ!!!」と言ってロッシュの腕を掴んだ。ロッシュは「もういいんだ」と呟いて意識を失いつつあった。アストリットは必死になって叫んだ。


「ロッシュ様は優しい魔法使いだって私は知っています!私はそんなあなたを心から愛しています!だから闇に取り込まれないで!戦うの!心を渡さないで!!!」

 

 その瞬間ロッシュの胸の辺りが光った。闇がサッと消えロッシュは倒れていた。アストリットはロッシュを必死で引っ張って沼から遠ざけた。「ハアハア、、」アストリットは息が上がって座り込んだ。


 「おお、ここにおったか」魔法使いのお爺さんが現れた。ロッシュとアストリットを見て一瞬驚いた顔をし、倒れているロッシュを魔法で包みロッシュを抱き抱えた。そしてアストリットを見つめて言った。


 「君は転生者だね」アストリットは驚いた。「……はい」「ふむ、、、お嬢さんわしとはもう会えないが、お嬢さんの新しい人生が良いものになるよう祈っておるぞ」そう言ってお爺さんはアストリットの頬にキスをしてくれた。


「ありがとうございます。ロッシュ様をよろしくお願いします。」そう言ってアストリットは走って丘を降りていった。

 アストリットは嬉しかった。ロッシュを助ける事ができた。もうこれで会えなくてもいい。いや、会わないほうがいい。あんなに辛い思いはしたくない。ロッシュと関わらない人生を歩もう。彼は幸せになれる人だから。アストリットの為に何かを犠牲にして良い人ではない。これから苦労して立派な魔法使いになる人だ。陰から片想いする人生で良い。彼の犠牲を想って泣くこともないしきっとそれが幸せだ。

 

アストリットは別宅に帰り考えた。十一歳の時刺客が現れアストリットはマルクスの所に行く事になる。でもそうなるとまたロッシュに関わってしまう。マルクスも死んでしまう。

 アストリットは決めた。アイゼンシュミット家は剣士の家だ。剣術を学び刺客と戦おう。

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