1/18
序 魔法特区へようこそ
魔法は出てきますが、魔法でドンパチはしません。残酷描写ありは念のためです。
魔法特区計画。それは、魔女たちのための楽園を作る計画だと知らされた。
魔女だという理由で迫害されない。魔法を隠さなくていい。魔法を使っていい。魔女は職業として認められる。魔女が、異端分子として狩られることのないエリアを作る、そんな、魔女たちにとっては夢のような計画。それは確かに実現し、魔法特区は完成した。
初めは、ほんの一握りの魔女と、大勢の一般市民が暮らしていた。そんな中で、魔女たちは、魔女でない者たちのために、魔法を使った。怪我を治せば喜ばれた。空を飛んでは楽しませた。そんな噂を聞きつけて、魔法を自由に使いたいと願う魔女と、魔法の恩恵にあずかりたいと願う市民たちが移住した。
彼らの利害は一致し、魔法特区は上手く回っていった。
――ただし、そこには落とし穴があった。




