表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/36

襲撃

 学生達は順調に5日目までサバイバル生活を過ごしていた。狩りや採取をして食料を得たり、魔法の訓練を行ったり、他のグループと協力したりなど各々充実した生活を送って。最初は慣れないサバイバルに戸惑っていたが、お互いに教え合いながら成長していった。


 今は6日目早朝。皆が起き出す頃だ。


「うーん、今日もいい天気」


 伸びをすると気持ちがいい。朝日が木々の切れ間から差し込んでいる。


「おっす、雫」


 パジャマからジャージに着替えた後、ドームの入り口近くにある椅子に座ってのんびりしていると、幹也が中から出てきた。今日までいつも幹也は私の次に起きていた。


「おはよう。折角だし、少し走らない?」

「いいね。着替えてくるから少し待ってろ」


 幹也が着替え終わってから、2人で近くを走っていく。


「朝のランニングは気持ちがいいな」

「そうだね。私はあんまりいつも運動しないからたまにはいいかも」

「俺は家にいるときは結構ランニングとかしてるけどな」

「すごいね」

「そうでもないさ」


 2人で話しながら30分ほど周りを走った後、ドームに戻った。


「2人ともおかえりー」

「おかえりなさい、お二人さん。朝食ができてますよ」


 ドームの入り口で美晴と明美が迎えてくれた。いつもの朝食のスープができているようだ。


 ドームの中に入って、皆で食事を始める。

 4人で他愛のない会話を交わしたり、笑いあったり。ここに来てからのいつもの風景。


 それが一変するとは露も知らずに。




「きゃあああ」


 4人でのんびりとドームの中で過ごしていると、外から叫び声が聞こえてきた。



「何かあったみたいだね」

「どうする?」


 皆が私の指示を待っている。ここに来てから私がリーダーの役割を担うようになった。


「私と幹也で偵察に出る。明美はここの防衛、美晴を守ってあげて。美晴は待機。後の指示は念話でするかもしれないから、そしたら従って」

「わかったぜ。すぐに行こう」

「防御は任せて」

「女の子に守られるのはかっこわるいけど、わかったよ」


 私も幹也もジャージ姿になっていて、動きやすい格好だったので丁度いい。


「いくよ、幹也」

「おうよ、雫」


 叫び声のした方に向かう。


「(大したことないといいんだけど)」


 嫌な予感がしながらも、足を進める。


 草木をかき分け、現場に到着する。

 そこではすでに魔獣と生徒との戦闘が行われていた。

 いや、一方的な蹂躙といった方が正しいだろう。

 それも、生徒側がやられているという。


「(熊とイノシシの魔獣が一匹ずつか。狩りの最中に出会って連れて来ちゃったパターンかな。っとヤバい)」


 ちょうど、女の子が熊魔獣に襲われそうになっていた。


 瞬時に無詠唱で氷の矢を構築して、熊魔獣に向けて射出する。と同時に、イノシシ魔獣に向かっても氷の矢を射出する。


 二匹とも後方に吹き飛ばされる。が、すぐに体勢を立て直しこちらに向かってくる。


「(魔獣化した動物の生命力はやっぱり異常だな。さっさと片付けよう)」


 魔力を多めに放出して、無詠唱で炎の矢を40本ほど展開させる。


「いけっ」


 一匹につき20本ずつ超高速で矢を魔獣に突き立てる。


「バースト」


 トリガーワードと共に、突き刺さった矢が爆発する。


 土煙が引いた後には、絶命した魔獣二匹が横たわっていた。


「どうする、雫」

「ライフサーチするから、周囲警戒よろしく」

「おーけー」


 目をつぶり、魔力を周囲に広げながら放出する。


「ライフサーチ」


 トリガーワードと共に頭の中に周囲の生命体の情報が頭の中に入ってくる。


「(って、やばいぞこれは)」


 北方3キロの地点に魔獣の反応多数。しかもこっちに向かって来てる。


 それを幹也に伝える。


「おいおい、まじかよ。安全だって話はどこいった」

「わかんないけど、とりあえずこの子達の治療をするから警戒継続」

「了解」


 襲われそうになってた女の子は助かったものの、残りの男の子2人と女の子1人は結構な大怪我で、傷口から血が流れ出ている。ライフサーチで反応があったから生きているとは思うけど。


「(早く、治療しないと)」


 怪我人を風魔法で一箇所に集め、両手から魔力を放出。


「かの者達を癒したまえ、ハイヒール」


 トリガーと共に眩い白い光とに辺りが包まれる。

 1分ほどすると光が消えた。


 3人とも傷口は綺麗に消えていて、寝息を立てていた。


「やっぱりすごいな、雫は。次は?」

「みんなの避難誘導。ちょうどお誂え向きな場所があるでしょ」

「例の地下の秘密基地か」

「そう。あそこ」


 土魔法で地下に秘密基地を作っている班には、幹也と遊びに行ったり、手伝ったりしていた。規模的には150人ぐらい余裕で収容可能だろう。本当、物事どう転ぶかわからないものだ。


 周囲に魔力を放出させて、無詠唱で念話を発動させる。


「現在、私たちのキャンプ地に向けて北方から魔獣の集団が接近中。あと5分ほどで接敵します。速やかにファイアーボールを目印に地下基地に避難してください。地下基地のあきらくんは至急、ファイアーボールを空中で爆発させて誘導してください。繰り返します・・・」



 とりあえず、意識を失ってる3人と女の子1人を避難させないと。


「シェープクレイ」


 土で荷車を作り出す。


「幹也、意識を失ってる3人とこの女の子1人を無事に地下基地まで運んでくれる?」

「了解。お前はどうするんだ」

「少しでも時間を稼ぐ」

「危険だろ」

「危険は承知だけど、私の実力は知ってるよね」

「・・・わかった。死ぬなよ」

「そっちもね」


 幹也は4人を地下基地へ連れて行った。


 今いる場所は、北方の最前線。ここである程度抑えなければ被害が出る。


 さてと、久しぶりに本気を出すとしますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ