ヒーローの伝説[約500文字弱]
リハビリにつき、クオリティへの過度の期待は無駄です。諦めましょう。
短いです。「長い話が読みたい」そんな人も、あまり期待しないで読んでくれると、嬉しい……………です。
「あぁ、君に祝福あれ!」
煙がいたる所で立ち昇り、大小様々な穴が開いた荒野でに、高らかに笑い声を上げる男とその横で倒れ臥す男がいた。
「私の勘は正しかった!やはり君こそ私の力を継ぐに相応しい!」
高らかに笑い声を上げていた男は、倒れ臥す男を優しく見つめながらそう言った。
普段その目に強い意志を浮かべている男の姿を知るものにとっては「ありえない」と言ってしまうような光景。
しかし、倒れ臥す男はその目を殺意の籠もった目で睨んでいる。
「なぜ、なぜこんな事をした!答えろ、魔王!」
「答える必要など無いのだ、ヒーローよ。お前は今から、ここで起こった全てを知るのだから………」
そうして伸ばされる手を、ヒーローは必死にかわそうと身をよじるが、体力の限界を迎えていた彼になすすべなど無かった。魔王の手がヒーローの頭に触れると、ヒーローの頭の中に大量の情報が流れ込む。
そうして彼は全てを知った。
魔王に関する、悲しい逸話を。
魔王がなぜヒーローを後継者に選んだかを。
ヒーローを呼んだ国が裏でやっていた極悪非道な行為を………
そして一年後。
彼は、ヒーローは万をゆうに超す魔族と亜人を前にゆっくりと手を挙げ、話し出す。
「諸君、私がーーー」
じりりりりりっー!
大音量で鳴り響く目覚まし時計をガチャッと止めると、彼は右腕を押さえてこう言った。
「勇魔王の我の右腕が疼くッ!間違いない、奴らが攻めてきた!」
彼、田中英雄………英雄と書いてヒーローと読む彼は、キラキラネームで、中二病で、今朝、壮絶な夢落ちを体験した三十歳の魔法使いである。
ちなみに腹はーーーでている。