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魔法学院

 彩花と健也に出会ってから早6年たった。

 えっ、その間なにがあったって?


 いたって普通の小学生の生活だったよ。学校に行って、遊んで、勉強して。

 彩花と健也に魔法と勉強を教えて。奈々とちょくちょく戦って。

 そんな感じ。

 ・・・普通じゃない? まあ、いいじゃないか。特に書くことでもないのだし。


 で、今は魔法学院の入試の最中だったりする。

 魔法学院、正式名称「霧が森学院」。一般には名門大学として知られている。そこの中等部に彩花と健也の2人と共に受験することにしたのだった。

 ここの入試は一次試験の筆記試験&面接と二次試験の魔法実技がある。ちなみに、一次試験で魔力がない生徒は二次試験に行くことはできない。このことは一般には知られていないため、選考基準が謎な試験として知られていたりする。


 私たち3人共、一次試験はパスした。いやー、2人に勉強を教えるのは大変だったので、苦労が報われた気がしましたよ。


 今日行われているのは二次試験。


 先ほどから受験生たちが様々な攻撃魔法を行使している。

 この試験場では攻撃魔法を判定する。人によっては攻撃魔法が不得意な場合もあるので、そういった場合は別の試験場で試験を行うのだ。回復魔法がその一例。


「次、柏木 雫さん」

「はい」


 さて全力で行きますか。手加減なんてして舐められたら魔法師として終わりだからな。

標的は土でできた1体の人形だ。


 両手を前に突き出し、魔力を多めに放出する。


「ファイアアロー、同時展開100」


 目の前に火の矢が100本展開される。


「ファイア」


 そう言うと、超高速で100本の矢が標的の人形1体に全てに突き刺さる。と、同時に爆発する。

 試験場に轟音が響き渡り、辺りが土埃に包まれ見えなくなる。


 土埃がひき、その場所を見てみると案の定クレータができていた。


「雫さん、ありがとうございました」


 少し顔が引き攣った試験官に試験の終了を告げられる。

 やりすぎたか。まあ、いいでしょ。





「雫ちゃん、私合格したよ」

「俺もだぜ雫」


 ということでその二次試験から2週間ほど。

 無事に彩花と健也は合格。

 もちろん私も合格したのだった。





「新入生代表 柏木 雫さん」

「はい」


 そして今は入学式。どうやら私が入試トップだったようだ。まあ、男だった時は一級魔法師だったのだし、そりゃそうでしょうよ。

 それにしても女子の制服って案外かわいいものだな。紺のブレザーとチェック柄のスカートというよく見かけるタイプ。まあ、これを私が着るとは思わなかったが。スカートには6年の間に慣れてしまった。人間慣れって恐ろしいものだ。


 登壇し前をみると、500人程の中等部の生徒が見渡すことができる。この国にはこんなにも魔法師の卵が存在したのか。さて、将来魔法師になるのはどれだけいるのかな。とか考えながら挨拶をする。


「暖かな春の訪れと共に(以下略)」




 入学式が終わった後はいつもの2人とお昼を食べることにした。


「雫ちゃん、凛としててカッコよかったよ」

「だな。さすがは雫」

「あ、ありがと」


 褒められるのは嬉しいが、少し恥ずかしいぞ。


 2人とたわいのない会話をしていると一人近づいてくる人がいた。


「久しぶり、雫」

「お久しぶりです、奈々先輩」


 奈々は魔法学院に去年入学していた。魔法学院は寮生活のため、1年ほど奈々と会う機会がなかったのだ。


「あなたに先輩と呼ばれるのは変な気がするのだけれど」

「いいじゃないですか。私も先輩と呼んでみたいので」

「ふふっ、まあいいわ。彩花、健也久しぶりね」

「奈々先輩、ひさしぶりー」

「お久しぶりです」


 この4人は訓練所で一緒に練習した仲なので、お互いに仲が良くなっていた。

 私は奈々にも魔法について教えていたりもした。


「3人とも合格おめでとう。まあ、雫は入学確定だっただろうけど」

「そんなことは」

「噂になってるわよ、二次試験で会場を破壊した1年生がいるって」

「まじですか」

「本当よ。まあ、どうせこれからも色々起こすでしょうけど」

「色々起こすって。奈々先輩的には、私はどういう扱いなんですか」

「ひみつ」

「はぁー」


 噂になってるのかー。その程度は予想してたけどね。


「また4人で訓練とかやりましょう。またね」

「はい、また今度」


 奈々が好戦的なのは、5年間戦ってきて十分知っている。大体は私が勝っているが、たまに負けてもいた。強さに貪欲なのだ、奈々は。1年ギャップがあったなかで、どれだけ強くなっているのか少し楽しみでもある。


 さて、これからの学院生活楽しむとしますか。

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