表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生って……  作者: カーザ
第一章 転生前夜
1/32

第一話 100回目の転生って

生まれ変わりの回数が世界にとってなのか、主人公の経験した回数なのか判りにくかったので文章を追記しました。

ご指摘ありがとうございます。 2018.4.2

 眠い。


 意識に上ったのはその一言。

 体が泥の様に重い、というのはこういう事を指すんだろうなと思いつつ意識を手放そうとした。


「目が覚めましたか?」


 突然聞こえた声に反射的に目を開くと真っ白な床と壁が目に入る。

「病室?」

 自分の格好を見てそうじゃないことに気づく。スーツを着ているし、そもそも椅子に座っている。


「ここは?」

「面接室です」

 顔を上げると大きなテーブルの前に男が座っている。

「し、失礼しました」


 頭を下げたまま考えをめぐらす。

 面接ってなんだ?

 仕事辞めたんだっけ?


 記憶が混乱してよくわからない。

 そもそも何の仕事をしてたっけ?

 プログラマー……大工……鍛冶屋……錬金術師……戦士……船大工……狩人……あれ?


「よろしければ状況を説明しますよ」

「え? あ、お願いできますか。なんか記憶が混乱しちゃってて」

「判ります。お亡くなりになった直後は皆さんそうですよ」

「はい?」


 何言ってんだこいつ? もしかして変なとこに連れ込まれたのか? すぐに逃げ出すべきか、もう少し様子を見るか。そんなことを考えながら握りしめた拳にふと目をやると……。


「透けてる?」

「現在肉体が無い状態ですから」


 訳の分からないことをいう男を無視して掌を開くとテーブルが透けて見えた。

「説明しましょうか?」

 目の前にかざした掌の向こうでほほ笑む男に、黙ってうなずくしかなかった。






「つまり、僕は元の世界で死んでしまってこれから生まれ変わると?」

「はい」


「僕自身にとって100回目の生まれ変わりなので、いくつかのボーナスが貰えると?」

「はい」


「なるほど……」


 異世界転生キター!

 この人?が新しい世界の神様でいろいろレクチャーしてくれるんだろうな。

 それにしても、100回も転生を繰り返したのか。前回のことしか覚えてないぞ? まあ、100回分の記憶が残ってたら混乱するか。


 まずは自分の能力の完全把握と新世界の情報収集だったよな。

 あーいや、まずは相手の出方をみないと。落ち着け俺!


「で、どうすればいいのでしょう?」

「今回あなたに与えられるボーナスの一つとして、生まれ変わる世界を選ぶことができます」


 世界を選べる? それは想定外だな。しかし選ぶと言われても。

「選ぶと言われても……カタログでもあるんですか?」

「はい」

「あるんだ……」


 男が取り出したのは1台のタブレット。

「こういう形の方が判りやすいですよね」

「はあ」

「条件を言っていただくと、絞込検索ができます」

「へー、どんな条件があるんでしょうか?」

「そうですね。あなたの経歴と似たような方たちが選ぶのは。魔法のある世界・」

「それでお願いします」


「即答ですね」

 そりゃそうだよ、魔法あっての異世界転生でしょ。魔法無しなら元の世界で構わないよ。


「正確に言うと、生まれ変わった自分が魔法を使える世界でお願いします」

「ほほう。なかなか用心深いですね」

「エルフは魔法を使えるけど人間は使えない世界でした、とか後で言われても困りますから」

「ふんふん、他にありますか?」

 お、他の条件もいいんだ。じゃあ、あれだな他力本願できるやつ。


「同じく生まれ変わった自分がテイミングが出来る世界ですね」

「テイミングというと?」

「魔物とかドラゴンとかと従属契約を結べて意思疎通ができるってことです」

「なるほど、他にありますか?」


 まだいけるのか。男の問いかけにしばし考える。ここは慎重かつ大胆に交渉しないとね。

「質問なんですが」

「なんでしょう?」

「今の意識や前の世界の知識って新しい世界に持って行けるんですか?」

「それが今回のボーナスの基本部分です。そこを忘れてしまっては普通の転生と変わりませんから」

 なんかキーワードが出てきたぞ。


「普通の転生?」

「人は死ぬと転生します。これはこの宇宙の理です」

「一般的なことだと?」

「そうです。輪廻から外れるのはよほどの異常事態です」

「なるほど」

 つまり異世界?転生は日常ってことなのか。まあ100回目ってことだしね。


「ただし、その際に記憶は引き継がれません」

「それは何か理由が?」

「楽しめ……ゴホン。魂を鍛えることが転生の目的ですから、記憶が残っていると邪魔なんですよ。知識で対応してしまいますから」

 なんだか判った様なよく判らない説明だが、ここは納得しておこう。先に進めないし。


「今回は異なると?」

「ええ。これまでの転生で鍛えられた魂と前回の人生の記憶。今回のボーナス。全てを使って理想の人生を歩んでください」


「……、テストみたいなものですか?」

 男がにっこりと笑う。


「どう考えるかは自由です」


 あぶなー!

 これ羽目を外しすぎると絶対アウトな奴だろ! 自重せねば……。


お願い

・この展開は不自然

・これは理屈に合わない

・この設定は無茶

・誤字脱字

 等々ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。


 ご指摘いただいた点をすべて修正できるとは限りませんので

その点ご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ