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魔法の使い方教えます  作者: のろろん
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回復魔法の使い方 2-3

外に出ると、ちょうどホイザーの意識が回復したようだった。体が動いている。

サラリスもすぐそばにいたが、疲れていたのかプヨン達を一瞥したあとは、2人とも口をきかず近場の石に座ってじっとしているだけだった。ユコナのプヨンへの質問=取り調べもさすがに今すぐはなさそうだ。2人してぼけっと突っ立っていると、馬車から外れて逃げた一角獣を捕まえた御者が、息を整えながら戻ってくるのが見えた。

「す、すいません。遅くなりました」

御者は一生懸命さがしまわっていたのだろう。一角獣を連れてきて、馬車につなぎとめていた。一角獣も、特に抵抗もせず、元の場所に止められていた。


「ホイザー、大丈夫なのかい?」

「あ?あぁ、いく・・・プヨン、ありがとよ」

準備が整った。ホイザーに出発しようと声をかけたつもりだったが、ホイザーはやられたことに気をやんでいるのか、ちょっと落ち込んでいるようだ。

「よし、みんな、馬車に乗ってくれ。ハリーのところまで戻ろう」

ホイザーの掛け声で、みんなゆっくりと馬車に乗り込み元の場所に戻って座った。レアは寝かされたままだった。座る場所がちょっと足りないのもあって、ホイザーも外に出て御者の横に座っていた。ホイザーも先ほどやられた怪我があるから、本来なら横に寝かせたほうがよかったかもしれないが、そのあたりは責任を感じたりで座ってのんびりする気にはならなかったのだろう。自己管理はできるはずで、誰も何も言わなかった。


馬車はゆっくりと走り出した。

ゴトゴトと揺れる馬車の心地よい振動でいつの間にか寝てしまっていたようだ。気づくと周りのみんなもうとうとしている。

話し声がして、ガラガラという馬車の振動も2つ聞こえた。後ろを見ると、どうやらハリー達も合流しているようだ。窓からもう1台の荷馬車も見えていた。

すでに街道沿いに戻っているようだったが、少し進んで町に入る前の最後の休憩場所に使われる広場のようなところで馬車が停まり、休憩した。

「おう、プヨン、起きてきたのか」

ハリーに声を掛けられ、寝ぼけ眼で適当に相槌を打っていると、ハリーがざっくりと状況を説明してくれた。結局、ハリー達は時間稼ぎをされていたようで、進もうとすると絡んできて、向かっていって倒そうとすると、距離を取りつつ遠くから牽制されたり、地味にいやがらせを受けていたらしい。そして、しばらくつかず離れずで煮え切らない攻防があったあと、相手はどこかに行ってしまったとのことだった。相手を取り逃がしはしたが、幸いなのか、こちらも大した被害はでていないようで、イーゴスに引っかかれるなどで切り傷を何か所か負った程度だった。

(うまく分断されちゃったんだな。でも、さっきの魔法の威力からすると無事でよかったのかもしれない)

プヨンは、そう考えていた。


休憩をはさんで再び移動し、やがて町へ着いた。ホイザーやハリー達も相当疲れているとは思われたが、そこはそれなりにこの仕事で生きてきたからなのか、するべきことを理解している。流れ作業のようにこなしていた。一方で、プヨン達は、こうした緊張感のある移動経験も少なく、体力的にも精神的にもずいぶん疲れていた。道中も半分寝ていたような感じだった。


ホイザーが、馬車をつなぎ止めた後、

「プヨン達、今回はありがとうよ。もっと気楽な依頼のつもりだったんだがこんなことになるとはな。だが、みんな無事で帰ってこれてよかったよ。助かった」

と、労いの言葉をかけてくれた。ホイザーは、自分がとりまとめ役であることから、ハリー達には町の守備隊に襲撃の報告をさせるよう指示したとのことだった。ハリー達とは馬車が違ったこともあり、挨拶をする機会はなかった。すぐに守備隊に報告するために行ってしまったようだ。すでに姿は見えなかった。

「ちょっといろいろやることがあるんでな。報酬などは、後日、受付にきてくれ」

ホイザーも言うべき事を一通り言うと、レスルに関する事務をしていた。レアの容体の件があるので、この町で待機している次の町へ護衛に引き継ぎ、早急に治療も兼ねて連れていく必要があった。


「プヨン、ユコナ、サラリス。今回は、いろいろとありがとう。無事つけたのは君たちのおかげだよ」

メサルには礼を言われた。一度、かなり危険な状態になったレアを回復させたことについては、メサルはまだ目の前に起こったことが信じられない気持ちと、しかし現実に起こったことの間で、複雑な心境のようだった。結果的にうまくいったとはいえ、プヨンが行った心臓の細動除去は、メサルには理解できていないようだった。


「なんか、疲れたね」

「明日、また、レスルにいかないとな」

「うん」

プヨンやユコナ達は、疲れのせいか口数も少なかったが、無事一仕事終えた達成感はあった。いろいろあったが、怪我もなく無事にそれぞれの帰路につくことができた。


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