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Dummy Girl  作者: こまき
2/2

Girl


でもね、本当は分かっているの。

どう頑張ったって、誰もアタシを愛してなんかくれ無い事。


だって、アタシはDummy Girl



そうよね、このパッチリした宝石みたいな瞳は本当のガラス球だもの。

鼻?唇? こんなもの、歪み無く計算されたパーツをつければ綺麗になるのよ。

髪の毛だって人工物だもの。痛むわけ無いじゃない。

ホラ、一切無駄の無い整った顔でしょう?


プロポーションだってそう。

スラリとしてなくちゃ、洋服着ても見栄えが悪いじゃない。

染み一つ無いのも当たり前。白いのも当たり前

だって、本物の肌じゃないもの。全部作り物。

胸だってお腹だって、理想のプロポーションに決まってるじゃない。

アタシはそうやって設計されてるんだから。



アタシは、Dummy Girl

洋服の為に作られたマネキン。

誰よりも美少女に決まってるじゃない。

だって無駄が一つも無いし、洋服が映えるように作られてるんだもの。



見るだけ見て、愛してくれない。

だけどね、いつだってアタシはお店の花形。

一番目立つウインドウにその時一番のお洋服を着て凛と佇むの。



可哀相なアタシ。

独りぼっちで愛されなくてひたすら仕事をこなしてる。

お店で一番でも、こんなに悲しい事って無いじゃない。



だから、正面のお店に男性物のお店でも誰か作ってくれないかしら。

そうすればきっとウインドウにはアタシ好みの美男子なマネキンが置かれるんじゃない?

アタシの楽しみも増えるってものよ。

もしくは、アタシのお店もメンズ服を取り扱うべきね。

そうすれば、隣に並べられてアタシも寂しくないじゃない。




だからさ、ホラ。

アタシばっかり見てないで意見を店長さんとか前のお店だとかに言ってきてよ。

ね。

確かにこの洋服はアタシには負けるけどアンタも似合うと思うからさ。

ほらほら、アンタの彼氏も似合うって言ってるじゃん!

買うついでで良いよ。『このお店ってセンス良いからメンズのも取り扱えば良いのに~』ってさ。

アタシってば動けないんだからさ。

アンタがやってくれないと、アタシはずーっと寂しい子でしょ?

期待して待ってるからさ。

別にアンタの彼氏採ろうとしてるわけでも、無理に友達紹介してって言ってるわけでも無いし良いじゃない?


ホラ、丁度良く店員さんが接客しに来たじゃないの。

アタシの願い叶えてきてよね。





彼氏求む。ただし、Dummy Boy 限定で!



ミー

マネキンの女の子

どんな洋服も似合うスーパーガール。ただし作り物

とある、女性洋服店の店頭ショーケースに佇む。

マネキンのダミーボーイの彼氏募集中。

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