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朱夏しゅかという名のこの青年は、頭領の息子の補佐について長い。


「では我が君が赴いて何かあったら如何する?」


ふたりの補佐役の青年は、互いの主のうちどちらが里の外に遣いに行くかで言い争っているのである。


要はお互いに相手に押し付けあっているのだ。


「なにかあったら、と? それが起こらぬようにするのが貴方のつとめでしょうに」


苛立ちにまかせて軽く羽ばたいた翼から、抜け落ちた羽根がひらりと地に落ちる。


「は!その言葉、そっくりそのままそなたに返すが?」


長めの犬歯を剥き出しにして、朱夏も声を荒らげた。


睨み合うふたりを遠巻きに里人達が眺めている。こうなったら長いということを皆知っているが、それを止める事が出来るのはふたりの主以外にはない。


そしてその主である兄妹は、堂にこもったまま出てこない。


何をしているのかといえば、補佐ふたりが揉めている問題の決議の最中なのである。


つまりふたりの争いには何の意味も無いのだった。





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