浪漫が好きだけど...
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もし、相手が毒を使ったり、
長々と話を始めたりしなければ、私はなすすべもなく殺されていただろう
しかし、そうはならなかった
なぜなら、彼は、力があるだけ、知識があるだけ、
経験がまったくなかったのだ
それと比べたら、最初の試合で多少、まともな戦闘を経験できた私は幸運だったと言えるだろう
斧の間合いより内側で剣を振るえば、慌てふためき、その怪力で無理やり引き離す、を繰り返している
足技とか、ただのタックルとか、やれることはもっといっぱいあるだろうに...
まあ、だからといって、油断していると...
「オラぁッ!」
知識にある動きを再現しようと、記憶をたどりながら、
戦斧の軌道のブレが無くなってきた
「フッ、フッ......はあっ!」
私の剣もまあ、良くなってきているとは思うのだけど、
正直、相手の成長速度のほうが圧倒的に早い
現に、最初の方は隙らしい隙を見つけることが出来たのに、
相手の反応速度が上がっているのが実感できる
...いや、
もしかして、毒の回りもあるのか?
身体能力高位というのが、ある種、耐性面でも発揮されるとしたら、
同じ毒を食らっても、あちらは毒に強いのかもしれない
だから、私の反応速度が下がっているだけなのかも...
なんて、それがあったとしても、恐らく私のほうが成長速度が遅いのは変わらないでしょうね
毒を使うのは現実的に勝つため、
でも、
男として、強敵相手に、少しは純粋な暴力で対応したい
浪漫ってやつだよ
だから...
「少し、ズルさせてもらうよ...。」ガリッ
今、噛み砕いたのは、感覚を麻痺させる薬と、痛みを伴って即時回復をさせる薬、体の再生速度を上げる薬、それを丸薬のようにしたもの
痛みを感じない、
怪我をしても、傷ついたそばから再生を始め、頭、首、心臓さえ守れば...
「隙だらけだッ!」
まっすぐ突っ込んでいって、モツを撒き散らすほどに真っ二つに切られても...
「ッ?!」
「モーマンタイってわけだ!」
異世界産、不思議な葉っぱの力に、感謝感激だよ!
傷はすぐに治ったが、
残念ながら勢いはそのままで、体勢は崩れいて、
剣を地面に刺して、それを軸に蹴りを一発叩き込むので精一杯だった
「くっそ!オラぁッ!!」
「一体、どうなって...っ!」
相手が混乱している今のうちに、剣を囮に、足を蹴り、
顔を殴り、それでやっと、前歯が一本折れただけ...
そして、一呼吸の間に斧が私の左足を膝から切断して、
それを回復するのに、体力をかなり使った
「やっぱり、それ、だいぶ体力使いますよね。」
まあ、バレるのは想定内
でも、できるなら、さっきので剣を当てたかった...
これ以上は...しょうがない、勝ててたら胸熱だったんだけどねえ〜
秘密兵器!
黒色火薬”モドキ”500g
え?少し前に黒色火薬だって説明してたって?
あっ!ごめんそれ、うっそ〜♪
素人が簡単に作れるわけ無いじゃないですかやだ〜
どれが硫黄で、硝石で、なんてわからないし、その比率も知らない
トライアンドエラーをして、似た何かを作ることに成功したんだよ
このモドキは、”火”が無くても...
「十分に衝撃を与えたら、爆発する!」ガンッ...ボンッ!
私と彼のちょうど中間といえる地点、そこに向かって投げつけ、
それと同時に、私と彼に向けて、無数の金属片が飛来する
「がっ!くっ、」
「ぎゃあっ!?痛ッ!」
私も彼も、かろうじて、頭や心臓は守りきれたが、
手足がボロボロ、立つこともままならない状態になっている
いや...なっていた
私は薬の効果で体力を消費して、傷が治っていき、
フラつきながらも、立ち上がることに成功した
「いや〜、お互い、ジャイアントキリングして、ここまで来たって思っているんだけど、相違ないかな?」
まあ、私の一戦目は、ジャイアントってほど格上じゃなかったけどね
「・・・」
「まあ、そうだよね。自分がどうやって人を殺したかなんて、他人に話すのは正直どうかなって思うよ。
でもね、っと」
「うあっ...」
一応手足の腱を切って、万が一に反撃されないようにして話を続ける
「見ての通り、今、強者は私なんだ...、まあ、恒例のようになりつつあるけど、楽に殺してほしかったら、
君の持っている情報を教えてくれるかな?」
数秒沈黙したまま、見つめ合う状況が続き、もう少し脅しをかけようとしたとき、
彼は疑問を投げかけた
「...は?なんだよ、その顔......」
これまでのように敬語ではなく、素のままの言葉は、
恐らく無意識的に変化させていた顔のせいで、ついポロッとこぼれ落ちてしまったのだろう
例の如く、剣を鏡にして見た自らの顔は、特徴が削げ落ち、これを絵にかけと言われても出来ないほどになにもない顔、
だが、その表情は見たものに潜在的な恐怖をもたらすほどに、
どす黒い瞳と狂気的な笑みを貼り付けていた
「はっ、はっ、はっ、はっ......うっ!」
彼は、私の顔を見て、呼吸が荒くなり、冷や汗でびっしょりに濡れて、そして、吐いた
汚いし、正直言うと、すぐさま飛び退いて避けたかったけど、我慢したよ
だって、今の私の顔を確認して、正直私も気持ち悪くなったし、だからこそ
すぐさま彼の方に向き直ったのだから
「ねえ、早く決めてよ。...あっ、そういえばまだ何もきいてないんだったっけ?
じゃあ、あらためて質問するね。
...お前が腰につけているそれ、なんだ?」
「ひっ」
「私には毒のように見えるんだが...。お前、嘘をついていたな?
お前が手に入れたのは、記憶と肉体、
元々は消防士だったってのも嘘だろ?」
「・・・」
「私は別に、毒を使うことが悪いとは言っていないんだ。
神様の言うとおりなら、別に本当に死ぬわけじゃないからな。
でもな、私は嘘をつかれたことがショックなんだ。
それは異世界に行った後で、一緒に行動する仲間になるかもしれない相手が、
信用できないってことだ。これはとても悲しい」
「それは・・・すまなかったと思っている。でも!」
「まあまあ、落ち着てくれ、もう過ぎたことだ。
例え嘘をつかれたとしても、こうして勝ったのは私だし
それに、一番聞きたいのはそんなことじゃない。私が聞きたいのは、その毒のレシピさ」
「・・・ちなみに、教えなかったらどうなる?」
「生きたまま解体して、準備室に持っていけるか確かめる。カニバリズムでも、
GPの節約になる可能性は確かめておかなきゃね。」
...言ったからには、実際にそうするつもりだよ
「・・・わかった。毒のレシピでいいんだな。」
「そう、毒のレシピを教えてくれれば、後で実験するから」
「そうか・・・レシピは〜」
その後、自分で確かめられていない組み合わせの薬を彼で実験し、
話が違うと叫ぶ気力もなくなる頃には、持ってきていた薬のデータは取り終えることが出来た
「じゃあ、安らかに眠り給え...」
ゴスっと頭を貫いた
そして戻ってきた準備室
戦いが終わったということは、今回も...
「ピンポンパンポーン!やあやあ、神様だよ!
第3試合勝利おめでとう。今回負けちゃった子は、異能だけじゃなくて、準備室にあるものから、
価値の低い物を一つ持っていけるよ!」
「そしてそして、勝者には、例の如く異能とGPが贈呈。
今回はルールの追加されないのかな?何人かは、十分GP持っているけど・・・
まあ、それは個人の自由だし、そもそもルールが本当に追加されるとは思わなかったけどね♪
みんな、節約し過ぎだよ〜。じゃあ、その他変化や、ルールの追加報告は、本から通知されるから、
十分に準備して、次の戦いに望んでくれたまえ!」
毒を散布するのも、飲ませるのも、自爆の危険があるので、最初から、致死の毒を飲ませなかった理由になるよね?
矛盾や、おかしいところが有ったとしても、物理的におかしいわけじゃないなら、何もおかしくない
だって、作者である私がそういう考えに至ったなら、登場人物がその考えに至ってもおかしくない...はず。
PS.
そういえば、ヤンキー君が、「信じられるか!」って言ってすぐに、簡単にGP譲渡したいって言ったの、読み返しておかしいなって思ったけど、どうせ、むこう(異世界)ではGPは使わないだろうし、
少しでも可能性があるなら...って考えたんだろうって、思うことにしました。




