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帳尻

作者: タマネギ

あの人のする仕事には

間違いが多い。

いつも訂正しないと

自分の仕事に入れない。


何度か注意したし、

これまで何度も

注意してきたと、

そう言う人もいる。


あの人は間違いが

多いけれども、

皆があまりしたがらない

仕事もしている。


つまり、差し引きで

帳尻があっているから、

長い間働けていると、

そんな風に思っている。


誰だって間違いは

あるのだし、

気がついて直せれば

それでいいでしょう。


ほとんどの朝、

心のどこかで思う。

ただ、この思い方は

これでいいのかと。


疑問を隣に座らせて

パソコンに向かう。

そのうち忘れていて、

隣には締切時間が座る。


そしてまた翌朝へと

暮らしが進んでゆく。

あの人のことを、

時々思い出しながら。


同じようなことは

たくさんあるのだろう。

私、失敗しないので。

それはたぶんドラマだ。


ふと自分の間違いとか

失敗のことを考える。

ゆっくり振り返ると、

記憶から転げ落ちてくる。


ああ、あったな、

ああ、あれもそうだ、

ああ、あれなんか

皆、知らないだけだ。


忘れていることもある。

気づけないこともある。

人のふり見て

我がふりを直せずに。


確かに人のことを

とやかく言えない。

ほんとに、かろうじて、

自分も帳尻を合わせている。


とはいえ、仕事は

すんなりと進めたい。

どうか間違えないで欲しい。

桁違いなんてあり得へん。

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