勇者一行、そしてステータス
どうしてこうなった。
それが今の俺の心境である。
なぜか俺の家の屋敷に召喚された勇者一行が来ているのだ。
しかも召喚されたのは俺の学校のクラスメイト。
まずどうしてこうなったかを説明しようと思う。
晩御飯を作るために王都に出かけると、やけに騒がしいと思い騒ぎの原因の近くに行ったんだよ。
そしたらなんとその騒ぎの主が勇者様でその勇者が俺のクラスメイトでもあったわけよ。
誰が勇者かって?そりゃ、テンプレよろしくイケメンで文武両道人望激熱のクラスのリーダー、"龍堂 和希"だよ。
俺はまずいと思ってすぐに逃げようとしたのだが後ろを向いた先になぜかクラスのマドンナ的な存在である"工藤 香織"がいたわけ。その工藤さんはなぜか俺をいち早く見つけ、俺を路地裏に拉致したのである。
逃げようとしたのだがなぜか拘束をほどけず、そのまま連行されてしまった。
てかなんで後ろにいるんだよ!
彼女曰く、いなくなって心配した、なんでこの世界にいるの?、ちゃんとご飯食べてる?など....。
工藤さんは黒髪を腰のあたりまで伸ばして、いかにも清楚です感が出てるからこういうこと言われると勘違いしちゃうよ?
とまぁ、そんな感じで話してたら勇者一行も合流。
そこになぜかドーラが参戦で三つ巴よ。
ドーラを見た勇者はメンバーに入れようとするし、俺が主だと知ると露骨に睨んできて小声で「奴隷まで使っているのか...クズめ...」とか聞こえるし。
路地裏で話すのもなんだし俺の家に招待したわけよ。
俺の家を見て勇者一行は口を開けたまま固まるし、一部の女子は色目使ってくるし...。
でもフェルニたちが出てきたら本能でヤバいと感じたのかおとなしくなったけどな。
あれ?この状況作ったのは俺....俺が悪くね?
うっそ~ん....。
「それで、ハルト君。どうして君はこの世界にいるのかな?私がどれだけ心配したかわかってるのかな?かな?」
怖いですよ香織さん。
ハイライトどこ行っちゃったんですか~。
「いや、まぁ、うん。それには深いわけがありましてでね」
「それを説明してほしいのだけど。なんで説明してくれないのかな?」
「えーっと、言っても信じてくれないといいますか何と言いますか」
「信じてくれない?私が?ハルト君のことを?」
「ヒェッ....そ、そんなことより、どうして勇者一行が王都にいたんだ?」
思わず話題をそらしてしまったじゃないか!
でも仕方ないよね。怖すぎるんだもん。
「あー、それは私が説明するわ」
彼女は"一ノ瀬 雪乃"。
勇者である和希の幼馴染で、暴走しがちな和希のストッパーでもある。
「私たちがこの世界にいるのは――」
ふむふむなるほど。
要約すると、昼休み→自分たち以外の時間が止まる→魔法陣出現→気づいたら王宮にいた、ということらしい。
謎い。次元の割れ目に飛び込んだ俺が言うのもなんだけど、かなり謎い。
「な~るほどねぇ....」
『主よ、腹が減ったのだが』
『妾も腹が減ったのじゃぁ!』
「ご主人様、料理の支度は手伝いますよ」
「お前ら...はぁ。まぁ飯にするか。勇者一行も食ってくか?」
「食べる!」
と、真っ先に工藤さん。
「んじゃ、俺も!」
と、"坂上 甚太"。
こいつは、まぁ、脳筋だ。
アレンと仲良くなりそうなやつだな。
「俺も!」
「私も!」
とクラスの奴ら。
ったく。仕方ねぇなぁ。
「うっし。じゃあお前ら待っとけよ。今日は生姜焼きだからな」
生姜焼き、たれですか?自家製ですよ。
「ま、待てよお前ら!こんな目つきが完全にヤバい奴の料理を食うのか?!」
お~い、目つき関係ないだろぉ。
おいリディア。ここぞとばかりに愛用の大剣を出すんじゃない。
「それに!この美人な人をご主人様と呼ばせたり....!くそっ!非人道的だ!」
あ~、ドーラね。
俺もご主人様って呼ばなくていいって言ってるんだが、頑なにやめようとしないんだよね。
こらこらドーラ、自身の一部を尖らせて突き立てようとするんじゃない。
「まぁ食うか食わないかは各々の判断に任せる」
さて、今日の晩餐は生姜焼きだ。
オークの肉を薄くスライスして軽く火を通す。
そしてニンニクを入れ香りを出す。
ニンニクがきつね色になったら取り出し、たれを加えていく。
そこに切った玉ねぎなどを入れて....完成だ。
ん~!いい匂い!
てか料理してるときに思うのもなんだけど俺って性格変わったよなぁ。
大切な人や物に手を出されたら容赦なく相手を殺せると思うよ。うん。
異世界来て魔法や魔術ばっか使ってるせいかなぁ。
「できたぞ、全員座れ」
「うん...ってこれお米!?」
「工藤さん、米に目をつけるとはなかなかやりおるなぁ」
「えへへっ...って工藤さんじゃなくて香織って呼んでよ!」
うん。日本にいた時から変わんないねぇ。
「...ん、ハルト。おいしそう。食べていい?」
「ああ、いいぞ。んじゃ、いただきます」
まず肉を口に入れる。
噛むたびにたれが染み出てきてうまいなぁ....。
でも少したれが濃いかな?これは要調整っと。
続いて肉を食った後に米を食う。
んん!!うまい!やっぱ生姜焼きには米だよなぁ。
「おいしい...ハルト君って料理もできるんだ...」
「うめぇなこれ!ハルトさすがだわ!目つきわりぃけど!」
坂上、お前死にたいのか?殺されるぞ、リディアとかドーラに。
「お、おいしいわ...私よりも...」
そっか、一ノ瀬さん料理得意だったんだったね。
でも家が武家だったらしいからそっちに目が行って忘れてたわ。
「なぁ、お前らのクラスって何なんだ?ほら、魔法使いとか暗殺者とかさ」
「私は治療師だったよ!」
「私は剣士ね」
「俺は格闘家だな!」
「俺は当然勇者だ!」
上から順に、工藤さん、一ノ瀬さん、坂上、和希だ。
「へぇ...結構いいクラスだな」
「ハルト君はなんのクラスなの?」
「俺はまだわかんないんだよ。ほら、鑑定石がまだ届いてないから」
「...ん、ハルト。そういうと思って持ってきた」
「持ってきたって...わざわざルシアーノ王国まで行ってきたのか?」
「...ん。ほめて」
「おー、偉いぞ、ありがとな」
リディアの頭を軽くなでると、彼女は「んんぅ」と声を出す。
え?これ頭なでてるだけですよね?性感帯が頭に...!?
まぁ冗談はさておき、これで俺のステータスが測れるわけか。
期待もあるけど不安もあるな。
「この石の上に手を置いて、測定と念じるだけ」
「そうか、ありがとな。リディア。」
「ん」
早速手をのせて測定と念じる。
結果は――。
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名前 ハルト 16歳 ヒューマン
クラス 召喚士 錬成師 魔術師
Lv.109
筋力 1009
魔力 480250
防御 908
速力 3089
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★スキル
体術 Lv.6
魔力直接操作 Lv.MAX(10)
魔力回復(特大) Lv.MAX
魔法付与
スキル付与
錬成[+融合][+分離][+モデリング][+鉱物鑑定][+魔法付与]
威圧 Lv.7
気配遮断 Lv.7
魔力遮断 Lv.MAX(10)
縮地 Lv.3
言語理解
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★習得済み魔法
召喚魔法 Lv.MAX(10)
錬成魔法 Lv8
火魔法 Lv.3
風魔法 Lv.3
空間魔法 Lv.8(Lv.10で派生魔法発生[次元魔法])
回復魔法 Lv.6
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★従魔
フェルニ(フェンリル) Lv.330
ヴェル(不死鳥) Lv.290
ドーラ(アイトワラス) Lv.789
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★習得済み魔術
火魔術 Lv.MAX(10)
水魔術 Lv.MAX(10)
風魔術 Lv.MAX(10)
土魔術 Lv.MAX(10)
光魔術 Lv.MAX(10)
雷魔術 Lv.59(限界突破[上限Lv.100])
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★加護
神獣の加護×3
吸血鬼王の加護
リディアの愛情
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★称号
【雷帝】【転移者】【神獣を従えし者】【人神】
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「うわぁ...きも」
そう発したのは俺だ。そう、俺だ。
自分のステータスながらなかなかキモイ。
てかリディアの愛情って加護だったのか?
「そ、そんな...勇者である俺よりステータスが圧倒的に高いなんて....」
「ハルト君...本当に人間なのかな....」
「称号に【人神】ってあるからもう人間じゃないわよ。しっかりしなさい香織」
「雪乃ちゃん...」
「いつそんな加護とったんだよ俺....」
【人神】とか言う称号は本当に謎。怖い。
てかこれって明らかにチートだよなぁ...。
よし、俺もし次元を渡れるようになったら両親のところに行って土下座するんだ。ついでに婚約者ができましたって言うんだ。日本万歳。
静かに日本帰還を目指すハルト。果たしてそれは叶うのか...!?その結果がわかるのはそう遠くない未来...なはず。
参考として勇者一行主要メンバーのステータス乗せときます。
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名前 カズキ 16歳 ヒューマン
クラス 勇者
Lv.58
筋力 978
魔力 670
防御 990
速力 1080
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★スキル
体術 Lv.4
剣術 Lv.6
魔力直接操作 Lv.5
魔力回復(小) Lv.7
英雄覇気[攻撃力+300]
言語理解
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★習得済み魔法
光魔法 Lv.6
神聖魔法 Lv.6
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★従魔
無し
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★習得済み魔術
無し
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★加護
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★称号
【勇者】【転移者】【救いし者】
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名前 カオリ 16歳 ヒューマン
クラス 治療師
Lv.37
筋力 280
魔力 3098
防御 240
速力 219
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★スキル
魔力直接操作 Lv.6
魔力回復(中) Lv.5
天使の救い[神聖魔法、回復魔法使用時必要魔力70%カット。効果の増大]
言語理解
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★習得済み魔法
光魔法 Lv.6
神聖魔法 Lv.9
回復魔法 Lv.11(クラス補正[上限Lv.50])
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★従魔
無し
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★習得済み魔術
無し
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★加護
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★称号
【転移者】【大天使】
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名前 ジンタ 16歳 ヒューマン
クラス 格闘家
Lv.56
筋力 986
魔力 409
防御 1002
速力 798
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★スキル
格闘術 Lv.16(クラス補正[上限Lv.50])
体術 Lv.8
魔力直接操作 Lv.1
ド根性[全ステータス+100]
言語理解
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★習得済み魔法
火魔法 Lv.2
身体強化魔法 Lv.8
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★従魔
無し
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★習得済み魔術
無し
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★加護
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★称号
【脳筋】【転移者】【いい奴】【強き者】
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名前 ユキノ 16歳 ヒューマン
クラス 剣士
Lv.49
筋力 706
魔力 712
防御 697
速力 1190
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★スキル
剣術 Lv.20(クラス補正[上限Lv.50])
体術 Lv.8
魔力直接操作 Lv.4
騎士道[1対1の時のみ全ステータス+350]
言語理解
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★習得済み魔法
風魔法 Lv.5
土魔法 Lv.7
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★従魔
無し
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★習得済み魔術
無し
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★加護
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★称号
【転移者】【戦乙女】【美しき剣士】
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こんな感じですかね?
キャラ設定の紹介は後程。
ただ一つ言えることは、一ノ瀬家は武家の出身で、一ノ瀬流という流派がある、ということだけですね。
気づいてるかもしれませんが香織はヒロインの一人です。
今のヒロインはリディア、フェルニ、ドーラ、香織ですね。
フェルニはオオカミだって?まぁ、それは後の展開に期待してください。
強化魔法は土魔法ということにしました。
今後の強化系は土属性です。




