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戦闘

 4人集まったところで、お互いに紹介することにした。すると案外気が合ったようで、すぐに打ち解けることができたのだった。


「なら、奈々ちゃんも魔法使いなんだ」

「そうですよ。皆さんと同じです」


 奈々は物腰が柔らかいようだ。そんな感じでお互いに魔法についてとか、好きな食べ物だとかについて話していると奈々が言い出した。


「雫。私たち、戦ってみない?」


 その物腰とは裏腹に、案外好戦的なご様子。・・・まじか。


「いいよ。私も身体がうずうずしてたところだし」


 そうなのだ。ここは訓練所。周りでは魔法を使った戦闘訓練が行われていた。

 私も魔法師の端くれ。そういったものを見ていれば、戦いたくなってくるものだ。魔法師というのは基本的に血の気の多い人が多い。


「なら始めましょう」




 二人で訓練所の空きスペースにお互い距離をとって向かい合って立つ。


「始め!」

 彩花の合図で試合を始める。


 魔法師の戦いは初手でどれだけ早く魔法を発動できるかどうかで決まる。

 さすがに使うのは初級魔法にするか。


 右手を突き出し、魔力を放出してトリガーワードを唱える。


「炎よ来たれ、ファイアボール」


 一方、奈々は瞬時に水魔法を詠唱短縮で発動させる。


「ウォーター」


 奈々の右手から水が放出されファイアボールを打ち消す。


 いい判断だ。そんな風に考えていると、奈々は水魔法の応用、氷魔法を展開する。


「アイススピア」


 氷の矢が目の前に高速で接近してくる。

 これ普通の6歳の子だったら対処できずに大けがだよ。まあ、向こうもこっちの実力はなんとなく把握してるからこそだろうけどね。


「アイスウォール」


 氷で目の前に壁を展開させる。氷の矢は、氷の壁に阻まれ破壊される。

 土属性で壁を作ってもよかったのだが、目の前が見えなくなる弱点がある。

 その点、氷の壁はある程度前が見えるため死角が生まれにくいのだ。


 さて、奈々が水属性を得意としていることはわかった。なら雷属性で対処が基本だな。


「サンダー」


 奈々にむかって、右手から雷が放出される。


「クレイウォール」


 奈々は土の壁を構築し、雷を防ぐ。それと同時に壁から左手に走って死角をなくすため壁から離脱する。


 さすがは魔法使いの家系。7歳の子(年齢はさっき聞いた)にここまで仕込むとは。


 お互いに息を整える。


「奈々は強いね」

「ありがとう。君も予想通り6歳とは思えない反応速度だよ」

「そりゃどうも。それじゃ、次で決めるよ」

「それはこっちのセリフ」



 それじゃ、少し大技いきますか。


 両手を前に構え、魔力を多めに放出する。


「風よ狂え、ウィンドストーム」


 その声とともに、両手から暴風が発生し、奈々に迫る。


 一方奈々は、氷魔法を使うようだ。


「生けるものよ凍てつけ、アイスブリーズ」


 そういうと、奈々の両手から雪吹雪のようなものが放出される。


 その直後、2人の間で暴風と吹雪が衝突する。

 数秒均衡した後、暴風が吹雪に押しのけ奈々に迫る。


 奈々に暴風が直撃し、吹き飛ばされる。


「やりすぎたか」


 すぐに走って、奈々の無事を確認しに行く。


「大丈夫?」

「うん、足を擦りむいただけで無事だよ」

「ならよかった」


 幸い軽傷だったようだ。


「戦ってくれてありがとね」

「こちらこそ」


 そう言うと二人で手を握り合ったのだった。

 二人の戦いは雫の勝利で終わった。


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