表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

宝魚島お嬢様

初夏。宝魚島〈ホウギョトウ〉では、大騒ぎが始まる一歩手前だった。

「飛鳥〈アスカ〉嬢、ご気分はいかがなさいますか?」

「………普通。」

「お腹の方は空いていらっしゃいますか?」

「別に。」

「他に何か申し付ける事はございませ・・」

「あぁあ!うっさい!無いからっ。」

「しかし…」

「私が無いって言ったらないのっ!」

「さようですか。ならば、失礼さして頂きます。」

「……早く行け。」


色とりどりのダイヤモンドや光り輝く金の粒が散らばっている椅子の上。

私は独り、無性に湧き上がる苛々をそのままに踏ん反り返っていた。

…うるさい。自分の事位は簡単に出来る。

なのになぜこんなに周りの者はうるさいのだろうか。

なぜ‥‥こんなにも周りに干渉したがるのだろうか。





『ゴテッ』




急にまぬけすぎる音が、天窓から響いた。

―――おかしい……。外から物音がするなんて。

完璧とまで言われた防犯設備が故障でもしたのだろうか?

顔をしかめる。最近の癖となっていた。そのせいで額に少し、皺の痕が残っている。


………少しくらいならいいかな?

ほら、だってさ、故障してたら家来とかに言わなきゃなんないしっ。


今まで感じた事の無い感情。

自分自身に色々と言い訳をつけときながら、好奇心と言う名のやっかいな感情を露にする。





『ドサッ』




「いつつぅ。ったくよぉ。」

目を見開く。ギョッとして背後を振り向く。


「あ。お邪魔します。俺の名前は瞳〈ヒトミ〉。どぉもどぉも♪」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ