サエリリ共和国
サエリリ共和国。中東にある国の一つ。石油がかなり採れる。そのため、それらを狙って西洋諸国がいちゃもんをつけて介入。結果内戦に突入し、グダグダに。今は休戦中のため少し落ち着いている。そんな物騒な国。
「まもなく当機は、サエリリ国際空港に着陸いたします。シートベルトの着用をお願いいたします」
そんな機内アナウンスが聞こえ、目を覚ます。成田空港を飛び立って、途中空港で飛行機を乗り越え、およそまる一日。体の節々が痛い。少しぼーっとしながらも、意識がはっきりとしてくる。寝ていて大丈夫かって?それは問題ない。簡易結界を私達の周囲に展開してあるから干渉することはほぼ不可能。食事の時間に食べ物を魔法でチェックしたり、トイレの際に付いて行ったりしていただけで、あとはシートに座って適当に時間を潰していた。
「理恵様。着きますよ」
あどけない顔で寝ている彼女の肩を揺さぶる。
「おはようございます、雫さん。もう着くんですか」
「はい。着きますよ」
「寝ていたのにあんまり疲れが取れませんね。身体も少し痛いです」
「私もです。早くホテルにチェックインしてしまいましょう」
「そうですね」
着陸時特有のふわっと浮き上がるのを感じながら、サエリリ国際空港に着陸する。
飛行機を出ると、むわっとした空気が肌を撫でる。暑い・・・。
入国手続きを経て、ホテルに向かいチェックインを済ませる。
その日は届いていた荷物の整理をして、食事とシャワーを済ませた後に私達はパジャマに着替え、すぐに寝てしまうことにした。そのまえに、結界を張っておく。
「少し待っていてください。今結界を張りますので」
「見ていてもいいですか」
「どうぞ」
荷物の中から魔石を取り出して魔力を注ぐ。魔力を注ぎ終わった魔石を部屋の四隅に配置する。
次に荷物の中から大きな紙とインクを取り出して、紙を部屋の中心の床にテープで貼り付ける。そして、インクで紙に魔法陣を書いていく。
「凄いですね。魔法書を読まずに魔法陣を書けるんですか」
「ええ、まあ」
「私では魔法書を見ながらでないと、こんな大規模な魔法陣は書けません。尊敬します」
彼女がキラキラした眼差しで見てくる。なんだか少し恥ずかしい。
魔法陣を書き終わった後、魔力を込めた魔石を1つ魔法陣の中心に置き、魔法陣に手をつく。
そして、魔法陣に魔力を注いでいく。
すると、魔法陣が光り始めるととともに、部屋の四隅においた魔石に一筋の光が伸びる。そして、徐々に部屋の床全体を覆い尽くすほどの大きな魔法陣が展開され、部屋が光に包まれる。少しすると、薄っすらと床に魔法陣の光を残すだけになった。
「終わりました。それでは寝ましょうか」
「凄いです!こんな大規模な魔法初めて見ました。さすがです、雫さん」
「あ・・ありがとうございます」
彼女は興奮気味だった。熱を帯びた視線が痛い。
「結界を見たことはないんですか?」
少し気になったので聞いてみる。
「もちろんあります。けれど、こんなに凄いものじゃありません。見たことがあるのは、雫さんが飛行機の中で使ってた簡易結界みたいなものだけです」
まあ、そうでしょうね。これ、大規模魔法がぶち当てたれても防げるレベルの結界ですし。おかげで結構魔力を使ってしまった。
「それが普通だと思いますよ」
「すごいです。師匠と呼ばせてください!」
キラキラした視線がこそばゆいんですが。
「師匠はやめてください。けれど、魔法を教えてあげることはできますよ」
「ありがとうございます、雫さん」
彼女はとても嬉しそうに笑っていた。まあ、私も人に教えるのは嫌いじゃないし。
そんなこんなで、少しの間魔法談義をしていたが、お互い疲れが溜まっていたためか、すぐに寝てしまった。




