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旅立ち

「朝か」


 あれから一週間ほど、少女は様々な魔法を広場で毎日のように試していたのだが、魔力はともかくとして体力が追いつかず、溜まった疲れのせいで昨日1日はベットの中で死んだように眠り続けていたのだった。


「流石に調子に乗りすぎた。まあ、一通りの魔法は問題なく扱えるってわかったからよかったけど。さて、魔法が一通り使えるってわかったなら屋敷に引きこもってる必要もないし。荷物をまとめて出かけるとしますか」


 身体が変わってから初めて魔法を使ったあの後、この後どうするかを考えた。このまま屋敷に居てもしょうがないないので出て行こうと考えたはいいのだが、戸籍も国籍も無いことに気がついたのだった。だが、そこは以前に知り合った非合法なことに長ける人に連絡を取ったらお金はかかったが、なんとかすることができた。もっとも、6歳の身分偽装という部分で変な風に思われたかもしれないが、向こうはプロであったのでスムーズにメールで済ますことができた。


柏木かしわぎ しずくか。悪くないな」


 それが少女の名前となるのであった。





 服を着替え、朝食を終え、荷物をまとめ、屋敷の戸締りをする。もっとも、屋敷には結界が張ってあるので、意図的に結界を切らない限り普通の人にはこの屋敷に入るどころか、見つけることさえできないのだが。


「この屋敷を出るのもひさしぶりだな。次帰ってくるのはいつになるのやら。よし、では行くとするか」


 結界を強化した後、効果範囲の外までキャリーバッグを引きずりながら歩く。そして、先ほど呼んでおいたタクシーに途中の少し開けた場所で乗り込み近くの駅へ向かう。身一つであれば空を飛んで行くことも可能だったが、荷物があるため、やめたのだった。

 タクシーを降りて、電車に乗り込み、何回か乗り換えて新幹線に乗りこむ。向かう先は大都会「東京」である。


「東京に行くのも久しぶりだな。最後に行ったのは10年ほど前か。さてさて、どう変わってるのか楽しみだな」


 そんな風に新たな場所への思いを馳せながら、新幹線の旅を楽しむのだった。





「うわ・・・・。相変わらず凄い人だな・・・・」


 少女は無事に東京駅までついたはいいのだが、ホームに降りて階段を下ったところであまりの人の多さに愕然とする。まあ、比較対象がど田舎なのだから当たり前といえば当たり前なのだが。


「ええと、まずは新幹線の改札を出るんだっけな。東海道線、京浜東北線、山手線、中央線、横須賀線・・・。いったいいくつ路線があるんだ。私が乗りたいのは丸ノ内線なんだけど。駅員さんに聞くか」


 新幹線の改札口近くの窓口で道を聞いて見る。少し並んだ後に、駅員のお姉さんが対応してくれた。


「すみません。ここから丸ノ内線に乗りたいんですが、どういけばいいんでしょうか?」


「丸ノ内線ね。ここから向こうの中央通路をまっすぐ行って、丸の内中央改札のところまでいってね。そこで改札を出た後まっすぐ行けば丸ノ内線があるから。わかった?」


「わかりました。ありがとうございます」


「気をつけてね」




 その後少し迷いながらも丸ノ内線に乗ることができ、目的地までたどり着く。そして、例の非合法な知り合いに用意してもらったマンションにたどり着く。


「やっとついた。なんか前より東京の迷路感が増してる気がするんだけど気のせいかな」


 入り口にキーをかざして、中に入り、エレベーターで30階まで上がる。


「なんか予想していたよりも高級マンションなんだが。というか最上階なのか。セキュリティーがしっかりしてるのは嬉しいけど」


 エレベーターが到着し、指定された部屋に向かう。


「夜景が綺麗だな。というかめっちゃ高いなここ」


 周りはガラス張りで綺麗な夜景を一望することができた。そんな夜景に釘付けになったように見つめる少女。

 ちなみにこの最上階の部屋は例の知り合いが節税目的に買っていた部屋だったのだが、それなりに今まで少女が男だった時の付き合いで稼がせてもらっていたのでその礼も兼ねていた。


「よし。新しくここで生活してみますか!」


 夜景を前にそんな風に意気込むのであった。

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