護衛
学院での生活にも慣れ、私たち3人は思い思いに充実した毎日を送っていた。
そんな中での、これはある日の私の出来事。
いつものように彩花と健也と教室で話しながら授業が始まるのを待っていた朝のことだった。
突然、スピーカーからアナウンスが流れた。
「柏木雫さん、柏木雫さん。至急校長室まで来てください」
なぜか私が呼び出しを食らってるんだけど。
「お前何かやったのか?」
「何もやってないけど」
健也は私のことをなんだと思っているのか。
「なんだろうね?」
「とりあえず行ってみるよ」
彩花に心配されながらも、私は校長室に向かった。
-------------------------------
「初めまして。柏木さん。私は校長の霧雨 舞と申します」
校長室に入ると、40代ほどの女性が立っていた。朝礼などでみたことがあるので、顔は知っている。さて、この人が一体私に何の用なんだろう。
「初めまして。柏木雫です」
「まず、どうぞお座りください」
2人で机を挟んでソファーに座る。
「今日は柏木さんにお願いがあってお呼びさせていただきました」
「なんでしょうか?」
すると、校長から資料の束を渡される。
「まずは、そちらをお読みください」
渡された資料に目を通す。どうやら王族のお姫様が、サエリリ共和国に親善訪問するらしい。・・・何これ死にたいの?
まず、この日本は王室制を取っており国王が最高権力者となっている。そして、現国王の娘である美鈴理恵様。このお嬢様が今なお内戦が続いているサエリリ共和国に。なんでそんなところに行くんだろうか。
「これ、正気ですか?」
「残念ながら決定事項よ。そしてあなたには、王女様の護衛を頼みたいの」
えぇー・・・。嫌すぎる。これ下手したら死ぬわ。
「できればお断りさせていただきたいのですが」
「残念。あなたが護衛に就くことも既に決定事項よ」
何勝手に決めてるんでしょかね。この人は。
「一応聞いておきますが、何で私なんですか?」
「王女様があなたと同い年なこと。この中等部であなたが王女様と年が近い中では一番実力が上だからかしら」
「それは、・・・ありがとうございます」
褒められてることは嬉しいような気もするが。
「嫌そうね」
校長先生が聞いてくる。
「いやですよ。そりゃ」
「ごめんなさいね。あなたしか適任がいなかったの。でも、王族に恩を売れるし、報酬も期待しておいていいわよ」
王族への恩は正直どうでもいいが、報酬の方は結構魅力的だ。最近収入がなくなってしまったからな。
「わかりました。全力で王女様をお守りいたします」
「ありがとう!お願いね」
そんなこんなでお嬢様の護衛が、強制的に決まってしまった。ほんと、なんでだか。




