21-1.ワン・ショット・キル
前回のあらすじ!
私だ! シオンだ!
前回は情けないところを見せちまったね。
ま、これが最後だ。一つ勘弁してくれ。
さぁ、張り切って行くよ!
最終話(第21話) ワン・ショット・キル
コーマ達にとっては新手が現れたとはいえ、自分達を存分に蹴散らしてくれたシオンは傷つき、武器も失っている。これは千載一遇のチャンス!
逆を言えば、シオンとジョー、圧倒的なピンチである!
一度はシオンのあまりの強さに気圧されたコーマ達であるが俄かに勢いづき、再び彼等へと向かっていくのだった!
「ジョー。銃をよこしな!」
「わかった!」
叫ぶシオンにジョーが手に持ったマグナム状のコーマ・アームを投げる! クルクルと回転しながらそれはシオンへ胸元へと飛んでいった。
「レッスンだ! ジョー!」
シオンは右手でその銃を掴みとるや、
ズドォン!!
シュート!! 光弾の先には迫ってきていたコウモリ型の小型コーマ! ブルズアイ!! その胴体には見事風穴!
「銃の奥義ってのは『狙って撃つ』。それだけさ!」
ズドォン! ズドォン!!
右! その反動で左に流れた銃口でもう一発! それはサル型と犬型のコーマの額ど真ん中を撃ち貫く! グッド・ゴッド!! なんたる早業! 彼女が口にしたように狙っているとは到底思えないスピード! だが、その精度たるや神懸り的!!
「そいつをいかに早くするか。重要なのはそこだよ!」
シオンは口端を歪めて笑う! 傷のついた頬から血がしたたる。それだけではない。動くたびに血が地面へと染み込んでいくほどの怪我を負った彼女は立っているだけでも辛いはずだ。それなのに、その表情には苦悶を一切現していなかった。
ジョーは目を丸くし、開いた口が塞がらないといった様子だ。
「す、すげぇ」
「まだまだ、驚くのは早い!」
ズドォン!
「グモォ!?」
地面に一発! シオンの足元からモグラ型コーマの『モール・モール』が飛び出す!
ズドォン! ズドォン!!
さらに二発の追撃! モール・モールから目の輝きが失われ機能を停止!
「地中から!?」
「気を張りな! 神経を周囲に巡らせ! 武器の状態を常に把握しろ!」
「キキィ!」
木の上からサル型コーマ! シオンはマグナムの砲身を持ち、思い切り振りかぶって銃床でサル型の頭を叩き割った! 振り乱れる美しい銀の長髪! そして、舞う血しぶき!! あぁ、敵の攻撃は当たらずとも、激しい動きだけで、彼女の体は刻一刻と限界へと向かっている!
「マグナム状のコーマ・アームは特徴として何発か打つ度にクールダウンが必要になる。こいつの場合は6発! クールタイムは5秒! 覚えておきな!」
シオンはそういうや、鋭くマグナムをジョーへと投げる!
「さぁ、やってみな!」
「いきなりかよ!」
ジョーはマグナムを受け取る! そして、自分の元へと走り寄る犬型へと片手で狙いをつけた!
「狙って」
ズドォン!
「撃つ!」
「ギャウン!」
ダミット! その光弾はコーマの頭を少し削るに留まる! 大型と違って的が小さいので、狙いをつけるのが難しいのだ!
「かっこつけんな! 両手でやれ!」
「くそったれ!」
ズドォン!
二発目! 両手で構え直して撃たれたそれは見事命中!
「上出来! さぁ次々行くよ!」
シオンは高らかに吠えた。
*
ズドォン!
響く銃声!
「ジョー! 良い調子じゃないか!」
「は! なんせ鬼の魔女様に鍛えられてるからな!」
投げ渡されるマグナム! 受け取るシオン!
ズドォン!
「そりゃ誰のことだい!?」
「さぁね! こっちだ!」
「わかっているよ!」
ズドォン!
「俺達、中々いいコンビネーションだぜ! そうだろ!」
投げ渡されるマグナム! 受け取るジョー!
「ハン! 生意気だね。まぁまぁやるようになったってのは認めてやる!」
「これからもっと強くなれるさ! シオンとなら!」
ズドォン!
「世界を見て回ろう! シオン! 俺達二人で!」
「あぁ、それもいいかもね」
ズドォン!
「世の中に『シオンとジョー』のコンビの名を轟かせようぜ!」
「あぁ、それもいいかもね」
ズドォン!
「一緒にいたいんだ。シオンとずっと」
「あぁ、私もさ」
背中合わせで語る二人。ふいにシオンが振り向き、ジョーの背を突き飛ばした。
「愛してるぜ。馬鹿息子」
振り向くジョーの目前で、シオンの体が巨大な鉄腕に攫われた。
*
彼女の掴みとり、高らかに掲げる巨大な右腕。
その腕は、あぁ! その腕は!
ジョーが現れた時に倒したはずの、大型コーマ『ビッグ・ハンド』! そう、ジョーの攻撃ではビッグ・ハンドの機能を停止するまでに至らなかったのだ!
頭部に傷があるビッグ・ハンドの大きな手が、シオンを締め上げる! 彼女が自由なのは右腕のみ。最早抵抗の手段など……存在しない。
「ガハッ!」
吐血。ジョーが叫ぶ。
「シオォォォォン!!!」
「グルガオォォォ!!」
ビッグ・ハンドが勝利の雄たけびを上げた。
*




