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魔法の使い方教えます  作者: のろろん
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護衛の仕方

1日おいて、2日後、昼前にサラリスが血相を変えてやってきた。ユコナも後ろにいる。が、なぜか、泣き顔のようだ。プヨンは驚き、

「な、なにごと?」

サラリスに聞くと、サラリスは、ぷりぷりしながら、

「ユコナをもてあそんだって、ほんとなの?」

「は?」

こいつらはいったい何を言っているんだろう。そんな顔をしていると、

「ユコナ、あんた、プヨンにおもちゃにされたって言ってたでしょ。言ってやりなさいよ」

ユコナの方を振り返って、うながした。それを受けて、ユコナが、

「プヨン、お願いがあるのです。わたしを、もう一度だけ、おもちゃにしてください」

「・・・・」

サラリスとプヨンは、完全に固まってしまった。ユコナお得意のフリーズ魔法だ。

ユコナは、目をうるうるさせながら、お願いしているつもりのようだ。しばらく3人とも動かなかったが、サラリスが最初に動けるようになったようだ。

「ユコナ・・・・、あんた、何言ってるのかわかってるの?」

「もちろんよ、サラ。プヨン、わたしの体を前のようにもてあそんでください・・・・」

また、サラは固まってしまった。そこで、プヨンはようやく意識が戻り、

「ユコナは何を言っているんだ?もてあそんだ記憶などないけど・・・」

サラリスに相当遅れ、同じ質問をしていた。ユコナは、顔を赤くしながらも、

「あ、あの。私のほっぺを・・・・・」

「ほっぺ?」

「わ、私、あれからあのときのことが忘れられなくて・・・・何度も思い出そうとしてるんです」

「忘れられない?」

「わ、忘れられないってなんのことよ」

そういうと、ユコナはまた涙目になって、

「何度も何度もやりなおしたんです。でも、一度もできなくて。あの雷魔法ができないんです」

「え?それって、あのほっぺ?」

「・・・・そ、そうです」

泣いたかと思ったら、また、顔を赤くして、ユコナは忙しそうだが、

「はぁ・・・・・」

プヨンは、ようやくユコナの目的がわかった。ほっと一息ついたが、勘違いして飛び込んできたサラリスに翻弄されたのもあって、まだ意味が理解できないサラリスのほうを向いて、

「教えてやろう、これが、もてあそぶということだ・・・」

プヨンは、サラリスのほっぺをつかんで、上下にむにむにしてやった。

「な、なにを・・・・・」

ほっぺをむにむにされ、赤くなったほっぺをさすりながら、サラリスは文句を言ってきたが、プヨンは、それを無視した。

「ユコナ、ここじゃちょっと無理だから、外にいこうか?」

「は、はい」


2人と、一応ついてくるおまけサラリスは、庭に移動した。まわりに何もないところで、準備ができた。

「じゃぁ、やろうか・・・・むにむに・・」

ビシィィィ

大きくはないが、電流が流れるのを感じた。もはや小型と言えない雷を落とされたようだ。身構えてなければ、けっこうなダメージを受けてしまいそうだった。

なんとなく前回のことを思い出して、自分に落とすだろうと身構えていたからダメージはあまりなかったが、

「いってーーー、なんで、俺に落とすんだよ」

「や、やった。できました。できたー。なんで、できなかったんだろう」

「そうですか。・・・おめでと。ご期待に添えて、うれしいです」

プヨンは嫌味を含めて言いはなった。サラリスは、認識されていない人になっていた。

しかし、ユコナは、むにむになしで電気魔法をしようとしてもうまくいかないようで、何度もむにむにしては雷を落とし、なしでやろうとするとうまくいかず、それを繰り返していた。

「お、お願いします。もう一回だけ、もう一回だけしてください」

「ま、またかよ」

さすがに、何度も雷撃を食らうのうんざりしてきて、

「じゃぁ、これで最後だよ・・・・むにむに」

というと同時に、ちょっとジャンプしてやった。

バシィィィ

「ひゃ、ひゃあーーー」

ユコナは突然叫んで、地面に膝をついてしまった。

プヨンがジャンプしたため、地面に立っておらず、ユコナが落とした雷は、むにむにしたほっぺを撮んでいるところからプヨンからユコナを通じて地面に流れ、ユコナは予測していなかった雷撃を受けていた。プヨンを通してだから、かなり威力は弱まったが、感電してしびれてしまったようだ。

「ふっふっふ。油断するからだ」

「・・・ひ、ひどい」

「ひどくはないよ。ユコナだって、ずっと俺に雷落とすんだから」


そのあと、ユコナはそのあともなんとかむにむになしで雷を落とそうとしていたが、結局できず、表情はしずんだままだった。ふと気が付くと、サラリスも暇だったのか、どこかに行ってしまったようだ。

「プヨンが私を道連れにしたから、調子が狂ったのです」

あまりにできないからか、ユコナがとうとう八つ当たりをはじめた。

「そんなこと言ったってなぁ。・・・・どうしろと」

「お詫びしてください」

「ごめーーんちゃい」

「なっ。ゆるしません。お詫びしてください」

「ごめーーんね」

何度かそんなやり取りをしていたが、プヨンはあることに気づいた。

「なぁ、ユコナ、何かしてほしいお詫びがあるんだろ?」

そう聞いた。ユコナはようやくですかとばかりに、目を輝かせて、

「お・・・・温泉。私も温泉に連れて行ってください」

「・・・。はぁ・・・・。サラリスに聞いたんだろ?」

サラリスが自慢でもしたのだろう。しかも、レスルの仕事ついでだから、無料でいけるんだなどと。

「俺は構わないけど、温泉に行きたいの?でも、あれは、一応、レスルの依頼だからなぁ。俺は別に構わないけど、俺が決めるわけじゃないよ。しかも、レスルの幹部系を通した依頼らしいから、おいそれとはオーケーがでないんでないのかな?まぁ、だめもとで聞いてみたらいいとは思うけど」

「そ、そうですよね。サラにもダメだろうと言われました・・・。でも、一度お願いしてきます」

そんなことを話していると、そのあたりを一回りしたサラリスが戻ってきた。

「ねー、まだやってるの?そろそろ帰ろうよ」

「サラ、内緒でいこうとか許しませんよ。今からレスルにいくわ。温泉が待ってるわ」

「え、え、え??。」

サラリスは、ユコナに引きずられるように連れていかれた。

「ま、待ってよ。待って・・・」

「サラリス・・・、フロリダ・・・」

プヨンは、まぁ、無理だろうなと思いながらも、2人を見送った。


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