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僕の好きな人は殺人犯  作者: 大木戸 いずみ
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今日も相沢は学校に来なかった。

僕の勘だが、彼女はもう学校に来ないと思う。

「本条~、後で職員室に来い。」

僕は彫深ローマ人に呼び出された。

これは予想外の出来事だ。

課題もちゃんと提出しているし、警察に補導されたわけでもない。

呼び出し理由として考えられるのは、吉野さんが僕が二人の関係をしった事を彫深ローマ人に話した事ぐらいだ。

けど、吉野さんがわざわざ彫深ローマ人を困らせる事を言うとは思えない。

吉野さんと目が合った。

驚きながら僕を見ている。吉野さんが驚いているって事はやっぱり彫深ローマ人に言っていないか。

じゃあ、僕は何で呼び出されたんだ?

理解できないまま職員室へ向かった。

職員室の前ですでに彫深ローマ人が待っていた。

イケメンだと知ってしまった以上いつもと違う目で彫深ローマ人の事を見てしまう。

…これまた誤解を招く言い方になってしまった。

勿論、恋愛感情で見ているという意味ではない。

「お~、来たか。」

覇気のない緩い声でそう言いながら彫深ローマ人は歩き始めた。

これはついて来いって意味か?

僕は後ろから彫深ローマ人について行った。

微かに背中から香水の匂いがした。

…この柑橘系の香り、吉野さん?

背中から香るって事は吉野さんが後ろから抱きついたとか?

自分で考えたくせに想像したら恥ずかしくなった。

余計な事は考えないでおこう。

僕は誰も使っていない会議室に連れてこられた。

座れ、と言われたので僕は素直に椅子に腰を下ろした。

これから何が始まるんだ。

「単刀直入に聞くが、本条と相沢はどういう関係なんだ?」

想像していなかった突然の質問に驚いて思わず屁をこいてしまった。

音はしなかったから黙っておこう。

肉類を食べていないから強烈な異臭はしないはずだ。

それにしても単刀直入に聞きすぎだろ。

生徒の関係に先生は口出すもんなのか。

僕は訝しげに彫深ローマ人を見た。

「昨日相沢に会ったんだよ、それで」

「は!?」

彫深ローマ人の話を止めて僕は叫んだ。

相沢に会った?

目の前のローマ人は今そう言ったよな?

「お前は会わなかったのか?」

今度は彫深ローマ人が驚いた。

なんで僕が相沢と会った事になっているんだ。

僕の脳みそはキャパオーバー状態だ。

一体どういう事だ。

「昨日お前んちの住所聞かれたんだよ。」

そういう事か。

僕はようやく理解できた。

だから相沢は僕の家が分かったのか。

「個人情報だから教えられないって言ったんだけど、相沢が私と本条渡は特別な関係なので大丈夫です、明日本条渡に聞いてみたら分かるはずですって言われたんだよ。それに頭下げて頼んでくるもんだから教えたんだよ。」

いや、それでも教えたらダメだろ。

特別な関係ってどんな関係だよ。僕が知りたい。

「相沢は元気そうでしたか?」

僕がそう言うと、彫深ローマ人は頭を少し掻いた。

「まぁ、なんか痩せたような気がしたけど、いつもと変わんなかったかな。」

痩せた?

あの大食いの相沢が?

相沢、一体今何をしているんだ。

「それだけだ。」

そう言って彫深ローマ人が立った。

その時にまた微かに柑橘系の匂いがした。




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