独り言
今度は瞳の視点から♪
よしよし。俺の仕事はこれで完了〜♪口元を緩めて、息を吐く。
「飛鳥〜、空飛ぶ位で気絶するなよなぁ〜。」
気絶している為、遠慮なく顔を眺める。
確かに周りに可愛いと言われていた顔ではあるだろう。
小顔に、ぱっちりな二重。
少し目尻が上がり気味な所が、お嬢っぽい雰囲気をかもし出していた。
冷笑が似合いそうな口元。なぜか紅にそまった鼻。
「てかこんなに白い肌。ありえねぇえええ〜。」
飛鳥の雪みたく白い肌。うぅ‥羨ましいぜっ。
俺なんて、陽に焼けて真っ黒くなっちまったよ。
くそっ、飛鳥も絶対色黒女にしてやる‥‥。うっしし♪
それにしてもこいつ…本気でやっていけるんだろうか?
忍者は相当な体力を催す。弱いものから堕ちてゆく世界。
たぶん我が儘放題に生きてきただろう体には無茶ではないか――?
‥‥‥ま、今頃考えても遅いや。
でもなぁ…体付きが標準よりは細い。きっと骨が細いんだろう。骨が細いと傷を負った際、折れやすいしあんまり得はない。
「そういやぁ〜楓も骨細いよなぁ〜。」
最近独り言が多い。いかんいかんっ!
確か独り言が多いと、将来円形脱毛症になるという恐ろしき事を聞いた。んー、でも何故こんな独り言が増えたのか?
「あ、分かった。仲間と逸れちまったからだな♪」
うん。きっとそうだろう♪
自分の服の胸ポケットを確認する。
やはりそこには仲間共通通信機は無かった。嗚呼!不覚だ……。まさか落とすとは思わなかった。
楓と海実にあれ程『胸についているポケットに入れてると落とすから、他の場所にいれろ。』
と注意されたのにも拘らず、面倒臭いという理由からそのままにしていた自分への罰だろう。
ふぅ。つまんねぇや。早く飛鳥起きねぇかな。
文句ばっか言われっけど独り言よりはましだろう。