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僕の好きな人は殺人犯  作者: 大木戸 いずみ
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今日も僕はいつものように学校へ向かう。

バス停にあるぼろぼろの錆びたベンチに腰を下ろす。

そういえば、再会した場所がここなんだよな。

セミの泣き声とギラギラと照る太陽が僕に夏を感じさせる。

汗でシャツが肌にくっつく。

このまま溶けて遠くに生きたい。

バスが来る音が耳に響く。ああ、今から相沢のいない学校に行くのか。

僕は憂鬱な気分になりながら蒸し暑いバスに乗った。


相沢が僕に残したのはあのブレスレットだけだったんだろうか。

ふとそんな事を考えてしまった。

自惚れているわけではない。ただ、相沢が僕にブレスレットだけ渡すなんて考えられない。

僕は何か見落としているのか?

ブレスレットに書かれていたあの英文に何か隠されているのか?

僕は駆け足で職員室に向かった。相沢の家族構成を聞きださなければ。

彫深ローマ人が簡単に教えてくれるとは思っていない。

それでも僕は相沢の事を知りたい。

「先生。」

僕は職員室の扉を開けて、そう言った。

普通なら名前を呼ばないと分かってもらえないのだが、この学校の教員は十人もいないぐらいだ。

目があえばすぐに誰に用事なのか分かる。

僕の声に反応して彫深ローマ人がだるそうに歩いてくる。

「お~どうしたんだ?」

「ちょっといいですか?」

「あ、プライベート系?」

僕は小さく頷いた。

彫深ローマ人は頭を掻きながら、ついてこい、と呟いて歩き出した。

またあの誰も使っていない会議室に行くのか?

僕は黙って彫深ローマ人の後ろを歩く。

今日は柑橘系の香りはしないな。

彫深ローマ人が前に使った会議室を通り過ぎた。

どこに行くんだ。

もしかして僕は彫深ローマ人と吉野さんの秘密を知ってしまったから暗殺されるのか。

っていう馬鹿な妄想をしながら歩き続けた。

会議室を通り過ぎたその先は旧校舎しかない。


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